2024-11-01
更新
染谷 ひとみ
Mitsuri Media管理人
精密板金加工工場のインサイドセールスとして加工と寸法の提案をしてきた経験を経て、製造業の知見と楽しさを提供している。 幼少期からモノの構造を理解するのが好き。JAPAN MENSA会員。
図面を描けるに越したことはありませんが、図面が描けないと製作依頼ができない、ということはありません。
図面が描けるようになるまでにはある程度の練習・学習が必要です。しかし、描けるようになる前に金属加工を依頼したいこともありますよね。
今回は手書きイラスト、エクセル、パワーポイントで描けるようなイラストで、加工を依頼するコツを書きます。このページを見ながら、イラストを完成させてみましょう。
手書きのイラストでも加工してもらうには5つのポイントがあります。
動画でも解説しています。動画版はこちら!
サイズや形状がわからないと、工場の担当者は加工ができるか判断できません。
まずは、全体的なサイズと形状がわかるようにしましょう。工場で加工ができるか検討するためには、形状が伝われば、斜め上から見たイラストでも、真横から見たイラストでも構いません。
「5.依頼したいものの名称をしっかり書く」でも後述しますが、あわせて製品の用途や形状を文字で添えましょう。
寸法を記載しても、忘れがちなのが穴の位置とサイズの指定です。
穴の位置やサイズによっては加工が難しくなることもあるので、忘れずに記載しましょう。
金属加工業界では直径で表すことが大半です。もちろん、半径で指定しても大丈夫です。
直径で指定する場合は、「φ(ファイ、パイ)」を使うとスマートに記載できます。直径10mmの丸穴の場合は、「φ10」となります。
穴の位置は、穴の中心から指した方が工場の方も慣れていて分かりやすいです。
縦横の寸法を記載しましょう。穴の位置は、穴の中心からでも構いませんし、端から指した寸法でも大丈夫です。
角穴の角に丸みやカットを付ける場合は必ず記載してください。指定がないと、ピン角になります。
後述する、「3.角に丸みやカットを付ける場合は必ず記載する」もチェックしてください。
ねじ穴の場合は、ねじ穴ということがわかるように指定しましょう。
ここでいうねじ穴は、画像のように穴の中にねじ山のぐるぐるが加工されているねじ穴を指します。
ねじは、M4やM6とMがつきます。使いたいねじの規格をしっかり調べて記載しましょう。
金属加工業界の中では、ねじ穴のことを「タップ穴」と呼びます。
通したいものの大きさより、+2mm~3mmの余裕を持たせた穴を指定しましょう。イラストの中にどういうものが通るかを説明しても構いません。
例えば、直径50mmの丸棒を穴に通したい場合、直径52mmの穴を加工してもらいましょう。
機械を使った加工品でも、1mm、2mmといった多少の誤差は出てしまいます。これは一般使用の範囲であれば、製品として問題ありません。
一般使用の範囲であれば、全体で2mmの隙間があってもさほど気になりません。安心してください。
角穴や、製品の端に丸みや斜め45度のカットを付ける場合は指定しましょう。指定がないと、ピン角になります。
丸みのサイズ、斜め45度カットのサイズも必ず指定しましょう。
業界では、丸みのことを「R(アール)」、斜め45度カットのことを「C(シー)」と呼んでいます。
半径5mmの丸みを付けたい場合は、「R5」と記載すると、シンプルに指定できます。
端から5mmずつ斜め45度カットをしたい場合は、「C5」と記載しましょう。
どの金属で加工するか、金属部品の表面をどのようにするか記載しましょう。
金属の材料に詳しくない方は、ステンレスやアルミ、といった指定で大丈夫です。
塗装、めっき、アルマイト、研磨など表面への加工が必要な場合は記載しましょう。
塗装色の指定、めっきやアルマイトの種類も忘れずに行いましょう。
塗装の依頼のポイントはこちらもご参考ください。
参考記事:【金属塗装を工場へ依頼する方法】6ポイントで解説
さいごに、依頼したいものの名称を書くことで、予期していないすれ違いを防ぐことができるかもしれません。
例えば、イラストの線を書き忘れてしまい、箱が欲しかったのにブロックが届いてしまう恐れがあります。ただ、そこに箱やBOXという名称が書かれていれば、質問が来てすれ違いを未然に防ぐ事ができるかもしれません。
名称や用途を書くことは、お守りでもあります。かっこいい名称でなくても、用途が伝われば大丈夫です。
例:書類トレー、補強板、ドアストッパー等
イラストを描き終わりましたら、是非Mitsuriで依頼もしてみてください。
図面やCADデータ以外の、illustrator、ExcelやPowerPoint、手書きのイラストの依頼でも大丈夫です。
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