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金属積層造形(金属3Dプリンター)とは?種類、用途、メリット・デメリット

今回は金属積層造形の特徴や用途、種類などについて解説します。

金属積層造形は、金属材料に対応した3Dプリンターを用いて製品を造形する技術のことです。3Dプリンターは、個人用で使われているものから、産業用として活用されているものまで、さまざまなラインナップがあります。主に樹脂を材料としたモデルが多く展開されていましたが、現在では金属材料に対応したモデルを活用するシーンも増えてきました。

3Dプリンターのメリットは、金型や治具などを必要とせず、3DのCADデータがあれば製作できる点にあります。そのほかにも従来の金属加工とは違った魅力があるので、この記事で詳しく見てみましょう。

参考:3Dプリンタとは?3Dプリンタの基礎を丁寧に解説!

金属積層造形とは

金属積層造形とは、主に3DのCADデータをもとにして、金属粉末の層を積み重ね、3次元の造形物を作る技術のことです。金属積層造形を行うためには、金属3Dプリンターを使用します。金属3Dプリンターに使われる金属材料は、鉄鋼系・アルミニウム系・チタン系・銅系などさまざまですが、モデルによって対応できる材料は異なります。

金属積層造形の代表的な製造工程は次の通りです。

1.作りたい製品の3DCADデータを、1層ごとに分けたスライスデータに変換。

2.スライスデータを金属3Dプリンターに読み込ませて配置する。

3.配置したスライスデータに倣って3Dプリンターの作業スペース上に金属粉末を敷く。

4.金属粉末にレーザーやビームを照射して凝固させる。

5.3~4の手順を繰り返して造形する。

6.目的の形状に造形後、サポート材を除去するなどの後処理をして完成。

金属積層造形の特徴

金属積層造形は、主に以下の特徴が挙げられます。

●複雑な形状の製品を作れる

金属積層造形は、鋳造や切削では難しい加工にも対応が可能です。例えば鋳造では、湯を鋳型のなかに充填させるために、ある程度の厚みが必要とします。中空の製品を作る場合は、中子も必要になります。また、切削加工で製品を作る場合、刃物の大きさなどに左右されることから、複雑かつ細かな形状に切り出すのは困難です。

しかし金属積層造形では、金属粉末を積層して成形する仕組みのため、薄肉のものや、すき間のある製品でも対応できます。また、金属積層造形は一体成型で製造するため、加工が困難な金属にも対応が可能です。ただし、どのような形状でも造形できるわけではなく、積層造形に適した設計にしなければならない点に注意してください。

参考:砂型鋳造とは?工程、メリット・デメリット、型の種類、製品例

参考:【鍛造と鋳造の違いとは?】工程や製品の比較でわかりやすく解説

●歩留まりが良くコストを抑えられることも

金属積層造形は、材料から直接製品を製造できるため、無駄な材料費、金型費、後加工に必要なコストなどを削減できます。金型や鋳型も必要せず、3Dデータがあれば製造が可能なため、試作品のような1品からの製造を行う場合にも便利です。

ただし、材料費は通常のバルク材に比べて高価なため、製品によっては従来の製造方法のほうがコストがかからない場合もあります。

●中間在庫の削減

金属積層造形に必要なものは、金属3Dプリンター、材料、3DCADデータだけのため、非常に短い生産ラインでの製造が可能です。

●試作品をいち早く評価できる

金属積層造形は、金型や治具などを用意する手間がかかりません。そのため、複雑な形状の試作品でもすぐに用意でき、評価できます。

金属積層造形の用途

ここでは、金属積層造形を採用している製品の一例をご紹介します。

●航空宇宙分野

ジェットエンジンの燃料噴射ノズル、タービンブレード、ロケットエンジン部品などの造形に採用されています。

●医療分野

人工膝関節や人工股関節、さまざまな部位のインプラントなどの造形に採用されています。

●金型

金属積層造形であれば、従来の切削加工では難しいリブや溝のある金型でも製作が可能です。製作用のデータがあれば、破損してもすぐに新しいものを用意できます。

●自動車分野

金属積層造形は、従来の製造方法に比べて厚みや密度を変更しやすいメリットがあるので、モータースポーツ分野での部品の軽量化などに採用されることがあります。また、切削加工や鋳造で行われていた試作品を、金属3Dプリンターで作ることにより、コストの削減や製作時間の短縮に寄与します。

金属積層造形の方式の種類

金属積層造形と一口に言っても、モデルによって造形の仕方に違いがあります。ここでは、金属積層造形で採用されている造形方法の種類についてご紹介します。

パウダーベッド方式

引用元:アルテック株式会社 3Dプリンターの方式・仕組み・特徴を解説(2021年最新版)

パウダーベッド方式(PBF:Powder Bed Fusion)は、金属粉末を敷き詰めた床にレーザーやビームを照射して溶融・凝固を繰り返し、造形する方式です。パウダーベッド方式は、金属積層造形の種類のなかで最も多く採用されています。

