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【設備・福利厚生でできる】工場・現場の熱中症対策

2024-06-10

年々暑くなるにつれ、屋内でも熱中症のリスクが増加しています。
特に金属加工工場では、機械の熱や溶接作業による熱で外気温を上回る高温になることが多々あります。

熱中症対策には、設備投資と個人または部署での対策があります。
今回は設備投資や福利厚生での対策方法に焦点を当ててまとめました。貴社に合った設備や制度を検討してみましょう。

個人・部署での対策はこちらをご覧ください。
参考記事:【個人・部署ですぐできる】工場・現場の熱中症対策

1.スポットクーラー・巨大扇風機(工場扇)の設置

スポットクーラーも巨大扇風機(工場扇)も、必要なときに必要な場所に簡単に風を送ることができるのが特徴です。
どちらも設置しやすく、工場の暑さ対策として最も一般的です。

スポットクーラー

スポットクーラーは1台あたり50,000円~80,000円程度で、機械を購入するだけですぐに導入できます。
メリットとデメリットはこちらです。

メリット

  • 設置しやすい
  • 涼しい風をすぐに送ることができる
  • 費用もそこまでかからない(1台あたり50,000円~80,000円程度)

デメリット

  • 排気熱で室内の温度が上がってしまう
  • 冷却できる範囲が狭い
  • 酷暑(35℃以上)の環境には不向き

夏の工場では室内温度が40℃を越える場所もあるため、効果が薄い場合もあります。
スポットクーラーには購入とレンタルサービスがあり、実際に仮導入してから本導入を検討しやすいでしょう。

巨大扇風機(工場扇)

巨大扇風機は、文字通り「家庭用の扇風機よりもさらに大きい扇風機」です。扇風機の羽のサイズが大きい分、より強力な風を送ることができるのが特徴です。1台あたり8,000円~50,000円程度ですが、扇風機のサイズが1メートルや2メートルを超えてくると、1台あたりの価格は80,000円~数十万円になります。

メリット

  • 費用が安く設置しやすい
  • 屋外でも設置できる
  • 排気熱がないので周辺の温度が上がることはない

デメリット

  • 書類や軽量の部品が風で飛ばされる恐れがある
  • 扇風機周囲の環境が暑いとかえって温風を送ってしまう
  • 送風範囲が限定的

2.省エネの空調設備を更新・導入

大規模で費用もかかりますが、設備の組み合わせや導入方法によって補助金が出るものもあります。
補助金の規模も大きく、中には補助上限額1億円、補助率1/2以内といったものもあります。
令和5年度の補正予算では、「省エネルギー」がキーワードです。

経済産業省からは「令和5年度補正予算における省エネ支援策パッケージ」が出ています。
事業者向けの支援として、「1.省エネ設備への更新支援(省エネ補助金)」と「2.省エネ診断」があります。
「1.省エネ補助金の(Ⅲ)設備単位型」では、「リストから選択する機器への更新を補助」という項目があります。こちらでは、高効率空調が対象となっています。補助率は1/3、補助上限額は1億円です。
申請期間などは随時更新されるため、定期的にチェックすることをおすすめします。
参考・引用元:令和5年度補正予算における省エネ支援策パッケージ(経済産業省 資源エネルギー庁  省エネルギー )

また、電力会社を見直したり、太陽光パネルを設置することで、空調機器や設備の電気代を抑えることができます。
初期費用0円から太陽光パネルを設置できる仕組み(オンサイトPPA)を導入することで、持続的なコストダウンも可能です。太陽光事業歴30年以上の業者が施工・保守管理し、それまでのサポートも専門担当者がしっかり対応いたします。
太陽光パネル・電気代見直しの詳細・ご相談は、こちらのページからお気軽にお問い合わせください。

3.周辺地面・屋根に打ち水をする

周辺地面

打ち水をすることでコンクリートが熱くなりすぎるのを抑えることができます。
夏場のコンクリートの表面温度は50℃を超える場合もありますが、打ち水で表面温度の上昇を防ぐことができます。コンクリートは冷めにくいので、より暑い昼間だけでなく、夕方に打ち水をしても効果的です。
ホース、バケツ、ジョウロで散水するだけなので、初期費用がほとんどかからず、導入しやすいでしょう。

屋根

屋根も工場内の暑さの要因の一つです。工場の屋根はトタン屋根など金属製であることが多いです。太陽や周辺の熱で高温になった屋根から熱が伝わり、工場の室内も暑くします。
もちろん、屋根へも打ち水で暑さを抑えることができますが、人力ではなくスプリンクラーの導入をおすすめします。当たり前の話ですが、人が定期的に屋根に上って作業するのは危険で、労災発生のもとになります!
屋根への他の対策として、遮熱塗装や遮熱シートを使用する方法もあります。

