2025-01-15
更新
今回は超硬ロータリーバーの刃の種類や、回転数などの注意点について解説します。
超硬ロータリーバー(超硬バー)とは、エアーグラインダーなどの回転工具の先端に取り付けて使用する工具のことです。主な用途として、製品の成型やバリ取りの仕上げ加工などが挙げられます。
超硬ロータリーバーは、名前の通り刃の材質は超硬が採用されていますが、シャンク部については超硬以外にも鉄製を採用したものもあります。刃が超硬素材であるメリットは、ステンレスなどの切削が難しい材料でも加工ができる点です。
ただし超硬ロータリーバーを使用する際は、目的の効果を得るために、使用する刃の種類や刃の回転数などについて注意を払わなければなりません。
超硬ロータリーバーの刃の種類は、主ににスパイラルカット・クロスカット・アルミカットの3つがあります。メーカーによっては、ダイヤモンドカットやチップブレーカーカットといった特殊なタイプもラインナップしている場合もあります。
引用元:ムラキの最先端工具 機械工具部 製品情報 超硬ロータリーバー
スパイラル(シングル)カットは、一方向の刃で構成されたタイプです。刃数はエンドミルなどと比べて多く、加工面がキレイに仕上がる特徴があります。ただし、針状の切粉が排出されるため、手作業で扱うには注意が必要です。
引用元:ムラキの最先端工具 機械工具部 製品情報 超硬ロータリーバー
クロス(ダブル)カットは、スパイラルカットの刃に対して、もう一方向の刃を付加したタイプです。スパイラルカットに比べて切粉が粉状になるほか、作業時のブレも最小限に抑えられるので、安全に使いやすい特徴があります。ただし、チップポケットが小さいため、アルミや樹脂のような融点の低い材質に用いると、目詰まりしやすくなります。
引用元:ムラキの最先端工具 機械工具部 製品情報 超硬ロータリーバー
アルミカットは、シングルカットのように一方向のみの刃ではあるものの、刃の数が少なくて深さのあるタイプです。これにより切削量とチップポケットが大きく、アルミのような融点の低い材質でも目詰まりしにくい特徴があります。ただし、加工面の仕上がりはシングルカットに比べて粗くなりやすい点に注意が必要です。
引用元:株式会社スーパーツール 超硬バー ダイアモンドカット
ダイヤモンドカットは、独自の刃形状を採用した特殊なタイプです。刃物が不用意にワークに食い込むことがなく、滑らかに加工を行えます。切粉も細かくなるので、難削材の加工に適しています。
引用元:MiSUMi-VONA 超硬カッターチップカットカーバイドバー
チップブレーカーカットは、切粉を細かく分断するためのチップブレーカーを搭載した特殊なタイプです。切削抵抗も少なく、切削時の振れも軽減できます。
超硬ロータリーバーは、製品によって刃の形状が大きく異なります。メーカーごとに形状の呼び方も異なるものの、形状の種類についてはほとんど違いはありません。
引用元:SAKUSAKU 超硬ロータリーバーの用途って何? 刃先形状の種類についてもご紹介
円筒型は、円筒かつ刃先が平らな形状をしたものを指します。外周部分に刃があるので、軸方向に対して垂直に押し当てるようにして加工します。
製品によっては先端にも刃が付いていて、軸方向に対しても加工できるタイプがあります。
引用元:SAKUSAKU 超硬ロータリーバーの用途って何? 刃先形状の種類についてもご紹介
先丸円筒型は、刃が円筒型かつ、先端が丸みを帯びた形状のものを指します。上図のように曲面の隅を加工するのに適しているほか、円筒型のように側面でも加工を行えます。
引用元:SAKUSAKU 超硬ロータリーバーの用途って何? 刃先形状の種類についてもご紹介
楕円型は、刃の全体がタマゴのように丸みを帯びた形状のものを指します。上図のようにワークの曲面箇所を均一に加工したい場合に適しています。
引用元:SAKUSAKU 超硬ロータリーバーの用途って何? 刃先形状の種類についてもご紹介
砲弾型は、刃物が砲弾のように先端にいくにつれて先細になっているタイプです。曲面や細かな箇所などの、複雑な形状のものを加工するのに適しています。
引用元:SAKUSAKU 超硬ロータリーバーの用途って何? 刃先形状の種類についてもご紹介
球型は、刃物が球体の形をしたタイプです。丸溝の箇所を加工するのに適しています。
引用元:SAKUSAKU 超硬ロータリーバーの用途って何? 刃先形状の種類についてもご紹介
円錐型は、刃物が円錐形状のタイプです。円錐の角度が90°と60°のタイプがあり、V溝の加工や皿ザグリの箇所を加工するのに適しています。製品によっては逆円錐の形状をしたタイプもあります。
引用元:MiSUMi-VONA 技術情報
超硬ロータリーバーの柄の部分をシャンクと呼びます。一般的に国内で取り扱われている超硬ロータリーバーのシャンク径は、直径3mmか直径6mmのものがほとんどです。
超硬ロータリーバーを扱うときの注意点として、シャンクの突出し長さが最小になるように刃物を取り付ける必要があります。これにより芯振れやシャンクの歪みを防ぐことができます。
超硬ロータリーバーの推奨回転数は、各製品の仕様欄に掲載されているので、使用の際はそちらを確認するようにしましょう。ただし突出し量が長い場合は、先端の振れが大きくなることから、回転数を落とすなどの対応が必要です。
回転数が合わない状態で使用すると、ビビりや目詰まりが発生しやすくなるので超硬ロータリーバーを使用する際は注意してください。
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