鉄パイプのカットについて製品事例を用いて専門家が解説!

自社工場で、通常製造している工程の他にも、新規技術や新製品のトライアル製造を新たに試してみたいと思うこと、ありますよね。

そこで鉄パイプのカットをしたいけれど、自社工場でできない場合、

  • 「どこに頼めばいいかわからない……」
  • 「いつもの取引先のメーカーに断られてしまって、依頼先に困っている……」

といったお悩みを抱えている方も、いらっしゃるのではないでしょうか。

自社製品が求める精度までカットしてくれる業者はいるのか、もっと良い業者があるのではないかなど、業者選びに迷っている方も多いかもしれません。

今回は、鉄パイプカット後のバリ取りについてもご紹介しますので、ぜひメーカー選びの参考にしてみてください。

鉄パイプのカット方法について

鉄パイプを綺麗にカットする方法は2種類あり、「パイプカッター」と「レーザー加工機」が挙げられます。小さめサイズのパイプを容易にカットするなら「パイプカッター」、大きめサイズのパイプやパイプカッターではできない複雑なカットが必要な場合は「レーザー加工機」が使われます。

さらにレーザー加工機の中でも「3Dレーザー加工機」は、より複雑な加工形状に対応していて、3次元的なカットが実現できます。

では、詳しくパイプカッターと3Dレーザー加工機についてご説明していきます。

パイプカッター

鉄パイプをカットする方法のひとつに、パイプカッターを使用する方法があります。パイプカッターには、市販の電動パイプカッターから工場などで使われる本格的な電動パイプカッターまであります。

パイプカッターは、円形のパイプをパイプカッターで押さえながら、回転させ切断します。そのため、高速切断機のように火花や切りくずが出ることがなく、切断面も滑らかに美しくカットできます。

パイプのサイズは限定されますが、少し長さを調整したい時に、パイプカッターさえあればどこでもカットできるのが魅力です。狭い場所や高所でも手軽に切断できますので、安心して利用することができます。

動画では、厚さ1.5mmのφ30のステンレス菅が、約30秒でカットされています。手軽にパイプをカットするなら、「電動パイプカッター」が一番でしょう。

手動のパイプカッターもありますが、こちらは比較的小さなサイズのパイプカットにおすすめです。

引用元:MISUMI-VONA

たとえばこちらのパイプカッターは、切断能力(パイプ直径)が、3~22mm。パイプをしっかりと固定し、ローラーとカッター刃でカットするパイプを軽く加え、切り込みを入れます。パイプカッターをパイプを中心に回転させることで徐々に切り込みを入れて切断していく使用方法です。

コンパクトサイズのパイプカッターなので、持ち運びにも便利です。切断したいパイプのサイズや大きさによって、電動または手動のパイプカッターを選びます。

3Dレーザー加工機

鉄パイプをカットする方法のひとつとして、「3Dレーザー加工機」があります。3Dレーザー加工機の特徴は、通常のレーザー加工機がX-Yの2軸で加工するに対し、3Dの名の通り「X-Y-Z軸」の3軸を設定し、3次元的な複雑な加工ができることです。

鉄パイプをカットする際、ワークもレーザーヘッドも3次元的に動かすことが可能です。そのため、パイプをチャックしたまま回転・カットし、滑らかな仕上がりになります。もともと、通常のレーザー加工機のメリットは下記の3つです。

  1. 仕上がりが精密で、それ以上加工せずそのまま使用できる場合が多いこと
  2. 図面があり、ソフトにプログラムを入力すればイメージ通りのカットがすぐにできること
  3. プレス加工と比較し、金型製作費用や労力・工賃がかからないので、一本からローコストで製作できること

これがさらに3Dになったことで、角パイプはじめ複雑な形状のパイプのカットも可能になりました。

3Dレーザー加工機は非常に精度の高いカットが実現できます。通常の一般的な加工方法で同様の加工をしようとした場合、材料をひとつの部品にするまで、何度も切断したり孔あけしたりする必要があります。加工形状が複雑なほど、工数やそれにかかる機械や材料も膨大なものになります。

