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ステンレスパイプ加工について解説!

曲げ加工 | 2022年03月17日

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耐食性が高く丈夫なステンレス製品は、日々の生活で数多く見かけます。便利で実用性の高いステンレス。しかし、ステンレスは「難削材」と言われ、比較的加工の難しい材質です。硬くねばりがある材質であり、切断や曲げ、穴あけ加工時に使用工具、機械に多くの負担をかけるため、加工者の技術と経験がコスト低減のカギとなります。

中でも、ステンレスパイプの加工は、手間のかかる作業です。使い慣れた加工業者に依頼したら、想像とは違ったものができてしまうこともありますので、ステンレスの加工を依頼する業者はしっかりと見極めることが重要です。

本記事では、ステンレスパイプの加工について詳しく説明しています。

  • 「ステンレスパイプの加工って何ができるの?」
  • 「ステンレスパイプ加工について詳しく知りたい」
  • と悩んでいる方は、参考情報としてご活用下さい。

どのような加工があるのか

ステンレスパイプの加工といっても様々あります。

ステンレスパイプの加工において一番重要なのが、技術の正確性。ステンレスは、硬度や粘りが高い材質なので、寸法ズレや切断面、穴あけ面の仕上げが汚くなってしまうことがあります。バリや見た目などはやすり等でフォローすることができますが、寸法ずれが発生すると目も当てられません。検査で見つからなかった場合、最終組み立て時に気がつき大惨事になってしまうこともあるでしょう。

そのため、ステンレスパイプ扱うことに慣れた「知識」「経験」「技術」を兼ね備えた企業に加工を依頼する必要があります。

カット

引用元:株式会社レーザーテック

製品を作る上で一番始めに行う工程が「カット」です。ステンレスパイプのカットは鉄パイプカットと比較してカット断面がボロボロになりやすく精度が落ちやすい為、専用工具を使用しなくてはなりません。

ステンレスパイプをカットできる機器は「丸鋸」「旋盤」「レーザー」などが主に挙げられます。どの工法にもメリット・デメリットがあるので、簡単にご紹介します。

丸鋸

「丸鋸」はステンレスパイプをカットする代表的な機器です。ステンレスパイプをカットするには、専用の丸鋸刃が必須。専用の丸鋸刃では、カットにかかる手間も少なくコストを抑えて加工することが可能。しかし、バイスで固定するため、薄物の丸パイプは潰れてしまうリスクもあります。


旋盤

「旋盤」加工は、機械加工おいて代表的な機器です。旋盤加工をする場合にも、ステンレスパイプカットは専用の切削工具を設置しなければなりません。旋盤でカットするパイプは、寸法が正確で精度を±0.1以上に仕上げることもできます。その反面、一度にたくさんの量を加工できないため、他の加工よりコストが高くなりやすいのが難点です。


レーザー

「レーザー」加工は、レーザーを照射し溶融させてステンレスをカットする技術です。レーザーカット面はバリなどが出にくく、切子が飛び散らないため仕上がりがキレイなのが魅力的。加工コストは旋盤より安価ですが、加工対象を定盤の上に置く必要があり、丸パイプは専用治具等が無くては固定することができないため、通常のレーザー機器では、丸パイプをカットすることはできません。

また、板厚の厚いカットはレーザー出力の関係上、表面がギザギザになりやすいため、3mm程度までの薄物に適しています。ただし、熱の影響を受けやすいので、出力の高いレーザー機器が必要です。


曲げ

引用元:井上金属株式会社

ステンレスパイプは主に「パイプベンダ」「ガス炙り手曲げ」の2種類で曲げられます。ここでは、メリット・デメリットを簡単に説明していきます。

パイプベンダ

「パイプベンダ」はパイプを曲げる王道の工法です。機械で曲げたり、専用機器で手動でパイプを曲げたりすることができます。パイプベンダを使用して手動でパイプを曲げるためには、職人の技術力は必須。硬いステンレスパイプでは、より一層の技術力が求められます。また、手動パイプベンダではパイプ内径が一部潰れてしまうというデメリットもあります。

そのため、多くのパイプ曲げは機械を使用したパイプベンダーで行われています。機械で行うパイプ曲げは、寸法精度が正確で製造コストが安価なのがメリットです。その代わり、曲げた部分が痩せてしまい、寸法が縮んでしまうのが難点です。


