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ツーリング工具の構造、種類、規格

切削工具 | 2021年10月08日

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ツーリングとは、工作機械に切削工具を設置させるため、間に入ってアダプターの役割を果たす工具のこと。ドリルやフライスなどの「ツール」の間に入ることから、「tooling」と表記されます。

実際に金属を加工するのに必要なのは切削工具ですが、その性能を最大限に発揮させるためにはツールをしっかりと固定し、金属を削っている間も重心がブレず、力を正しく伝える必要があります。そのため、一般的な金属の切削では脱着のしやすさ、高硬度の金属や高精度な加工を要求される現場においては保持力や剛性などが求められるなど、状況や要求に応じてさまざまな需要があります。

ツーリングの構造と仕組み


フライス盤の場合、ツーリングはツールホルダ、ツールアダプタで構成されています。

ツールホルダ

ツールホルダは工作機械に直接つながるパーツの相称で、ツールアダプタを固定したまま状態を保てる「保持力」と重心がブレずに金属を切削できる「取り付け精度」などが求められます。

ツールホルダには、加工工具によって凹状、凸状の2種類があり、凹状のものを「ホルダ」、凸状のものを「アーバ」と呼んでいます。

ツールアダプタ

ツールアダプタはドリルやフライス、アーバなどの加工工具とツールホルダの間に取り付けられる工具のこと。場合によって、ツールホルダと分離しているものと、一体型になっているものがあります。

プルスタッド

プルスタッドはツールホルダの後端に取り付けられ、工作機械の主軸穴に固定させるために用いられるボルトのことです。切削工具同様、工作機械に取り付けられる消耗品で、耐摩耗性に優れた素材を使用することで長期間、安定した加工を維持することができます。

ツーリングの種類と特徴

ツールホルダは保持力や剛性などが求められる一方、脱着のしやすさや熟練度など、方法によって違った特徴も持ち合わせています。それぞれに特徴の異なる5種類のツールホルダについてご紹介します。

コレットチャック

コレットチャックは最も一般的なツールホルダで、ドリルやエンドミルなど、幅広いツールに対応しています。すり割りと呼ばれる縦方向の切り込みが入った金具に切削工具を差し込み、外側から絞めつけることで工具を固定する仕組みとなっています。

取り付け精度が高く、交換しやすいメリットを持っています。保持力が弱いため、高速回転の軽切削に向いています。

ミーリングチャック

ニードルベアリングの力を使い、切削工具を締め付けて固定するツールホルダで、汎用性が高く、ストレートコレットを変更することでさまざまな工具に対応することが可能です。

工具の保持力や剛性に優れているため、エンドミルを使った重切削に向いていますが、曲げ剛性に弱いため扱いには注意が必要です。

サイドロックホルダ

ストレートシャンクに対し、ホルダ側面からねじを締め付けて固定するホルダです。切削工具をねじで押さえつける単純な構造のため、取り付けがしやすく効率的に切削工具を脱着できます。

高い保持力を持つ反面、剛性に弱いため、高いコストパフォーマンスを生かせる刃先交換式のドリルなどに向いています。

油圧チャック

ホルダに油圧機構を取り入れたチャックのことで、ホルダ内部に充填されたオイルの力によってツールを固定します。保持力や取り付け精度、剛性など、さまざまな面に優れているため、高い精度を求められるリーマ加工などに適しています。また、簡単に脱着ができるため作業者に熟練度を必要としない点もメリットのひとつです。

焼き嵌めチャック

ツールホルダ本体を加熱し、取付穴を熱膨張によって広げた上で挿入し、その後冷却し、元のサイズに戻すことで工具を締め付ける仕組みのホルダです。加熱にはバーナーや電熱ヒーター、高周波誘導加熱装置など、専用の加熱装置が用いられ、冷却は自然冷却や、エア冷却などで対応するのが一般的です。

加熱・冷却に時間がかかるものの、構造自体はシンプルで保持力、精度、剛性にも優れており、主にマシニングセンタで使用されます。

ツーリングの規格

ツーリングには、旋盤やマシニングセンタなど、取り付ける切削機械によってさまざまな種類があります。その中から、多く用いられるNT、BT、BBT、HSKの4種類をご紹介します。

NT(ナショナルテーパ)

NTとは、ナショナルテーパのことで、主に汎用タイプの旋盤に使用されます。BTはプルスタッドを用いて固定されるのに対し、NTは引きねじで固定するのが一般的です。

BT(ボトルグリップテーパ)

BTとは、ボトルグリップテーパのことで、主にマシニングセンタに使用するツーリングのことを指します。プルスタッドを用いて強い力でツールホルダを固定する仕組みになっています。

BBT(二面拘束テーパ)

二面拘束のBTシャンクのことです。テーパ部に加え、ツールホルダのフランジ部分も拘束することで、シャンクをより強く固定します。これにより、BTで主軸とテーパ部分が密着した際に発生することがある熱膨張などによる食い込みを解消し、高速かつ高精度な加工を実現させています。

 HSK(中空テーパ)

主にマシニングセンタで使用される中空タイプのシャンクです。加工時に遠心力の影響を受けにくく、高速加工にも対応が可能。BTシャンクに比べ、高い精度を発揮します。

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この記事を書いた人
株式会社Catallaxy

株式会社Catallaxyは "未来の製造業をつくる" をミッションに掲げ、製造業における従来のサプライチェーン/バリューチェーンの刷新を目指しています。記事内容に関するお問い合わせはこちらへ。

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