2025-01-15
更新
一時期製造業に革命を起こしたと叫ばれ、世間を賑わせた3Dプリンタ。
皆さんもテレビのニュースやネットなどで一度はその言葉を見聞きしたことがあるのではないでしょうか。
発売当初は1台1000万円を超え、その高額すぎる値段に誰もが手を出せないでいた革命の品ですが、近年では1台数万円で済むほど安価になっている物もあるのはご存知でしょうか。
今回の記事は、そんな個人でもお試しで購入できるようになった3Dプリンタについて紹介していきたいと思います。
普段私たちが使うプリンタというと、コンビニなどにある文字を印刷する機械を想像するかと思います。
内部の機器が小刻みに動いて独特な音とともに高速で印字がされていき、その速度は人間が書くスピードを軽く凌駕します。
3Dプリンタはそれの物バージョンという感じです。
パソコンで設計したデータを実物として形成し、設計通りの形状で再現できます。
コンピュータで作ったものを現実にコピーするような感覚ですね。
3Dプリンタはパソコンでデザインが描ければ後は自動で作ってくれるので、製作時間の短縮だけでなく、製作中も他の作業ができて非常に時間効率が良くなります。
引用元:RICOH
上の製品の画像は3Dプリンタで作られていますが、とても印刷されたとは思えないぐらい精巧な作りですね。
これほど様々な製品がたった一台で、しかも短時間でできるのが3Dプリンタの魅力です。
3Dプリンタは他の工業製品と比べて発売したばかりで、まだまだ発展途上ですが、その活用の幅にはすでに目を見張るものがあります。
発売当初から幅広い活用方法が見込まれていた3Dプリンタ。
その期待通り、工業だけでなく建築や医療、はたまた教育まで様々な分野で絶賛活躍中です。
主な活用例としては、建築では建物の模型、医療では義手や臓器のモデル。
教育の分野では実際に3Dプリンタを使った授業などに使われています。
では肝心の工業の分野ではどうでしょうか。
工業の分野では、なんと製品を作る一連の流れ全体で、3Dプリンタの活躍が見られます。
企画・設計の段階では製品の見本として模型や試作品が作られ、製造の段階では治具や金型として縁の下の力持ちの働きを見せ、製品化の段階では、少量ではありますが実際に3Dプリンタで作ったものが商品として売られているほどです。
治具とは素材を加工する際に、素材を固定したり、寸法を統一するための目印に使ったりするものです。
裁縫の時に使う待針のようなものですね。
そして金型とは、金属を加工する際に形を一定にする原版のようなものです。
子供が砂遊びをする時に、砂をコップに入れてひっくり返すことで形を作って遊びますが、そのコップのような役割をするのが金属加工で言う金型です。
さらに、3Dプリンタでは個人で作った物も販売されています。
たまにテレビやネットのニュースで取り上げられているものとして、3Dプリンタで作ったフィギュアやスマホケースがあります。
3Dプリンタは大量生産こそ今の技術ではまだできませんが、質の方では負けず劣らず、高い品質の商品が市場で売り出されています。
3Dプリンタは実用されてまだ間もないですが、活用の幅は非常に広く使われています。
3Dプリンタの造形方法にはいくつかの種類があり、使用できる材料が造形方法により異なります。
材料は一番よく使われているもので樹脂、加えて金属、ゴム、石膏など。
個人向け用と業務用があり、個人向け用の3Dプリンタは造形方法が一つしかありませんが、業務用にはいくつか種類があり、使用できる材料も様々です。
値段も業務用のは数百万しますが、個人用のは数万程度と、値段に比例して大きさや性能にも相応の開きがあります。
個人向け用の3Dプリンタの造形方法は、熱溶解積層法(FDM)と呼ばれる1種類だけで、使える材料も樹脂しかありません。
熱溶解積層法は固められた樹脂を熱で溶かして、糸のような細い線を積み重ねて形を作ります。
そうして塔を作るように足元から上の方へと少しずつ樹脂を重ね、立体物へと作り上げていきます。
機器が細かく忙しく動いている様子は、まるで早送りのビデオでカイコが繭を編み合わせていくようで、ある種の関心を覚えます。
ですが先ほども述べた通り、やはり安い装置だけあって精度はそれほどでもありません。
業務用の高い3Dプリンタは期待通りの再現力を持ち、細かい文字や模様もくっきりと写し出せますが、安物の3Dプリンタですと細かい文字は潰れてしまっていたり、再現できる物の大きさも小さめの物しかできなかったりします。
また、一つ作るだけでも製造に2~3時間掛かかったり、音がうるさい、3Dプリンタ自体が壊れやすいなどの難点もあります。
個人でも安価で買えるようなった3Dプリンタですが、今の時代ではまだ使ってみてガッカリすることが多いかもしれませんね。
