2024-09-17
更新
染谷 ひとみ
Mitsuri Media管理人
精密板金加工工場のインサイドセールスとして加工と寸法の提案をしてきた経験を経て、製造業の知見と楽しさを提供している。 幼少期からモノの構造を理解するのが好き。JAPAN MENSA会員。
過去の記事で、各塗装方法の特徴、メリット・デメリットを解説してきました。
※気になる方は、こちらの記事をご覧ください。
こちらの記事では、実際に工場へ塗装を依頼する方法と、NG例を紹介します。
【6分でわかる】塗装の依頼方法
工場さんに塗装をお願いするときのコツを簡単に動画で解説しています!6分程度でサクッと見れるので、お時間が無い方はぜひご覧ください!
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一言で「塗装」と依頼するだけでは見積がつきません。
下記の項目を埋めて、初めて見積や加工ができるようになります。
①どの製品に塗装するのか図面を用意する
②個数
③色を指定
④艶の具合
⑤塗装方法 ※指定なしでもOK
⑥用途
サイズ・形状・材質がしっかり記載された図面を用意しましょう。
サイズ・形状により、用意する塗料の量が変わります。
材質により、塗装金額が変わる場合もございます。
また、塗装する際は吊り下げて塗装をすることが大半です。必ず吊り穴となる穴があるように設計しましょう。穴のない製品で塗装を依頼すると、工場から吊り穴の追加をお願いされることが大半です。必ずチェックしましょう!
個数が多ければ多いほど製品1個あたりの塗装費は安くなります。
さらに、用意するべき塗料の量も左右されるため、必ず記載しましょう。
塗装できる色は様々で、原色のものもあれば調色してご希望の色に合わせることもあります。
「黒」や「白」というオーダーであればわかりやすいのですが、「緑」というオーダーであれば、工場も困ってしまいます。
例えば「緑」という色でもこのように様々な「緑」があります。どの「緑」かわかるように、予め色を細かく指定しましょう。
マンセル値は、数字とアルファベットで色を表しています。
R(赤)、Y(黄)、G(緑)、B(青)、P(紫)、と基本の5色相とその中間色で計10色相をアルファベットで表します。中間色とはYRの場合はR(赤)とY(黄)の中間になるので、オレンジになります。
各色相は、主に2.5、5、7.5、10と数字を刻みます。
5Bあたりにつきましては、青緑色になっており、一般的に青と想像できる色とずれていますのでご注意ください。
また、明度と彩度も数字で表します。
明度は黒を0、白を10として11段階に分割しています。しかしながら、完璧な黒、完璧な白は再現できないため、0や10はなく、最も暗い黒で1.0、最も明るい白で9.5になります。
彩度は鮮やかさを0から14程度までの数値で表します。
白や黒といった無彩色に近い、色味の薄い色ほど0に近く、鮮やかな色ほど数値が大きくなります。最も鮮やかな色の数値は色相によって異なり、赤は14〜16程度ありますが、青は8程度になります。
ご希望の色の数値を確認したい場合は、マンセル値測定器を使うか、色見本から選択してみてください。
「日塗工」とは、一般社団法人日本塗料工業会の通称です。
色見本帳を見ながら色を選択できます。「色票番号」という各色をアルファベットと数字で組み合わせた番号で色を指定します。
1995年を境に色票番号の表記ルールが変わっています。現行の番号と表記が違う場合はご注意ください。
色見本帳は2年毎に最新版が発行されています。
こちらのページを書いた2022年4月ですと、最新版は2021年版になります。
また、色見本帳の有効期限は3年と設定されています。塗料の色にも色見本帳の色にも経年劣化があり、数年経てば原色を保っていることがありませんので、色の打ち合わせは最新版でのお話をおすすめします。
すでに塗装されたものを塗装工場に送り、同じような色に調色してもらえるよう塗装を依頼できます。
サンプルは見積依頼をする際に同意を得る前に送るのではなく、必ず工場の同意を得てから小さいサイズのものを送りましょう。
こだわりがない場合は、こだわりがない旨を伝えましょう。
ある程度色の希望を伝えつつ、下記のように伝えてみましょう。
例)
「白に近い色であれば大丈夫です。」
「鮮やかな青でお願いします。塗料はあり合わせのもので大丈夫です。ない場合は原色の青でお願いします。」
色の希望もない場合は、白・黒・ベージュから選択してみましょう。
この3色は、よく塗装される色です。そのため、塗料を在庫している可能性が非常に高いです。都度塗料を調達する必要がなくなる可能性が高いため、塗装費が他の色と比べて安価になる可能性が高いです。
どの色の指定方法も厳密にいえば、色の差が発生してしまいます。
複数の部品を塗装し、組付けして、色のわずかな差が気になるようでしたら、塗装のみ同じ塗装工場へ出せるように手配するのがオススメです。
色を選択したら次は艶です。
艶の具合は、艶あり・艶なし・半艶(五分艶)・〇分艶と指定します。
艶の有無は塗料に艶消し剤を入れて作っていきます。
そのため、艶ありより艶なしの方が艶消し剤を入れる段取り分高価になります。
艶の有無でも単価に差が生じますので、必ず指定しましょう。
様々な塗装方法があります。
各塗装方法やメリットデメリットはこちらの記事で解説しています。
吹付塗装、焼付塗装、粉体塗装、電着塗装など様々な塗装方法があります。
特に指定がない場合は一般的に吹付塗装か焼付塗装になります。
もし、シボ加工のように表面に凹凸を出すような特殊な塗装をご希望の場合は必ず記載しましょう。
対応可能な工場が限られてくる上に、通常の塗装より高価になります。
簡単で構いませんので記載しましょう。
塗料にも屋内用と屋外用があります。それ以外にも用途別で塗料がラインナップされています。
屋内用か屋外用かだけでも記載しましょう。
塗装の依頼は、図面、個数、色、艶、塗装方法、用途の項目を揃えることでスムーズに依頼ができるようになります。
一つでも欠けてしまうと見積がつかなくなる可能性が高くなりますので、必ず依頼前に確認しましょう。
図面に記載する箇所がない場合は、上記のように記載するとわかりやすくなります。
いかがでしたか?
Mitsuriでは塗装も含めた金属加工を依頼できます。
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