しかし、これを3Dレーザー加工機でカット・加工する場合、わずか数秒で1つの部品が出来上がることもあります。このように工数・材料の無駄を省き、精度の高い製品が出来上がります。

また、部品によっては、通常の加工方法では小ロット短納期は不可なものもありますが、3Dレーザー加工機では、小ロット・短納期が比較的簡単にできるため、非常に重宝される機械です。

鉄パイプのカットの製品事例

ここからは、鉄パイプのカットの製品事例を紹介していきます。ここで紹介する製品は、全て3Dレーザー加工機を用いてカットしたものになります。

パイプカッターは持ち運びができるぶん、長さの調節をするような切り方のみとなりますが、3Dレーザー加工機なら、プログラムを入力することで、さまざまな形状にカットすることが可能です。

引用元:小谷鋼管

上の画像は丸パイプの側面に切り欠きを入れた加工になります。用途としては切り欠き部に別の丸パイプを溶接するためにカットしています。

引用元:小谷鋼管

こちらは角パイプと丸パイプの加工品を組み合わせたものです。角パイプはアール状に切り欠きを入れる+突起もある程度残す形でカットしています。

それに加えて丸パイプは、角パイプの突起と形状が合うように穴が開けられています。このように加工の精度が高ければ、治具が無くても部材同士の位置決めが可能です。

引用元:小谷鋼管

上図は角パイプをカットと曲げを駆使して制作されたものになります。角の部分は、角パイプをVの字型にカットすることで、上図のようなコの字の曲げも可能です。

そのほかにも、さまざまな部材を取り付けるために側面も複雑な形状でカットされています。

通常上図のようなコの字の形状にする場合は、パイプを45度にカットして溶接する必要があります。しかし3Dレーザー加工機を用いれば、パイプ1本に対して切り欠きの加工をするだけで上図のような形状にすることが可能です。

引用元:サンコウ鋼業株式会社

角パイプを、上図一番右の黒いライン上をカットすれば、アールがかかった曲げ形状にすることもできます。ひとつ前の写真では「カド」の立った曲げ形状でしたが、切り欠きの形状を変えることで、曲げたあとの形も変化させることが可能です。

パイプの穴あけ加工後のバリ取りについて

製造工程にて、パイプの穴あけ加工をすると、穴の加工面にバリが発生することがあります。バリとは、加工の際に、削り残しができる現象です。パイプを加工する現場では、切っても切れない現象かもしれません。

では、できてしまったバリを除去するには、どうすればよいでしょうか。

実際に発生してしまったら、面取り用エンドミルを使用して除去するのが良いでしょう。

エンドミルによって面取りできる角度が違い、さまざまな形状があります。

以下、おすすめのエンドミルを3つご紹介します。

TSコート超硬面取り用エンドミル

引用元:MISUMI-VONA

このエンドミルは、面取り角度30°・45°・60°に対応しています。先端角度60°・90°・120°のラインナップがあり、穴の側面にそってバリを除去することができます。

アルミ加工用超硬面取り用エンドミル

引用元:MISUMI-VONA

このエンドミルは、面取り角度45°に対応しており、アルミ特有の構成刃先を防ぎ、バリを除去します。

超硬裏座ぐり用ミニチャンファー

こちらのエンドミルは、スパイラルの刃が特徴で、ドリル穴の裏面やパイプ側面のバリ取りなども可能です。

すべての材質に適合するブルーコーティング仕様で、スパイラル刃によって滑らかに仕上がります。

鉄パイプのカットならMitsuri!

切削加工にバリはつきものですが、ロット数が大きければ大きいほど、全てを手作業でやることは機会損失や工数増加につながります。そのため、バリ取りや再研磨は外注する工場も少なくないでしょう。

鉄パイプのカット・バリ取りを発注できる工場をお探しの場合は、ぜひMitsuriまでご相談ください。

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