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インボイス制度の問題点とは?解決方法・使える負担軽減措置を徹底解説【2026年版】

公開:2023-10-03更新:2026-08-24読了目安:約7分
インボイス制度の問題点を徹底解説!解決方法・押さえておきたい負担軽減措置も詳しく紹介

インボイス制度が始まってまもなく3年が経ちますが、取引先の登録状況によっては、今も仕入税額控除の減額や経理業務の負担増といった問題に直面している事業者は少なくありません。あわせて、これまで多くの事業者が利用してきた「2割特例」も2026年9月末で適用対象の課税期間が終了し、負担軽減措置の使い方を見直すタイミングを迎えています。本記事では、インボイス制度の問題点と解決方法、2026年時点で使える負担軽減措置について整理します。

インボイス制度の問題点とは

インボイス制度に関して、事業者が直面しやすい問題点は主に次の4点です。

  • 仕入税額控除減額の可能性
  • 経理担当者の負担増の可能性
  • 取引が継続されない可能性
  • 請求書の様式変更への対応

それぞれ、一つずつ見ていきましょう。

仕入れ税額控除減額の可能性

仕入税額控除とは、仕入れた商品やサービスにかかった消費税を、自社が納めるべき消費税から差し引ける仕組みで、消費税の二重課税を防ぐ役割があります。

取引先(売り手)がインボイス発行事業者に登録していない場合、買い手はその取引先への支払いについて、原則として仕入税額控除を受けられません(経過措置による一部控除は可能です)。免税事業者に支払った消費税分を、自社が実質的に負担することになるため、取引先の登録状況の把握が欠かせません。

経理担当者の負担増の可能性

取引先には、インボイス発行事業者として登録している事業者と、登録していない事業者が混在します。買い手側の経理担当者は、それぞれに応じた仕入税額控除の計算・管理を行う必要があります。

インボイスと、インボイスでない請求書とを区別して保存・管理する必要があるほか、積上げ計算など、消費税額の計算方法への理解も求められるため、請求書処理の実務負担は増える傾向にあります。

取引が継続されない可能性

売り手がインボイス発行事業者に登録していない場合、買い手にとっては仕入税額控除を受けられない(または一部しか受けられない)というデメリットがあります。そのため、買い手側が「インボイス未登録の取引先とは、今後の取引条件を見直したい」と判断するケースもあります。

免税事業者のまま取引を続けるかどうかは、主要取引先の意向や取引規模を踏まえて、事業者ごとに判断する必要があるテーマです。

請求書の様式変更への対応

インボイス(適格請求書)には、次の記載事項が必要です。

  • 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
  • 取引年月日
  • 取引内容(軽減税率の対象品目である場合はその旨)
  • 税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜き又は税込み)及び適用税率
  • 税率ごとに区分した消費税額等
  • 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称

すでに対応済みの企業が大半とはいえ、請求書フォーマットや基幹システムの変更対応には一定の手間がかかります。新しい取引先との契約や、システムのリプレイスのタイミングでは、あらためて記載事項に不備がないか確認しておくと安心です。

インボイス制度の問題点の解決方法

インボイス制度の問題点への対応は、売手側・買手側でそれぞれ異なります。

売手側の対応

インボイス発行事業者としてまだ登録していない場合は、取引先からの要請や自社の売上規模を踏まえて、登録するかどうかを検討します。登録する場合は、請求書フォーマットが必要な記載事項を満たしているか、基幹システム側で対応できているかを確認しておきましょう。

免税事業者のまま取引を続ける場合も、取引先が仕入税額控除を受けられない(または一部しか受けられない)ことを踏まえ、価格交渉や取引条件について、あらかじめ取引先と認識をすり合わせておくことが望ましいです。

買手側の対応

経理担当者は、消費税額の計算方法(積上げ計算・割戻し計算)を理解したうえで、取引先ごとにインボイス発行事業者かどうかを区分・管理できる体制を整える必要があります。

基準期間の課税売上高が5,000万円以下など一定の要件を満たす課税事業者は、売上に係る消費税額から納税額を簡易に計算できる「簡易課税制度」の適用を検討することもできます(対象となる事業者は任意で選択できます)。

また、取引先が免税事業者かどうかを一覧化し、仕入税額控除への影響や取引継続の方針を、定期的に見直す運用にしておくと、制度変更があった際にも対応しやすくなります。

負担を軽減できる制度・特例

インボイス制度には、事業者の負担を軽減するための特例がいくつか設けられています。本記事では、特に経理担当者が確認しておきたい3つの制度・特例を紹介します。

2割特例(適用は2026年分まで)

2割特例は、インボイス制度への登録をきっかけに免税事業者から課税事業者になった事業者向けの負担軽減措置で、売上にかかる消費税額の2割を納税額とできる制度です。2023年10月1日から2026年9月30日までの日の属する課税期間が対象です。個人事業主の場合、2026年分(令和8年分)の消費税の確定申告が2割特例を利用できる最後の年となります。法人の場合は、事業年度(課税期間)によって適用できる期間が異なるため、自社の課税期間で確認しておきましょう。

2026年9月30日で2割特例の適用対象期間が終了したあとは、本則課税または簡易課税制度での計算が原則となりますが、一定の条件を満たす個人事業主は、2027年分・2028年分に限り新設された「3割特例」を選択することもできます。2割特例終了後の詳しい対応や数値例は、「2026年10月からインボイス制度がどう変わる?」の記事で解説しています。

少額特例(〜2029年9月30日)

少額特例は、基準期間(前々年・前々事業年度)の課税売上高が1億円以下、または特定期間の課税売上高が5,000万円以下の事業者を対象に、税込1万円未満の課税仕入れについては、一定の事項を記載した帳簿の保存のみで仕入税額控除を認める措置です。

2023年10月1日から2029年9月30日までの期間に行う課税仕入れが対象で、2026年10月以降も引き続き利用できます。少額の経費精算や消耗品の購入が多い企業にとっては、インボイスの保存・管理の手間を減らせる制度です。なお、「税込1万円未満」は商品1個ごとではなく、原則として一回の取引単位で判定します。

少額な返還インボイスの交付義務免除

税込1万円未満の売上げに係る対価の返還等(返品・値引き・割戻しなど)については、本来必要な返還インボイス(適格返還請求書)の交付義務が免除される措置です。こちらは適用期限や事業者規模の制限がない恒久的な措置で、2026年以降も変わらず利用できます。

2026年10月以降、負担軽減措置はどうなる?

2026年10月1日以後、2割特例の終了に加えて、免税事業者など、インボイス発行事業者以外の者からの仕入れに関する仕入税額控除の割合縮小(80%→70%)や、一のインボイス発行事業者以外の者からの課税仕入れの合計額が1億円を超える場合の控除対象外ルールなど、実務に直結する変更が重なります。なお、1億円上限は2026年10月1日以後に開始する課税期間から適用されるため、決算期によって適用開始時期が異なります。

自社の課税期間ごとの影響や、2割特例・3割特例を使った場合に簡易課税へ切り替えやすくなる特例など、数値例を交えた詳しい解説は、「2026年10月からインボイス制度がどう変わる?」の記事にまとめています。あわせてご確認ください。

まとめ

インボイス制度の問題点は、仕入税額控除の減額・経理業務の負担増・取引継続への影響・請求書様式変更への対応など多岐にわたりますが、少額特例や返還インボイスの交付義務免除など、今も使える負担軽減措置があります。特に2割特例は2026年9月末で適用対象の課税期間が終了するため、自社がどの措置を利用できるか、2026年10月以降どう対応すべきかを早めに確認しておきましょう。

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