追加工・二次加工とは?依頼時の注意点までご紹介!

「追加工・二次加工とはなにか?」

「追加工・二次加工の種類について知りたい」

「追加工・二次加工を依頼する際の注意点は?」

このような疑問や悩みをお持ちの方は必見です。追加工・二次加工は、より良く製品を機能させるために必要な加工です。シャフトやプーリーといった駆動系の部品は追加工・二次加工を必要とするシーンが多いこともあり、世の中にある機械を稼働させていると言っても過言ではありません。

この記事では追加工・二次加工について詳しく解説するほか、依頼時の注意点についても併せてご紹介します。追加工・二次加工でお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

追加工・二次加工とは

追加工とは、既に加工を施してある製品に対して再度加工を行うことです。これは、二次加工についても同じ意味を表します。

例えば、製品の組み立てにおいて必要とする部品は、規格品やメーカーの標準品に近いものの、穴径のサイズに違いがあったり、溝が必要だったりする場合もあるでしょう。ここから追加工・二次加工を行い、自身が必要とする部品へと成形します。

このような特注品は、一般的に市場に流通しているものを利用すれば、新規製作するよりも安くなることもあり、ベースとなる部品も手に入りやすいのが特徴です。


主に行う製品

追加工・二次加工を主に必要とする製品は、シャフト・プーリー・歯車・スプロケットなどが代表的です。これらに共通しているのは、回転運動により機能する部品ということ。

例えば、プーリー・歯車・スプロケットは、回転の軸となるシャフトに固定して回転運動を生み出します。これらの部品をしっかりと嵌合させるために、プーリーなどの穴径やシャフトの外径を合わせるための追加工を必要とするケースが多々あります。


追加工の種類

タップ加工・穴あけ加工

タップ加工とは、ねじを挿入するための穴を設けるための加工です。穴の外周に、ねじが入る筋を切ることで「めねじ」ができます。めねじを設けるには、あらかじめに穴あけ加工を施す「下穴」を用意しておく必要があります。

穴あけ加工はドリル、タップ加工はタップと呼ばれる刃物を用いて加工します。タップ加工のための下穴は、ねじのサイズによって穴あけ加工する直径が決まります。

参考記事

タップ加工・穴あけ加工については以下の記事にて詳しく解説しているので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

穴開け加工とは【専門家が解説】タップ加工、リーマー加工との違いを説明!


軸穴加工

軸穴加工は、プーリーやスプロケットなどの回転軸となる穴を加工すること。ただの穴あけ加工とは違い、回転軸の中心となる箇所のため、芯ずれのないように加工しなければなりません。

また、軸穴はJIS規格により、寸法公差が定められています。加工する際は、設計図と規格を確認し、寸法公差内に収まる製品を作る必要があります。仮に穴径を公差よりも大きい値で加工してしまった場合は、製品として使用できなくなるので注意が必要です。


キー溝加工

引用元:株式会社南星

キー溝加工とは、回転の力を与えたとき、連結する部材の空回りを防ぐための「キー」と呼ばれる溝を設ける加工のこと。上図のように内径にキー溝を設けることもあれば、外径に設けることもあります。

キー溝の加工方法は、主にフライス盤・スロッター加工・ブローチ加工・キーシーター加工などが挙げられます。

フライス盤でキー溝加工する場合は、エンドミルを用いるため、加工の仕方によって角にRが付くのが特徴です。

引用元:株式会社サンテック

スロッターは、別名「立て削り盤」とも呼ばれており、上図のようにバイト(刃物)を上下運動させて切削します。スロッター加工は、外周面の加工や、内径の底が詰まっているような、行き止まりのある材料に対してもキー溝を成形できます。また、キー溝以外に六角穴や四角穴形状など、加工できる種類が豊富なのも特徴です。

引用元:東大阪市技術交流プラザ

ブローチ加工は上図のように、ブローチと呼ばれる専用の刃物を被加工材にセットし、引き抜くことで加工します。ブローチは引き抜いていくにつれて、徐々に刃物の寸法が大きくなるよう設計されており、引き抜き終えると必要な寸法分を切削できます。