ガス炙り手曲げ

一方、「ガス炙り手曲げ」とはその名の通り、ガスでパイプを炙り、柔らかくなったパイプを曲げていく工法です。熱変形の激しいステンレスパイプを自在に曲げるためには、職人の技術力および多くの時間が必要。手曲げは、主に3次元のパイプ曲げなどの難易度が高い曲げ加工に必要です。そのため製造コストも割高になってしまいます。

バーリング

引用元:ノーラエンジニアリング株式会社

「バーリング加工」とは、加工穴回りを立ち上がらせる加工のことです。薄物板材にネジ穴加工を施したい場合や、板自体の強度を高めたい時に用いられます。

丸パイプをバーリング加工するためには、まず抜きコアを作成してから下穴をあけます。そして、穴の周りに専用の抑え金具をセットしてから抜き、コアを引き抜くことで穴回りを立ち上がらせることができます。角パイプは、タレパンでもバーリング加工が可能です。ただし、タレパン専用機械にセットできるサイズの小さい角パイプでなくてはなりません。

穴あけ

引用元:有限会社大橋機械工業

ステンレスパイプの穴あけは鉄パイプと比較して非常に難易度が高く、失敗の多い工程です。特に丸パイプは穴あけ時、ドリルが外に逃げてしまい、穴位置がずれてしまいがちです。そのためステンレス丸パイプの穴あけは慎重かつ丁寧に行わなくてはなりません。

穴あけ工法は「ボール盤」「フライス」「レーザー」で加工することができます。ここでは、簡単にメリット・デメリットを説明します。

ボール盤

「ボール盤」加工は、テーブルの上に工作物を乗せ、固定したバイスで工作物を締め付けて回転しているドリルで穴を開けます。ボール盤加工はセットする時間も短く、工程が少ない為、最もコストがかからない工法です。しかし、穴あけ時に位置ズレしやすく、失敗する可能性が最も高いのでリスクも伴います。ステンレスパイプをボール盤で穴開けるには、専用のキリを使用し、熟練の技術力は必須と言えるでしょう。


フライス盤

「フライス盤」はX軸・Y軸と下のテーブルを動かし、ドリルを直接当てることによって様々な形の穴をあけることができます。ボール盤では長穴を開けることはできませんが、フライス盤は長穴加工は簡単です。精度が高い穴をあけことができるフライス盤ですが、コストが割高になりがちなのがデメリット。フライス盤加工でもドリルは、ステンレス用の物を使用します。


レーザー

「レーザー」はカットと同じく穴あけも可能です。ただし、レーザー穴あけはパイプ固定治具の関係上角パイプのみの対応ですのでご注意ください。


ステンレスパイプ 加工事例

引用元:株式会社ハセテック

ステンレスパイプの曲げ加工。パイプベンダーでステンレスパイプを少ないRで曲げるには技術が必要です。

引用元:株式会社リプス・ワークス

極細ステンレスパイプに極小穴あけを施した例です。フライス盤と旋盤の技術が高くなければ、穴が潰れてしまいパイプがガタガタになってしまいます。

引用元:株式会社レーザーテック

レーザー加工を用いたステンレスパイプの長穴スリットです。肉薄丸パイプにスリットを入れるには、特殊治具か3次元レーザーが必要になります。

引用元:荒木技研工業

巨大ステンレス丸パイプにバーリング加工を施した例です。穴径が大きいのにバーリングがきっちりされています。

まとめ

今回はステンレスパイプ加工についてご紹介しました。

ステンレスパイプは、鉄パイプと比較すると同じ加工でも難易度が大きく異なり、技術や設備が整っていなければ、正確で精度が高く綺麗な加工はできません。また、工法によって価格が大きく異なるため、最終的に求める製品精度によって適切な工法を選択する必要があります。

そのため安易に業者選定を行わず、依頼時には十分吟味したうえで製品発注することがおすすめです。

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この記事を書いた人
株式会社Catallaxy

株式会社Catallaxyは "未来の製造業をつくる" をミッションに掲げ、製造業における従来のサプライチェーン/バリューチェーンの刷新を目指しています。記事内容に関するお問い合わせはこちらへ。

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