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リーディングドリルとは?用途、種類、切削条件

2023-11-06

今回は、リーディングドリルについての用途や種類などについて解説します。

リーディングドリルは、穴あけ加工で使う一般的なツイストドリルとは異なる形状です。主な用途は、穴あけのセンタリング(もみつけ)加工の前加工です。また、ツイストドリルよりも剛性に優れた設計のため、センタリング以外に面取りやV溝加工にも対応しています。

リーディングドリルとは

引用元:部品加工センター愛知.com リーディングドリル

リーディングドリルとは、ツイストドリルなどで穴加工をする際の、位置決めや精度を高めるための工具のことで、別名「スターティングドリル」と呼ばれることもあります。

リーディングドリルとツイストドリルとの違いは溝の長さで、リーディングドリルのほうが溝が短く、ねじれ角を小さくすることで剛性を高めています。

ツイストドリルは、切り屑の排出性を重視しているため、ウェブ(刃の中心から溝底までの太さ)の厚みが薄く、剛性に乏しい性能です。また、溝も長いことから、ホルダに取り付けた際の突き出し量も長くなります。突き出し量が長いと工具が倒れやすくなるので、剛性に乏しいドリルは穴加工を行うと位置ずれしてしまう傾向にあります。

位置精度が求められる穴加工では、このような位置ずれを無くすために、リーディングドリルを使って前加工を行います。

引用元:旋盤市場 センタードリル

リーディングドリルと似たものに、センタードリルがあります。基本的にセンタードリルは、旋盤加工などで材料の芯位置を示すセンター穴を設けるために使います。ただし、リーディングドリルのように、穴加工の位置決め用途としてセンタードリルを使う場合もあります。

リーディングドリルの用途

リーディングドリルは主に以下の用途で使われています。

●穴あけ加工の位置決め

リーディングドリルは、穴あけ加工の位置決めが最も主流な使い方です。リーディングドリルにて被削材を前加工しておくことで、ツイストドリルで穴あけをする際に、ツイストドリルの先端がブレずに被削材へと食い付かせられるようになります。リーディングドリルは、基本的に高い精度の穴あけが求められる場合に活用されます。

●面取り

リーディングドリルは優れた剛性を持つことから、穴あけの前加工として使えるだけでなく、面取り加工にも対応します。穴の周辺に対して面取りができるほか、ドリルを横送りさせて被削材の端部を面取りすることも可能です。

●V溝加工

リーディングドリルは、面取りと同じ要領で横送りさせることで、V溝加工にも使えます。

先端角の違いによる種類

引用元:MiSUMi-VONA AG スターティングドリルロングシャンク AGSTDLS

ドリルを横から見たときの先端の角度を「先端角」と呼びます。主にリーディングドリルの先端角は、60°・90°・120°・140°があり、用途によって使い分けられています。基本的にツイストドリルの先端角に対して、センタリングの面取角は同じ角度かそれ以上の角度にする必要があります。もしツイストドリルの先端角よりもセンタリングの面取角が小さい場合、位置ずれが発生しやすくなるので注意が必要です。

60°

先端角が60°のタイプは、溝なしタップのねじ立て時の穴面取りに便利です。

溝なしタップは、めねじを設ける際に穴の端面にカエリが生じやすいものですが、先端角60°のリーディングドリルを用いることで、カエリを防止することができます。

ただし鋭角に作られている分、他の大きな角度に比べて剛性には劣るため、刃が欠損しやすくなります。製品によっては先端部分だけが大きな角度に設定され、刃が欠損しにくいように設計されているものもあります。

90°

先端角が90°のタイプは、穴あけのセンタリング用としてだけでなく、C面取りを兼ねて使用したい場合に便利です。

ただし、穴面取りとセンタリング加工を兼用した場合、後工程のドリル肩部が欠けてしまう恐れがあるため、穴面取りとセンタリング加工は別工程で行うようにしましょう。

また、先端角が90°のリーディングドリルでも、刃が欠損しないように二段先端形状を採用しているものがあります。

120°・140°

先端角が120°や140°のような鈍角のリーディングドリルは、ツイストドリルを使用する際のセンタリング加工に適しています。一般的なツイストドリルの角度は118°のため、それよりも大きい角度のリーディングドリルは、穴あけの際に位置ずれが起こりにくくなります。

鈍角のリーディングドリルは、剛性に優れているので欠損がしにくい点も特徴です。

リーディングドリルの切削条件

リーディングドリルは、各製品の仕様によって切削条件が異なります。主な切削条件の内容は、軟鋼・炭素鋼・合金鋼・調質鋼といった被削材とドリルのサイズ・先端角ごとに、メーカーが推奨する切削速度・回転速度・送り量が定められています。

センタリング加工と面取り加工で条件が異なる場合もあるので、リーディングドリルを使う前に製品仕様をよく確認しておくようにしましょう。

 

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