ブローチ加工は一回の工程で加工が完了するため、加工時間が短いのが特徴。製品を量産するのに最適です。また、内径の小さい製品でも対応できます。

引用元:宝機械工業株式会社

キーシーター加工は、機械の内部に仕込んだ刃物を上下運動させて切削します。刃物にストロークがあるため、貫通穴でないと加工はできませんが、複数の製品を積み重ねて同時に加工することも可能です。

また、重切削が得意で、広い面積を加工するのに適しています。上の動画はキーシーター加工の様子になります。


テーパー加工

テーパー加工とは、被加工材を円錐状のように角度を付ける加工のこと。テーパー加工をするには「旋盤」と呼ばれる機械を用います。旋盤は、被加工材を回転させて固定した刃物で削る機械のこと。被加工材を回転させて削っていくため、テーパー加工との相性は良好です。

引用元:有限会社エムワン精工

テーパーは、製品の根本に強度を持たせつつ先端を細くしたい場合や、上図右のように嵌め合わせで使う場合があります。テーパーで嵌め合わせるメリットは、上図左のストレート状に嵌め合わせるよりも、嚙み合わせやすい点です。

また、ストレート状だと、嵌め合わせたあとに食いつき過ぎて脱着が難しくなる「カジリ」が発生しやすい傾向にありますが、テーパー状ならしっかりとした食いつきがありながらも「カジリ」の発生を抑えることが可能です。

このため、テーパー加工は部品のメンテナンスなどで、取り外しが考えられるような部分に多く施されています。


追加工・二次加工でよくある失敗と依頼する際の注意点

高硬度の素材は加工難度高い

熱処理を施しているような高い硬度を持つ素材は、追加工が難しい傾向にあります。これは、切削するための刃物が、被加工材よりも硬いものを用意しなければならないため。

刃物が被加工材に負けてしまう、または刃物の寿命が短くなるなどのケースがあるので、高硬度素材の追加工を依頼する際は、打ち合わせの段階で先方に相談しておきましょう。


図面について

追加工・二次加工を依頼する際、図面が必要と思われがちですが、図面がなくても相談は可能です。その内容にもよりますが、図面が無くても対応可能な場合も多いので、用途を加工業者に説明すれば、適切な加工を施してもらえるでしょう。その他の熱処理や塗装、メッキといった表面処理のみの相談にも対応できます。


メッキ等の表面処理について

メッキ等の表面処理を施した製品を追加工すると、加工した部分のメッキがなくなります。そのため、追加工した後は再度メッキ等の表面処理が必要です。

追加工して表面処理が剥がれた状態のままでは、表面処理の効果を得ることができません。


元の部品の寸法精度に注意

元の部品の寸法精度が良くないものを追加工すると、加工精度が落ちる可能性があるので注意してください。これは追加工の際、寸法の基準となる箇所にバラつきが出てしまうためです。

高い寸法精度の追加工を求める場合は、元の製品から精度の高いものをベースとして使わないと精度よく加工できない場合があります。


追加工・二次加工でよくある質問

Q.追加工・二次加工の依頼は図面が必要?

その加工の内容にもよりますが、詳細な図面がなくとも追加工・二次加工は可能な場合が多いです。概略図でも対応できる場合もありますので、要望があれば加工業者へ問い合わせてみましょう。Mitsuriでも同様に対応できますので、気軽にお問い合わせください。


Q.追加工・二次加工の納期はどれくらいかかる?

対応の早い加工業者であれば、追加工・二次加工が必要な製品が届き次第、最短即日で加工から出荷まで対応が可能です。Mitsuriでも短納期の対応ができますので、ぜひご相談ください。


追加工・二次加工を依頼するならMitsuri

追加工・二次加工は、既に加工を施してある製品に対して、再度加工を行うことを言います。追加工・二次加工を必要とする製品は、シャフトやプーリーなどが代表的です。追加工・二次加工を依頼する際は、高硬度の素材は加工が難しい、メッキ等の表面処理が剥がれてしまうなどの注意しなければならないポイントがいくつかあるので注意してください。これらの内容を把握しておくことで、依頼の際に加工業者との打ち合わせが円滑に進められます。

追加工・二次加工を依頼するなら、ぜひMitsuriまでご相談ください。日本全国で250社以上の協力企業と提携しているので、お客様の希望に沿う加工業者が見つかります。お見積りは複数社から可能ですので、気軽にお問い合わせください。

メルマガ購読

Intuit Mailchimp

カテゴリ一覧