今回は研磨ベルトの基礎知識について解説します。
研磨ベルトは、表面に砥粒が付着しているベルトのことで、主に自動機に装着して使用します。研磨ベルトは、自動機にて高速回転させて対象物に当てることで、表面を研磨できます。
研磨する機械には、ディスクグラインダーのような円盤状の機械もありますが、円盤の場合は、研磨したい対象物が設置された環境や、対象物の形状によっては研磨しにくい場合があります。一方で研磨ベルトでは、使う分の幅だけを高速回転させて研磨するので、省スペースで研磨できます。また、一定方向で磨く仕組みのため、ヘアライン仕上げのような研磨目になるのも特徴です。
研磨ベルトは、【JIS R 6256:2006 研磨ベルト】にて規格が定められています。JISでは研磨ベルトの種類・特性値・寸法・基材の種類などに決まりがあります。
ここでは参考として、研磨ベルトの特性値と、研磨ベルトに使用する基材についてご紹介します。
<研磨ベルトの特性値>
<基材の種類>
研磨ベルトを見るときの大事なポイントとして、寸法と粒度があります。
寸法は基本的に【幅×周長(mm)】で表記されています。
粒度はP24~P1000などの数値で荒さが示されており、数値が低いものほど粗磨きに適した荒目で、数値が高いものほど仕上げ磨きに適した細目であることを意味しています。粒度の頭に付く「P」の記号は、【JIS R 6010:2000 研磨布紙用研磨材の粒度】にて定められた記述で、実際の製品にはPの代わりに「#」を付けたものや数値だけの表記のものもあります。
ここでは研磨ベルトの種類と特徴について解説します。
エンドレスベルトは、上図右のようにリング状になったベルトを高速回転させて、対象物の表面を効率よく磨くタイプです。
エンドレスベルトを使うには、自動機(ベルトサンダー)にあるホイールやプーリのローラー部に取り付ける必要があります。テンションが高いままだとエンドレスベルトを装着できないので、一度緩めてからベルトをローラー部にかけます。
ロールペーパーは、必要な長さだけをカットして使えるタイプです。研磨作業時の研磨ペーパー供給対応性、供給効率性に優れています。
ロールペーパーを一定の幅で大量にカットして使用する場合は、初めからカットされたロールペーパーが便利です。
ベルトサンダー用ペーパーは、その名前の通りベルトサンダーで使う研磨ベルトです。ベルトサンダーは、他のサンダーでは研磨しにくいような細かい箇所でも、ベルトの先端や腹を当てることで研磨できます。
ベルトサンダーの代表的なサイズとして、10×330mm・20×520mm・30×540mmがあります。
ここではJISで定められている研磨ベルトの材質についてご紹介します。以下はJISに記載されている研磨ベルトの種類と材質です。
<研磨ベルトの種類>
研磨材の材質の種類記号は、【JIS R 6111:2020 人造研削研磨材】の規格にて製法や性状の解説がされています。
Aの記号はアルミナ質研削材、Cの記号は炭化けい素研削材、Gはガーネットを意味します。AZの横についている(25)と(40)の数値は、それぞれジルコニアの含有量が異なることを示しています。ジルコニアは研削性能がアルミナよりも持続しやすく、超寿命な特徴があります。また、ジルコニアよりも高い研削力と耐久性を有するセラミック砥材の研磨ベルトもあります。
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