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SUS201(ステンレス鋼)用途、錆、磁性、硬度、規格

オーステナイト系ステンレス | 2021年04月22日

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SUS201は、オーステナイト系ステンレス鋼の一種です。他のオーステナイト系ステンレス鋼に比べてニッケルの含有量を減らしており、低価格化を図っています。

ステンレス鋼は、英語で「stainless steel」と表記される材料で、その名前の通り錆びに強い特性を持ちます。ただし耐食性の良さは、クロムの含有量によって左右され、材質によって異なるもの。加工性についても、材料の耐力などによって違いがあります。

SUS201の用途と特性(錆について)

SUS201は、オーステナイト系に該当するステンレス鋼。ニッケルNiの含有量を少なくし、代わりにマンガンMnと窒素Nの含有量を増やして低価格化を図った材料です。ニッケルは高価な材料にあたりますが、SUS201では、ニッケルの含有量を抑えることで低価格を実現しています。

SUS201が該当するオーステナイト系のステンレスは、一般的に高温になると強度が高くなり、低温でも脆くなりにくい特性があるほか、溶接性に優れています。

SUS201に関しては、耐力と硬さの数値が高いのも特徴です。その反面、他のオーステナイト系ステンレスと比べて加工性は劣ります。

参考:【SUS(ステンレス)種類と見分け方】用途・特徴を専門家が徹底解説!

SUS201は、安価なことと高強度な特性を活かし、食器類や鉄道車両部品の用途で使われています。

SUS201は、JIS規格においては【JIS G 4303 ステンレス鋼棒】、【JIS G 4308 ステンレス鋼線材】にて規定されていますが、ステンレス鋼板・鋼帯・形鋼といったJIS規格には含まれていません。

相当材

SUS201の相当材は、以下の材料が挙げられます。

SUS201相当材

・アメリカ UNS規格:S20100

・欧州規格 EN:1.4372

・中国規格 GB:S35350

・国際規格 ISO:X12CrMnNiN17-7-5

相当材とは、「同等品」の意味を表します。例えば図面内に「SUS201相当材」と記述があった場合、それと同等品の材料である、UNS規格のS20100などを用いてもよいという意味になります。

SUS201の磁性

SUS201は非磁性のため、磁石に付くことはありません。そのため、SUS304と見分けるために、磁石を用いても判別は不可となります。しかし、SUS201は曲げ加工などをすることで、材料内部の結晶構造に変化が生じ、若干の磁性を持つ場合もあります。

SUS201とSUS304は、マンガンの含有量に違いがあるため、これらを判別するには、マンガンチェッカーと呼ばれる計測器を使い、マンガンの含有量を調べる必要があります。

SUS201とSUS304の比較

価格

SUS201は、SUS304に比べて価格が比較的安価な点がメリットです。SUS201のほうがSUS304よりも安く設定されています。

  • <ステンレス角バット価格表>

品番

おおよその寸法(mm)

(幅×奥行×高さ)

SUS201販売価格(円)(税別)

SUS304販売価格(円)(税別)

手札判

155×125×26

429

469

カード判

185×140×28

449

499

キャビネット

210×169×33

499

549

21枚取

245×198×39

669

768

18枚取

267×205×39

799

899

15枚取

296×232×50

899

1,190

12枚取

321×256×54

1,390

1,390

10枚取

352×266×63

1,490

1,590

8枚取

405×293×66

1,890

1,990

6枚取

477×336×81

2,390

2,790

※寸法はSUS201とSUS304の製品で若干の違いがあります。

※2020/12時点での価格です。

引用元:モノタロウ

耐食性

SUS201はSUS304と比較してクロムCrの量が少ないため、耐食性に劣るデメリットがあります。

クロム量の比較
SUS201SUS304
16~18%18~20%


引用元:厨房本舗

クロムを含有していることで、ステンレスの表面に「不働態皮膜」と呼ばれる薄い皮膜を形成し、錆びから材料を守ります。

不働態皮膜は、キズなどが付いて破れてしまっても大気中の酸素と反応して、再び膜を形成します。しかし、クロムの含有量が少ないと不働態皮膜を形成しにくくなり、それに伴い錆びも発生しやすくなります。

参考:SUS304とSUS430の意味とは? 使い分けや特徴も分かりやすく解説!

SUS201の化学成分

  • <SUS201の化学成分(単位:%)>

種類の記号

C

Si

Mn

P

S

Ni

Cr

Mo

Cu

N

その他

SUS201

0.15

以下

1.00

以下

5.50~

7.50

0.060

以下

0.030

以下

3.50~

5.50

16.00~

18.00

-

-

0.25以下

-

SUS304

0.08

以下

1.00

以下

2.00

以下

0.045

以下

0.030

以下

8.00~

10.50

18.00~

20.00

-

-

-

-

引用元:JIS G 4303:2012

上表は、JIS G 4303:2012に記述されている、SUS201とSUS304の化学成分を表しています。SUS201は高価であるニッケルNiの含有量を減らし、代わりにマンガンMnと窒素Nを多く含有。これにより、低価格化を実現しています。

しかし、SUS201はクロムCrの含有量がSUS304に比べて少なく、耐食性に劣ります。

SUS201の機械的特性(耐力、伸び、硬度、引張強さ)と加工性

JIS規格の規定値

  • <SUS201の機械的性質>

鋼種名耐力
MPa
引張強さ
MPa
伸び
絞り
硬さ
HBWHRBS又はHRBWHV

SUS201

275以上

520以上

40以上

45以上

241

以下

100

以下

253

以下

SUS304

205以上

520以上

40以上

60以上

187

以下

90

以下

200

以下

引用元:JIS G 4303:2012

上表は、JIS G 4303:2012に記述されている、SUS201とSUS304の機械的性質を表しています。SUS201は、SUS304に比べて耐力や硬さの数値が高く、伸びと絞りの値はほぼ変わらないことから、加工性は低下しています。

SUS201の物理的性質(ヤング率など)

  • <SUS201の物理的性質>

種類の記号密度
g/cm3
ヤング率
GPa
熱伝導率
W/(m・℃)
電気抵抗率
10-8Ω・m
比熱
J/Kg・℃
弾性係数
103N/mm2
線膨張係数
10-6℃
SUS2017.93197100℃:16.3
690~100℃:503197 0~100℃:15.7
 0~315℃:17.5
SUS3047.93193 100℃:
  16.3~25.1
 500℃:
  21.3~28.9
72~74460~502167~193 25~100℃:16.3~17.3
 25~300℃:17.8
 25~500℃:18~18.4
 25~700℃:18.4~18.9

SUS201の物理的性質については、SUS304と比べて大きな違いはありません。

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この記事を書いた人
Mitsuri編集部
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