2025-01-15
更新
鉄製品は古くから工業製品として使用されてきており、現在での工業材料として最もポピュラーな素材です。材料費が比較的安価なため、コストカットにも役立つという特徴があります。
新製品開発には試作品を作るのが一般的ですが、依頼するにあたり「どういった基準でメーカーを選べばいいのか」、「どの工場で製作しているのか分からない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。この記事は、そんなお悩みをお持ちの方必見の内容となっています。鉄製品の試作を得意としているMitsuriイチオシの加工メーカーを、全国から3社ご紹介します。他にも、鉄試作依頼・製作の流れ、また製作時の注意点についても解説します。
鉄の試作を依頼する際には、一般的に次のような対応が可能です。依頼する前に、簡単に内容を確認しておきましょう。
まず、試作品製作には完成イメージの設計が必要です。実際に試作品を作る段階までいかなくても、設計のみの提案も可能となります。鉄の試作品の製作には複数の加工や組み立てが伴う場合もあるため、シンプルで無駄のない工程となっているか、設計の段階で確認しましょう。余計な工程が入っているとコストパフォーマンスが悪くなる結果にもなってしまうので、予算が設けられている場合には最初に摺合せを行うことが大切です。
また、試作品を1社完結で製作できるかどうかも、チェックすべき重要なポイントとなります。
切削加工は、マシニングセンターなどで削り出して造形する方法を指します。初期費用の掛かる金型を必要とせず、形状や素材の設計変更にも容易に対応できるという特徴があります。そのため、納期対応が早く、コストパフォーマンスも良い方法です。
マシニングセンターを使用する場合は、コンピュータ制御で自動工具交換も行うのが特徴です。製造時に無人化ができることで、コストカットと省力化に役立っています。
旋盤加工は、工作物を回転させることで、穴あけやねじ切りなどを行う加工です。送り操作や工具の交換を手動で行う「汎用旋盤」は、細かい要望にもすぐ応えられるメリットがあります。ただし、熟練した職人の技術が必要なため、行っている工場は限られます。一方で「NC旋盤」は、加工条件をコンピュータ制御で管理する方法です。初心者でも一定のレベルで加工できるため、品質が保証されます。複数の工具を自動交換できるタイプもあり、作業の効率化が進められています。
板金加工は、平らな金属を曲げたり切断したりして加工していきます。微細な部品を構成する0.05mm程度の薄い金属から、重機に使われるような数cmの厚さまで対応しており、製品によって様々です。試作品の場合は手作業での対応となるので、納期や加工費はかかってしまいます。
しかし、その分小ロット、依頼ごとの細かい仕様変更などは受け付けているケースが多いので、気軽に相談してみましょう。
参考記事
試作板金加工については、以下の記事で詳しく解説していますので、ご覧ください。
ここでは、実際の試作事例をチェックしてみましょう。
引用元:株式会社木山製作所
こちらはマシニングによって制作された部品です。機械によるオペレーションで行っているので、誤差が少なく高精度なのが特徴となっています。切削加工の場合、シンプルで直線的な形状の加工が得意です。試作品は基本的に少量での発注が多く、短期間の納期が求められるため、マシニングで効率よく製作するのが向いています。
引用元:株式会社木山製作所
こちらは、切削と旋盤を組み合わせた加工となっています。複雑な形状の製品の場合は、マシニングが使えないケースもあるので注意しましょう。試作品の場合は、発注数量の関係から金型が作られることは少なく、基本的に手作業となってしまいます。そのため、ある程度の余裕を持った納期の設定が大切です。
引用元:大日工業
こちらは、旋盤加工の例です。円筒状の部材に穴があけられており、シンプルな形状となっています。このようにすっきりした形状の部品には、機械によるNC旋盤の手法が用いられることが多いです。数値データをもとに自動制御で加工を行うため、高精度の仕上がりとなるのが特徴です。
引用元:株式会社木山製作所
こちらも旋盤加工による製品です。ある程度シンプルな形状であればNC旋盤で行いますが、細かい加工に迅速に対応する必要があれば、手作業の汎用旋盤で行われることが多いです。熟練した職人による作業が必要となるため、依頼する場合には対応しているか事前に確認するようにしましょう。
引用元:平野製作所
