2025-01-15
更新
島尻 亮汰
Mitsuri PdM
製造業向け商取引プラットフォーム「Mitsuri」のプロダクトマネージャーとして、プロダクトの開発からマーケティングの戦略立案・実行に至るまでを包括的にマネジメントを行う。著書「SaaSで考えるPLG戦略」
近年、日本は高齢化に伴い労働人口の減少が深刻化しています。特に製造業は人材採用の雇用が難しく、募集をしても思うように人が集まらないケースが多いと言われています。
では、よりスムーズに製造現場で人材採用を行うにはどのようなポイントに注意すれば良いのでしょうか。製造業の雇用にお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
まずは製造業の雇用が難しい原因について探っていきましょう。
製造業には「キツい」「汚い」「危険」を総称した3Kといったマイナスイメージがあります。このマイナスイメージから製造業界自体になかなか人が集まらない、他業界に人が流れてしまうことが一つの要因として考えられます。
実際には工場によってこのような負の現象には差がありますが、やはり業界全体へのマイナスイメージが定着してしまうと、就職を一歩踏みとどまってしまう人もいるのかもしれません。
日本は少子高齢化に伴い、日本の労働力人口が減り続けているのが現状です。
経済産業省が公表している「中小企業・小規模事業者の生産性向上について」によると、
「今後10年の間に、70歳(平均引退年齢)を超える中小企業・小規模事業者の経営者は約245万人となり、うち約半数の127万(日本企業全体の約3割)が後継者未定。」
(引用元:経済産業省)
つまり、組織の中核である経営陣でも約半数は後継者不足に悩まされているのです。
また、製造業は地方に拠点を構えるのが一般的ですが、若年層の東京への一極集中により、どうしても地方で経営を続けることも困難になるでしょう。特に地方での経営者の高齢化は深刻になっています。60歳以上の経営者割合は一番高い秋田県で66.7%と、地方経営者の6割以上が高齢化しているのが現状です。
様々な社会的背景によって国内の労働人口は減少傾向にあり、製造業界も少なからずその影響を受けているのが現状です。しかし人手不足をこれ以上悪化させないようにと、闇雲に人材募集をすればいいわけではありません。まずは社内でできることから始めてみることが大切です。
いくら採用活動をたくさん行っても、人がすぐに辞めてしまうと元も子もありません。下記で紹介する対策を実践する前に、一度社内での離職率を高めてしまわない策を考えることが大切です。
取り組む内容としておすすめなのが、キャリアを明確に提示すること。勤続年数、仕事の成績といった評価が今後の職位やキャリアにどんな影響を与えるかがわかるようになることで、社員自身の問題解決の糸口になったり、現状の立ち位置がわかることで仕事へのモチベーションアップを引き上げたりすることができます。
そのためには、従業員の評価制度を構築することが必要です。従業員のモチベーションを高く継続させるには、短期的な目標と長期的な目標設定がキーになります。定性的、定量的な評価基準を決め、昇給や昇格のために必要な項目を明らかにしましょう。
他にも、従業員の仕事に繋がる本の購入や講座の支援などを導入してみるのもおすすめです。
単純作業を人が行っている場合、PCやソフトを導入してみるのはいかがでしょうか。自動化できる作業をヒトが極力介入しないことで、対ヒトとのコミュニケーションやアイディア出しといった、ヒトでしかできない仕事に集中することができます。
また、初期投資や運用コストがかかりますが、産業用ロボットの導入も一つの手。作業手順のカットや作業時間の短縮が可能です。
製造業の現場労働者というと男性のイメージがありますが、女性の雇用も視野に入れなくてはいけません。経済産業省によると、製造企業における女性従業者の割合は中小企業が42.5%、大企業が22.9%と中小企業が大企業に比べて高くなっています。
また女性の雇用を増やすにあたって、福利厚生の充実、育休・産休の取得のしやすさなど改善すべきところもしていくと、女性もさらに働きやすく雇用も増えるかもしれません。
(引用元:経済産業省)
日本でも外国人労働者の数が増加しています。それに伴い、製造業界でも技能実習制度を活用して外国人労働者の雇用を視野に入れている企業もあります。
技能実習制度とは、外国人の技能実習生が母国では習得が困難なスキルの習得を得ることを目的としたものです。期間は最長5年、技能実習生は受け入れ先企業と雇用契約を結びます。なお、外国人技能実習制度は対象となる職種が決められていますが、製造業では約50種が対象となっています。
ただし、外国人採用は日本人採用とは違う法を遵守しなければなりません。事前に環境整備などの必要な準備はしっかり行うことが必須となります。
最近ではネットも使って採用活動をしている人がほとんどです。そのため、自社のHPを使って採用をアピールすることで、より採用活動者が働く姿をイメージしやすくなります。
また、SNSで自社の魅力やちょっとしたニュースなどをこまめに発信することで、より身近に、そして気軽に情報発信できます。駅の自動ドアや産業機械向け減速機などを手がけるナブテスコ株式会社は、FacebookやTwitterを活用して情報発信を行っています。プレゼントキャンペーンから自社製品の紹介、開発の歴史や従業員の声など発信内容はさまざまです。気負わずにちょっとした情報を発信できることがSNSの魅力です。まずは他社がどんな情報を発信しているのかリサーチし、真似できるところはどんどん取り入れてみましょう。
人材採用が難しいと言われる製造業ですが、外国人労働者・女性といったあまり重視してこなかったターゲットへのアプローチを視野に入れてみてはいかがでしょうか。さらに、自社のHPやSNSを使って採用情報や自社の魅力をアピールしていくと、よりスムーズに採用活動ができるかもしれません。
採用活動を積極的に行うことも大事ですが、まずは離職率を抑えることやPCソフトの導入など社内での環境設備の見直しを行うことがキーとなります。社内の労働環境を一度見直してみて、できることから一つずつ行ってみてください。
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