2025-01-15
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シボ加工は、金属やプラスチックなどの表面に模様を施す加工法です。皮革の表面のような皮模様や果実の梨の表皮ような梨地模様、幾何学模様など、多種多様な模様が存在します。見栄えを良くしたり滑り止め効果を与えたりするなど、意匠性の向上や機能の付与を目的に行われます。
金属製品の例としては手摺りやドアノブなど、プラスチック製品の例としては車の内装やゲーム機のコントローラなどが挙げられます。
この記事では、金属製品に対するシボ加工を中心に、シボ加工の詳細やシボ加工を施す目的、シボ加工の方法、シボ加工を行う際の注意点について解説していきます。
シボ加工とは、製品の表面へ物理的に凹凸をつけて模様を生み出す表面処理のことです。「シボ」と呼ばれる、皮革をなめす際につけられるシワ模様に由来します。
シボ加工によって形成される模様は多種多様で、代表的な模様としては以下が挙げられます。
・皮模様(シボ)…デコボコした皮革の表面のような模様
・砂目…微細なザラつきのある砂をまぶしたような模様
・梨地模様…つや消しの効果がある梨の表皮のような模様
・幾何学模様…多角形や円、直線などの図形を配置して形成した模様
・ヘアライン…微細な筋目を入れて形成した擦った跡のような模様
そのほか、木目や岩目、布の表面などを再現した模様があります。
引用元:DMG森精機株式会社
シボ加工は、身の回りの様々な金属製品に施されています。スマートフォンやノートパソコンの筐体、建築物の内装・外装パネル、手摺りなど、塗装や鏡面仕上げが施されていない、ほとんどの金属製品の表面に適用されています。
シボ加工は、以下のような目的で行われます。
・意匠的価値の向上
・成形不良やキズの目立ち防止
・機能の付与
・塗装や研磨加工の省略
金属の表面は、研磨が甘いと、チープな印象を受けることがあります。そのようなケースで、高級感を演出するためにシボ加工が施されます。また、用途によっては、鏡面仕上げのような目立つ外観が相応しくないことがあり、つや消しによって落ち着いた印象を持たせることがあります。
シボ加工は、金属を鋳造する際に生じる窪みや凹み(ヒケ)、溶接した箇所に残る溶接線などの目立ち防止に役立ちます。また、表面の汚れ・指紋・キズを目立なくする効果もあります。
シボ加工は、以下のような機能を付与する目的でも行われます。
・光の反射防止
・光の拡散効果(照明の光を散乱させて広い範囲を照らすなど)
・滑り止め効果
・さわり心地の制御
・保湿効果
・結露防止効果
・撥水効果
・異音対策(接触時の異音の発生を防ぐ)
金属製品の人の目に触れる部分には、ほぼ塗装やシボ加工、鏡面仕上げなどの表面処理が施されています。そのため、シボ加工を施すことによって、塗装が不要となり、有機溶剤などを含む塗料を使わずに済みます。また、手間の掛かる研磨加工の省略も可能です。
シボ加工の代表的な方法として、以下が挙げられます。
・エッチング
・サンドブラスト
・レーザー加工
・鋳造・プレス加工
・研磨加工
化学薬品などの腐食作用を利用して溶解することで模様をつける方法です。溶解しない部分にのみ防錆処理を施すことで、目的の模様を形成します。電気を流すことで溶解を行うエッチングもあります。皮模様や幾何学模様、木目など、多様な模様の形成が可能です。
参考:【エッチング加工とは?】価格や加工例、製造工程までご紹介!
砂粒などを高速度で吹き付けて模様をつける方法です。梨地模様の形成やつや消しが可能です。投射材や投射速度などを変えることで、光沢やザラつきの度合いを制御することができます。
レーザーでダイレクトに削ることで模様をつける方法です。正確で多彩なパターンが得られます。幾何学模様やヘアラインなど、規則性のある模様を形成しやすい方法です。
鋳造やプレス加工における金型に凹凸をつけ、その凹凸の反転した模様を成形品に転写する方法です。シボ加工を施した金型を用いて成形品に転写することでシボ加工を行います。皮模様や梨地模様などを形成することができます。
研磨加工によって模様をつける方法です。鏡面仕上げのようにピカピカに磨き上げるのではなく、キズをつけることで模様をつけます。単一方向に微細な筋目をつけるヘアラインなどを施す際に採用されます。
参考:研磨加工とは?種類と加工手順、除去加工まで専門家が解説!
シボ加工の模様や方法によらない注意点として、模様の見え方を予め確認しておくことが挙げられます。シボ加工の視覚的な印象は、材質や色によって大きく変わります。そのため、同じ材質・色の板にシボ加工を施したサンプルプレートを事前に作成してもらい、しっかりと確認しておきましょう。
また、シボ加工を施す範囲は、図面に明確に指示することが大切です。場合によっては、6面図・斜視図・断面図などでも表示したり、シボ加工を施す面を矢印・色分け・網掛け・破線などで指示したりすることで確実に伝わるようにしましょう。
引用元:株式会社大塚商会
シボ加工を鋳造やプレス加工などで施す場合は、金型の抜き勾配に注意が必要です。この場合、成形品に施すシボ加工の模様は、金型につけたシボ加工を転写することで形成されます。そのため、金型から成形品を抜き取る際、金型の凹凸に成形品が引っ掛かって外れなくなってしまうことがあります。これを防ぐため、上図のように、金型に勾配を付けてスムーズに抜けるようにしなくてはなりません。シボ加工の場合は、模様の凹凸の高さ(深さ)によりますが、おおよそ5°の抜き勾配が必要です。
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