板金加工を駆使すると、上図のような複雑な加工が可能になります。こちらではレーザーブランク加工、バリ取り、タップ、折り曲げ、スポット溶接という5つの工程が踏まれています。キズを付けないように、バリ取り工程では細心の注意を払う必要があります。
引用元:平野製作所
また、こちらの製品はタレパン(ブランク加工)、バリ取り、スペーサー圧入、折り曲げ、ナット圧入といった工程となっています。バリ取りなどの細かい作業や最終調整は機械ではできないため、ひとつひとつ手作業で行われています。
ここでは、鉄の試作を得意としている工場を紹介していきます。
本社:大阪府門真市四宮3丁目8番43号
TEL:072-883-1596
FAX:072-881-9600
設立:平成4年
加工:設計・切削・切断・曲げ・溶接・表面処理・組立
ホームページ:http://www.kajitech.co.jp/
大阪に本社を構える会社で、多彩な加工にワンストップ対応しているのが特徴です。試作から量産まで一貫した生産体制が組まれているので、試作品を製品化する際にも安心して任せられるでしょう。複合加工技術による工法最適化提案も行っているので、無駄のない製作工程が実現できます。
マシニング・フライス、鋳物・ダイカスト・ロストワックス、樹脂切削・成形加工、板金・プレス加工、歯切り・ピン加工、NC旋盤加工、製缶・組立・ASSY、5軸加工といったあらゆる加工が可能です。近距離や特急試作の場合の納品の際には、必要に応じて直接持ち込み対応も可能です。
ただし、遠方の場合には不可のケースもあるので、納期はしっかり確認する必要があります。
株式会社カジテックでの製品例はこちらです。
引用元:株式会社カジテック
シンプルな穴あけ加工から、異形状の曲げ、しぼり加工にも対応可能です。板厚0.1mmのバネから5mm以上の厚ものまでプレス加工ができるので、あらゆる部材の試作品に向いています。
引用元:株式会社カジテック
NC旋盤加工では、小物から大物まであらゆる部品の製作に対応しています。鉄以外にも、加工が難しいチタン、マグネシウム合金の加工も可能です。
引用元:株式会社山城製作所
本社:東京都小金井市東町2-10-5
TEL:0422-32-6631
FAX:0422-32-3260
設立:1974年
加工:設計、切削加工 板金加工 組み立て
ホームページ:https://yamashiross.jp/
もともとは自動車部品を製造していた工場ですが、現在ではその技術を生かし、精密金属加工、治具製作にも幅を広げています。長年かけて培ってきた職人の腕と技で、あらゆる試作品製作が可能です。治具、工具、設備の開発、試作、量産など、一括して請け負えるのが特色です。
図面がないようなケースでも、作りたいもののイメージがあれば相談に乗ってもらえます。現場に寄り添ったきめ細やかな対応に定評があります。自動車部品で培った技術力を生かし、金属と樹脂、電気と機構などの多分野にわたる発注にも対応可能です。
ただし、大型の機械や重機の製作は行っていないため、場合によっては対応可能かどうか確認する必要があるでしょう。
株式会社山城製作所での製品例はこちらです。
こちらは、アルミ薄板加工用治具です。
マイクロスコープレンズカバーです。
自動車部品シール貼付治具です。
引用元:三研工業株式会社
本社:東京都葛飾区東立石2-20-11
TEL:03-3697-3231
FAX:03-3696-9595
設立:昭和52年
加工:設計、切削、旋盤、板金加工
ホームページ:http://www.sanken-mo.co.jp/
東京葛飾区の老舗試作工場で、長年の経験で培われたノウハウが強みとなっています。金属・樹脂の加工・成形技術から、機構部・外装部の試作品・モデル品の製作までを行っており、高度な技術力が生かされています。ラフなイメージ図からでも試作品の製作が可能なので、気軽に相談できるでしょう。
お客様には営業担当が付くため、スピード対応が可能です。営業・事務・技術の連携が取れているので、設計変更や納期変更などにも柔軟に対応できるのがメリットです。
試作品の製作から量産にも対応しています。ただし、あまりにも大量の場合は対応不可となるので、発注前に確認する必要があるでしょう。
三研工業株式会社での製品例はこちらです。
製品事例①
製品事例②
鉄製品はあらゆるシーンで活躍しており、今や欠かすことのできない材質です。価格が比較的安価なことから、コストカットにも役立つでしょう。そして、試作品の製作を依頼する際には信頼できるメーカーを選定することが重要となっています。
鉄の試作についてお悩みの時には、ぜひMitsuriにご登録ください。
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