一方、業務用の3Dプリンタは、やはり高いだけあってより綺麗な仕上がりにできます。
主な造形方法は以下の通り。
・インクジェット方式
・光造形
・粉末石膏造形
・粉末焼結造形
まだほかにも方法はありますが、今回は代表的なこれらを見ていきましょう。
インクジェット方式は、私たちに馴染みのある、紙に印刷する通常のプリンタに一番近い方法で製品を形成します。
普段見かける印刷機では、光を放っている機器が何度も左右を往復して印刷しますが、それと同様にインクではなく樹脂を噴射して形を成していきます。
インクジェット方式は短い時間で複雑な形の物を作れることができ、表面を滑らかに仕上げられるのが利点です。
インクジェット方式の材料も樹脂ですが、個人用のプリンタで使用されている樹脂とは少し違う種類を使います。
業務用で使う樹脂の方が少しいい物のようですね。
光造形という方法では液体の樹脂を筒状の機械に取り込んで、紫外線レーザーを浴びせることにより樹脂を固めて形を作っていくという方法をとります。
3Dプリンタの最も古い造形法で、製造業でよく使用されます。
使われる材料はこちらもインクジェット方式と同じくアクリル系やエポキシ系の樹脂。
樹脂だけあって壊れやすいですが、精度が良く複雑な形状にすることも可能で、製品の模型を作るのに向いています。
粉末石膏造形は石膏を材料にして作る造形法です。
石膏とは博物館に飾ってあるような白い像を作る材料で、3Dプリンタではきな粉のような白い砂にして使います。
白い砂が敷き詰められた機械に接着剤を吹きかけたりレーザーを使って固めていき、完成すると周りの砂がなくなって完成品が出てきます。
石膏は材料が安い反面、強度がもろいというデメリットがありますが、カラー着色ができるのが魅力です。
博物館の像が倒れて割れてしまうVTRをテレビ見たことがありますが、3Dプリンタがあればまたすぐに作り直せるので安心ですね。
粉末焼結造形は金属や樹脂を材料としています。
砂のように細かくなった金属や樹脂の粉末を箱いっぱいに敷き詰めてレーザーで固める方法をとります。
金属が使えるぶん丈夫そうですが、表面が多少ざらつくのがデメリット。さらに出来上がった後に毎回砂を落とすことは手間に思えるでしょうか。
ですが一回や二回なら地表から化石や宝物を掘り出すみたいで楽しそうですね。
3Dプリンタが世に生み出されたことで、製造業のものづくりにおける環境に少しずつ変化が出始めました。
3Dプリンタを使うメリットとして、試作品を作る期間の短縮、開発コストの削減などがあげられます。
また、従来の方法では難しかった複雑な製品を作れるようになったことも大きな利点でしょう。
ただ、3Dプリンタを使うということは、当然3Dデータの作成をする必要があるという壁がありますね。
これまで製造業に携わってきた作業員たちにとって、畑違いであるパソコンでのデータ作成は至難の業です。
そこで、製造業における次世代の躍進の一歩として、学校教育で3Dプリンタが導入される動きが出始めています。
特にアメリカやイギリスの動きがさかんで、すべての学校に3Dプリンタを導入することを目標にしたり、教育カリキュラムを変更して子供の頃から3Dデータを扱えるようにしたりと次世代の製造業を後押ししています。
日本ではさすがに小中学校では導入できませんが、大学や専門学校ではすでに3Dデータの勉強が行われており、今の学生たちがものづくりを新しい時代へと発展させていく準備が進みつつある状況です。
ですが、まだ現状では3Dプリンタを中心とした製造業の未来は遠いというのが正直なところでしょう。
今の3Dプリンタのデメリットとして、製造物の耐久性が低いため、現状の技術では試作品を作る以外の使い方に乏しかったり、製造コストの面から大量生産が難しいなどの欠点があります。
また、3Dプリンタ自体の導入コストが高く、その影響からあまり普及も進んでいないという背景もあり、3Dプリンタで作った製品を大量生産できるのはもう少し先の話になりそうです。
それでも3Dプリンタが世に出てからこれまでの躍進は目覚ましいものがあります。
もしかしたら10年後20年後には、3D技術を駆使した新時代のものづくりが中心となっているかもしれません。
これから先、製造業の未来はどう変化していくのか。新しい技術をたずさえた若い世代に多いに期待したいものですね。
以上、今回は3Dプリンタの紹介でした。
いつもの加工の技術や素材の歴史などの紹介よりも少し先進的な内容でしたね。
この記事が新しい時代の先駆けとなれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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