看板の材料や建材に幅広く用いられているアルミ複合板ですが、看板用のものはカッターで切断できてしまうことをご存知でしょうか。そのため、四角形などの簡単な形状の看板であれば、自ら加工して用いることも不可能ではありません。
ですが、安全にDIYをするには、手順を踏む必要がありますし、いくつかの注意点もあります。
そこで、今回の記事では、アルミ複合板の簡単な説明をした後に、アルミ複合板を自らカットする方法やその際の注意点について解説します。また、工場に依頼してカットしてもらう場合のメリットについてもご紹介しますので、参考にしてください。
アルミ複合板とは
アルミ複合板とは、発泡ポリエチレン(発泡プラスチック)を2枚のアルミ板で挟み、貼り合わせた板材のことです。
表面材に用いられているアルミは、軽量でサビにくく、加工しやすい素材です。さらに、芯材の発泡ポリエチレンは、安価で衝撃に強く、アルミよりも軽量な素材として知られています。
これらを積層することで、単なるアルミ板よりも安価で軽く、発泡ポリエチレンシートのみで使用するよりも高い強度と優れた耐候性を実現しています。
また、発泡ポリエチレンは、発泡性を調整すれば硬度を変えることが可能で、無機フィラー(充填材)などを混ぜ合わせれば耐火性を付与することもできます。そのため、様々なメーカーから、多様な性質を持つ発泡ポリエチレンを芯材としたアルミ複合板が販売されています。
参考記事
アルミ複合板の詳細や特徴、種類については、以下の記事で解説していますのでご覧ください。
アルミ複合板の用途
アルミ複合板は、主に看板用の資材や建材として用いられています。
耐候性が高く、日差しが当たる雨ざらしの場所に設置しても、伸縮したり反ったりしにくい素材です。また、その比重が0.8g/cm2程度で、最もよく用いられる3mm厚のものでは、1㎡の重量が3kg程度と軽量です。
従って、屋外に使用しても長持ちする上、高所に設置しても落下したときの事故のリスクが低くなります。さらに、軽量なため、運搬や設置も容易です。このような特徴から、アルミ複合板は、看板の資材に適した材料です。
また、耐火性を持たせたものは、住宅のエクステリアやインテリア、オフィスの天井材やパーティションパネル、建築物の外壁など、建材としての用途が多数あります。
アルミ複合板のカットのやり方
アルミ複合板は、アルミ板厚が薄いものであれば、カッターでもカットすることができます。例えば、直線状に切断する場合は、以下のような手順で行います。
①寸法を測り、切断線を描く。
引用元:株式会社ハクロマーク製作所
②切断線に定規を当て、傷を付けるようにカッターで軽く切る。
引用元:株式会社ハクロマーク製作所
③定規を当てながら、軽く切る作業を繰り返して溝を作る。
④溝ができた後は、定規なしで溝にカッターを滑らして切る。
引用元:株式会社ハクロマーク製作所
⑤切断できるまで、カッターを溝に滑らして切る作業を繰り返す。
引用元:株式会社ハクロマーク製作所
⑥バリやカエリが生じるので、ヤスリなどをかけて仕上げる。
このように、アルミ複合板は、表面のアルミに溝を作ることができれば、後はカッターが溝に沿ってスルスルと動きます。そのため、溝を作った後は、切り込みを深くしていく作業を繰り返すことで切断が可能です。
なお、穴を空けたい場合は、電動ドリルなどが必要となります。ただし、この場合でも、バリやカエリは発生してしまうので、ヤスリがけなどで取り除く必要があります。
アルミ複合板のカット時の注意
アルミ複合板をカッターでカットする際には、以下のような点に注意する必要があります。
アルミ複合板カット時の注意点
①カッターが定規からずれないよう、なるべく厚い定規を使用する。
②カッターの進行方向に手を置かないようにする。(軍手などを着ければより安全)
③カッターが切断線からずれると滑る危険性があるので、切るときは力を入れ過ぎないようにする。
④切断後のアルミ部分で手を切ってしまうことがあるので、面取りを行うと共に軍手など着けて取り扱う。
以上の点に注意すれば安全に切断できますし、電動ドリルなどがあれば穴を空けることもできます。しかし、カッターでは、綺麗に切断することは難しく、曲線や円などの複雑な形状は切断できません。また、電動ドリルを保有していないことも多いのではないでしょうか。
工場によるアルミ複合板のカット
専用の機械を用いれば、曲線や円などの複雑な形状のカットはもちろん、文字形状の切り抜きも高品質に行うことができます。
看板加工の工場では、直線状の切断に丸鋸や断裁機(パネルソー)、曲線状の切断や文字形状の切り抜きに上の写真にあるようなルーター加工機を用います。
特に複雑な形状の切断や文字形状の切り抜きは、手動ではなく数値制御やコンピュータ制御で行い、カット用のデータを用意して加工機に入力します。その上で、アルミ複合板を機械に設置して切断や切り抜きを行います。下の動画では、ルーター加工機による文字形状の切り抜きをデモンストレーションしています。
引用元:コムネット株式会社
カットや穴あけだけでなく、曲げ加工やパンチング加工に対応している工場もあります。その場合、カットや穴あけに併せて、一定の曲げ半径で曲げたり、均一のピッチで穴を空けたりすることが可能です。
Mitsuriでしたら、看板加工に特化し、様々な加工に対応できる工場をご紹介できます。看板加工やアルミ複合板の加工にお悩みの方は、ぜひMitsuriにご相談ください。
工場へ依頼する事のメリット
アルミ複合板のカットを工場へ依頼することには、以下のようなメリットがあります。
カットを工場に依頼するメリット
①一定の寸法のカットが可能
②高精度のカットが可能
③複雑な形状のカットや文字形状の切り抜きが可能
④特殊な形状でなければ比較的安価にカットを依頼できる
看板加工の工場の多くは、アルミ複合板を自動でカットできる機械を保有しています。そのため、大量のアルミ複合板を一定の寸法に正確にカットすることが可能です。さらに、上述したように、カッターでカットすることが難しい、複雑な形状のカットや文字形状の切り抜きにも対応しています。
また、加工の需要が多い、直線カットや角R加工(角を一定の半径で丸みを付ける)、穴あけ加工などは、1枚又は1箇所当たり数百円程度と比較的低価格で加工してくれます。
アルミ複合板のカットの見積り依頼ならMitsuri
今回解説したように、アルミ複合板は自らカットすることができますが、それは直線状に切断するなど、簡単な形状に限られます。しかし、工場に依頼すれば、複雑な形状のカットができますし、単純な形状のカットも低価格で可能です。
怪我の危険性や自分でカットする労力などを考えれば、工場にご依頼することがオススメです。
Mitsuriは現在、全国に協力企業が250社以上あり、アルミ複合板のカットを得意とするメーカー様とお付き合いがあります。そのため、お客様に最適なメーカーをご紹介することが可能です。
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