染谷 ひとみ
Mitsuri Media管理人
精密板金加工工場のインサイドセールスとして加工と寸法の提案をしてきた経験を経て、製造業の知見と楽しさを提供している。 幼少期からモノの構造を理解するのが好き。JAPAN MENSA会員。
アルミ複合板とは、薄いアルミ板2枚で樹脂をサンドイッチした軽量の板材のことを指します。その優れた加工性や強度を活かして、主に看板や建材に使用されており、私たちの身近な場所で多く用いられています。
今回は、そんなアルミ複合板について、その基本的な知識について説明した後、その特徴や用途、種類に加えて、アルミ複合板の相場など幅広い内容について詳しく解説していきます。アルミ複合板についてさらに知識を深めたい方や、アルミ複合板の使用や購入でお悩みの方は、ぜひご一読ください。
アルミ複合板は、下図のように発泡ポリエチレン樹脂をアルミニウムでサンドイッチした、3層構造を持つ板材を指します。「アルミ樹脂複合板」や「アルミ樹脂積層複合板」とも呼ばれることもあります。以下に詳しく述べますが、アルミ複合板はさまざまな特徴を持ち、看板の材料や建材を中心に幅広い分野で使用されています。
引用元:株式会社MonotaRO
参考:【アルミの基礎】アルミの加工上の特性やメリット/デメリットまで徹底解説!
それでは、アルミ複合板の特徴について見ていきましょう。
アルミ複合板は、アルミ板の約30%の重量となっており、非常に軽いのが特徴です。
アルミ複合板の芯材は発泡ポリエチレン樹脂となっているため軽量になっています。例えば、3mm厚×910mm×1820mmのアルミ板が約14kgあるのに対し、アルミ複合板は約4kgとなっており、アルミ板の約30%の重さとなっていることが分かります。そのため、運搬や取り付けが容易となり、作業者の負担が軽減されるというメリットがあります。
アルミ複合板の中には、不燃アルミ複合板と言って不燃性を付加した材料があります。こういった防火性を持つ材料は、法律上で使用が定められている箇所では必須となり、今や無くてはならない材料となっています。ガソリンスタンドの看板や地下鉄などの誘導サインなど、防火性が求められる場所で用いられています。
屋外などの日差しが当たる場所や、雨にさらされるような場所、さらに気温の変化が激しい場所などにおいても劣化しにくく、問題なく使用できます。そのため、屋外に掲げる看板はもちろん、建材にも最適な材料となっています。
アルミ複合板は、芯材に樹脂が用いられていることによって、強い衝撃が与えられた場合でも割れることがないため、万が一の際でも安全です。
アルミ複合板は、通常厚さが約3mm程度と薄く、他の板材と比較しても柔らかい材料であるため、加工性に優れているという特徴を持ちます。例えば、切断だけを行う場合はカッターナイフで簡単に切ることができます。他にも、曲げ加工やパンチング加工も容易に行うことが可能な材料となっています。
アルミニウムと樹脂の積層効果により剛性が高く、たわみやひずみが無いため平滑性に優れています。そのため、カッティングシートなどの薄いシートでもきれいに貼ることが可能となります。
看板に用いられる材料には、アルミ複合板の他にも鉄板やアクリル板などがありますが、その中でも安いのがアルミ複合板です。例えば、3mm厚×900mm×1800mmの材料の場合、アルミ複合板の金額はアクリル板の約5分の1程度となっています。
上述した通り、多くの優れた特徴を持つアルミ複合板はさまざまな用途に用いられています。代表的な用途には、壁面看板や大型看板としての使用が挙げられます。看板には多くの種類がありますが、アルミ複合板は比較的多くの種類の看板に利用することが可能で、屋外で用いるプレート状の看板や、大きなサイズの平看板、さらに湿気などにも強いため、プールや温泉施設などでも使用が可能です。
その他にも、防火性を持つタイプの材質には建材用のものもあり、キッチンなどの内装や高層ビルの外壁にも使用されているものもあります。
引用元:株式会社トレード
ここまで、アルミ複合板の特徴や用途について説明してきましたが、アルミ複合板にはいくつか種類があり、それぞれ異なった特徴を持っています。
引用元:株式会社トレード
藤田産業株式会社で開発されたアルミ複合板です。カラーアルミを使用してフィルム貼りの手間を解消した「プレミアムカラーシリーズ」や不燃タイプなど、ラインナップが充実しています。カラータイプも1枚から購入できる他、1500×3000mmの大判までサイズ展開があるため、大型製品の製作にも最適です。
引用元:株式会社トレード
福田金属箔粉工業株式会社で開発されたアルミ複合板です。看板用下地パネルとして、看板屋や印刷会社などで幅広く採用されており、アルミ複合板の中でも非常に人気の高い商品となっています。そのため、在庫も豊富で大量発注を考えている方におすすめです。
引用元:株式会社トレード
積水樹脂プラメタル株式会社で開発されたアルミ複合板です。看板用としての使用に優れ、かつ不燃認定を取得した「不燃アートパネル」が特に人気があります。厚さは、1.5mm、2mm、3mm、5mmの4種類から、用途に合わせて選択できます。特に不燃性のアルミ複合板が必要な方にぴったりな材質です。
引用元:株式会社トレード
三菱ケミカル株式会社で開発されたアルミ複合板です。「アルポリ」の呼称で、アルミ複合板の代名詞にもなっている材料です。アルポリックはカラーエースやソレイタなどと比べて高額で、特に剛性・平滑性に優れた製品となっています。看板としての使用はもちろん、店舗内装・ビル内装材など建材としての使用に最適です。
Mitsuriは、さまざまな種類のアルミ複合板の発注に対応できる多数のメーカーと提携しています。お気軽にお問い合わせください。
金額についてお話しする前に、アルミ複合板の基本のサイズについてご説明していきます。
まず、アルミ複合板の厚みは3mmが主流となっており、その他には1mm、1.5mm、2mm、4mm、5mmのものも存在します。また、基本的なサイズは910mm×1820mm(サブロク)となっており、最も商品ラインナップが豊富です。その他にも 1000 mm×2000 mm(メーター板)、1200 mm×2400 mm(シハチ)などがあります。1220mm×3000mmのような大型サイズも販売されています。
金額については、もちろん種類や大きさ、メーカーなどによってさまざまですが、2020年5月現在、3mm厚×910mm×1820mmのサイズで1枚当たり約2,000円程度となっています。また、人気のアルミ複合板カラーエースの場合、価格の相場は大体、910×1820mmで1枚約2600円、1000×2000mmで1枚約4200円、1220×2440mmで1枚約6500円ほどとなっています。
アルミ複合板は、種類によっても特徴が異なってくるため、必要性に応じて適切な材料を選択する必要があります。また、メーカーによっても在庫のある材質やサイズなどが異なるため、事前に確認することが重要となります。
アルミ複合板の発注が可能なメーカーをお探しの際には、ぜひMitsuriにご相談ください。日本全国で250社以上の企業と提携しているため、きっとご希望に沿うメーカーが見つかるでしょう。Mitsuriでのお見積りは複数社から可能です!ぜひお気軽にお問い合わせください。
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