パウダーヘッド方式は、さらに細かく分けると、レーザー熱源方式と電子ビーム熱源方式があります。レーザー熱源方式は、造形精度が比較的高く、微細な形状を得意としますが、スピードに乏しい特徴があります。一方で電子ビーム熱源方式は、造形スピードが速いものの、精度が比較的出にくい特徴があります。

パウダーベッド方式のメリット・デメリットは以下の通りです。

●パウダーベッド方式のメリット

・レーザーを用いた造形は、精度が比較的高い

・ポピュラーな方式のため、3Dプリンターの選択肢が豊富

●パウダーベッド方式のデメリット

・造形に時間がかかる

・サポート除去の手間がかかる

メタルデポジッション方式

メタルデポジッション方式は、金属粉末を吹きつけながらレーザーを照射して金属を積層し、凝固させていく方式で、別名「指向性エネルギー堆積法」とも呼ばれています。

メタルデポジッション方式は、肉盛りのような形で積層していく仕組みのため、一から造形するだけでなく、欠損部分を補修することも可能です。

●メタルデポジッション方式のメリット

・既存製品の補修が可能

・パウダーベッド方式よりも造形スピードが速い

・金属粉末の除去作業を必要としない

●メタルデポジッション方式のデメリット

・造形できる形状に制限がある

ADAM方式

引用元:アルテック株式会社 3Dプリンターの方式・仕組み・特徴を解説(2021年最新版)

ADAM方式は、樹脂材料を用いた3Dプリンターに多く採用されているFDM方式(熱溶解積層法)と同じく、材料をノズルから押し出して造形する方式です。

ADAM方式では、金属材料とバインダーを混合した素材を熱で溶解して積層していきます。造形後は脱脂をして、バインダーを取り除く必要があります。バインダーを除去したあと、炉に入れて焼結させることで、金属製品ができあがります。

●ADAM方式のメリット

・他の方式に比べて高強度・高密度・高精度の金属製品を短い時間で造形できる

・金属粉末が飛び散らないため、安全性が高い

・3Dプリンターの導入コストが抑えられる

●ADAM方式のデメリット

・脱脂や焼結の工程が必要

バインダージェット方式

引用元:アルテック株式会社 3Dプリンターの方式・仕組み・特徴を解説(2021年最新版)

バインダージェット方式(Binder jetting)は、金属粉末にバインダーと呼ばれる液体結合剤を噴射して固形化する方式です。

ADAM方式と同じく、造形後にバインダーを除去するために、脱脂・焼結の工程を必要とします。

バインダージェット方式には以下のメリット・デメリットがあります。

●バインダージェット方式のメリット

・サポート材の除去が不要

・未使用の金属粉末は再利用できる

・造形速度が早い

●バインダージェット方式のデメリット

・表面精度が粗い

・強度が弱い

金属積層造形のメリットとデメリット

メリット

●複雑な形状の製品を製作できる

金属積層造形の仕組みにより、切削や鋳造などの製法に比べて複雑な形状の製品を作ることができます。

●試作品の製作に適している

金属積層造形は、金型製作などにかかる時間やイニシャルコストを削減できるほか、加工に必要な刃物や治具も必要としないため、試作品の製作に適しています。スピーディーに製品が作れるので、試作品をいち早く評価できます。

●サイズの小さい製品であれば、一度で複数個の造形ができる

金属積層造形は、積層エリア内に収まる分だけ、造形が可能です。そのため、サイズの小さな製品の場合は、複数個の製品を一度で作ることができます。例えば試作品を作るときに、細かな設計の違いがある製品を一度に作ることで、すぐに比較・検討ができます。

デメリット

●材料にかかるコストが高い

金属積層造形で用いる材料は、一般的なバルク材に比べて高い傾向にあるので、簡単な形状の製品を作る場合は、コストメリットを得られない場合があります。

●製品の大きさが限定されやすい

金属積層造形で製品を作るには、機械の造形エリア内に収まるサイズでないと製造できません。

●造形のスピードが遅く、大量生産には不向き

金属積層造形は、1層ごとに金属材料を積み重ねて造形する仕組みのため、1つの製品を完成させるまでに時間がかかります。

●後処理の手間がかかる

3Dプリンターは、造形後にサポート材と呼ばれる中空部分の土台を除去する必要があります。製品の形状によってサポート材の量は大きく変わるので、除去の手間を少なくするためには、設計の段階でサポート材が少なくなる形状にする必要があります。また、スライスデータを造形エリアに配置する際も、向きによってサポート材の量が変化するため、注意が必要です。

●熱による造形後の変形

金属積層造形した製品は、造形中や造形直後に熱を持ちます。そのため、造形後に熱が発散されたあと、歪みや反りが発生する場合があります。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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