4.ビニールカーテンで冷気が逃げるのを防ぐ

工場の建物の出入口は大きく、冷暖房効率が悪くなる原因の一つになっています。
夏はビニールカーテンを使用することで、冷気が逃げるのを抑えることができます。さらには、虫の侵入抑制や防塵の効果もあります。
家庭のお部屋のカーテンのような一枚布タイプや、のれんタイプがあります。
一枚布タイプの方が効果は高いですが、のれんタイプはどこからでも出入りしやすいので、出入口の使用方法にあったビニールカーテンを選びましょう。

5.熱中症対策グッズ、スポーツドリンクの支給

福利厚生として、社員に熱中症対策グッズやスポーツドリンクを支給している企業もあります。これにより、社員全員に熱中症対策を徹底してもらうきっかけになります。

熱中症対策グッズ

熱中症対策グッズには、冷感タオルやネッククーラー、空調服、水冷服など様々なものがあります。
毎年進化し続けるこれらのグッズですが、実際に使ってみないと快適度はわかりません。せっかく入社してくれた社員が「暑い工場=つらい・辞めたい」と感じる状況にならないよう、会社側から暑さ対策を提案してみましょう。
具体的なグッズについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
参考記事:【個人・部署ですぐできる】工場・現場の熱中症対策

スポーツドリンク・ミネラルウォーター

スポーツドリンクなどの冷たい飲み物は、1日の必要量があると望ましいです。
暑い日は1日に1.5〜2リットルの水分を補給することが推奨されています。ですので、500mlのペットボトルを1日あたり3,4本支給すると1日に必要な水分を補給できます。
また、会社で冷たい飲み物を支給することで、社員の出社時の荷物を減らせます。重い荷物が減ることで、出社時の負担が軽減され、社員の満足度向上にもつながります。

塩飴や塩タブレット等のお菓子

水分と一緒に適度なミネラルや塩分の摂取も必要です。
熱中症対策として、小分けになった様々なお菓子があります。
塩飴は、味のバリエーションが豊富で、塩味のほかに梅味、レモン味、サイダー味、スイカ味など通常のお菓子と遜色ないものが多いです。
塩分タブレットは暑い中でも溶けないのが特徴です。暑い中に長時間置いておく場合におすすめです。
他には、塩キャラメルも塩分補給の候補として人気です!

何種類か常備しておくと、「何味が好き?」「これ美味しかったからおすすめ!」といった社員同士の交流にもつながります。是非、職場のメンバーが喜びそうなお菓子を取り入れてみてください。

6.氷枕や経口補水液を常備する

万が一熱中症になってしまった場合に応急処置できる備えがあると安心です。
熱中症は命に関わる可能性があります。病院へ送る前に応急処置ができると死亡リスクが減らせますので対策しましょう。

  • 社内で涼しく、安静にできる場所を用意しましょう
  • 氷枕(頭部や脇の下、太もものつけねを冷やす)
  • 経口補水液(脱水症状がある場合に飲ませましょう)

7.熱中症予防対策の資料配布、ポスター貼付で啓発する

具体的な熱中症の症状や対策がすぐに思い浮かばない方もいらっしゃるかと思います。
熱中症予防対策や救急車を呼んだ方がいい場合について、わかりやすく記載されている資料やポスターが配布されています。これらのリーフレットを配布したり、ポスターを掲示することで、社員が簡単に確認できる環境を整えましょう。
参考サイト:厚生労働省

8.こまめな休憩時間を設ける

熱中症対策には体調不良を起こす前に休憩を取ることが大切です。
しかしながら、決められた休憩時間以外に休憩を取りたいことを言い出しにくい社員もいます。
企業全体でこまめに休憩時間を設けることで、体調不良者を出さない対策になります。

9.来客用の飲み物を冷たいお茶やミネラルウォーターにする

熱中症対策が必要なのは社内の社員だけではありません。
工場見学などでいらしたお客様も熱中症のリスクがあります。万が一、お客様が熱中症になってしまうと案内した方もやり場のない気持ちになってしまいますよね。
そこで、冷たい緑茶や麦茶をお出しすることで、お客様の熱中症リスクを下げることができます。暑い日に冷たい飲み物をお出しできれば、お客様も喜んでいただけるでしょう。小さいペットボトルなら工場内に持ち運びやすく、こまめに水分を取ることができます。ペットボトルでのお茶出しは決して失礼ではありませんので、ぜひ取り入れてみてください。

製造業に携わる皆様が少しでも安心安全に夏を過ごせることを祈っています。

最後までお読みいただきありがとうございます。
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