2025-01-11
更新
2DCADから3DCADへの移行需要を踏まえてCADを勉強したいけれど、そもそもCADってなに?と疑問をお持ちの方に、今回はCADの基礎知識を解説します。
CADは、2DCADや3DCADといった種類のほかにも、汎用CAD・専用CADなど、たくさんの種類に分かれます。それぞれのメリット・デメリットと違いを理解して、導入や資格取得などに役立ててください。
CAD(キャド)とは、Computer-Aided Designの略で、コンピュータを使って設計をすることそのものや、その設計支援に用いられるツールのことを指します。
それまで手書きで行われていた製図作業をコンピュータによって支援するもので、一言で表すなら「コンピュータを使った製図」のことです。
一般的な描画ツールなどと大きく異なるのは、数値などがより精密な点。CADによって作成されたデータはそのまま図面(設計データ)として利用することを想定しているため、非常に精緻な値を設定することができます。
CADは、汎用CADと専用CADの大きく2種類に分かれます。汎用CADは、その名の通り幅広く使える機能を備えており、専用CADは「機械用・建築用・土木測量用・服飾デザイン用」などがあります。
なお日本でのCADの厳密な定義は、”製品の形状、その他の属性データからなるモデルを、コンピュータの内部に作成し解析・処理することによって進める設計”と、JIS B3401に記載されています。
2DCADは、2次元データの製図を行うCADです。手書きで行っていた製図をそのままコンピュータで支援する形式のもので、正面・平面・側面の構成からなる第三角法によって製図されます。
メリットは、手書きの製図に近い感覚で扱えるため、導入が比較的容易という点。そのため、3DCADには対応していないものの2DCADは導入しているという企業も多く、特に古くからある工場や中小企業などでその傾向が顕著です。
デメリットは、2次元から3次元への変換を読み手が行わなければいけない点。図面の読み取りにやや技術が必要で、手間がかかります。一応2DCAD自体にも3D変換の機能はあるにはありますが、正確ではないため一般に用いられるものではありません。
そのほか、例えば試作品を製作するうえでは図面読み取りのほか、加工の検討、加工データの作成、試作品の加工、といくつもの工程が必要になります。
3DCADは、3次元データの製図を行うCADです。3DCADで作成されるモデルは、枠組みのみの「ワイヤーフレームモデル」、表面のみの「サーフェスモデル」、体積を持った「ソリッドモデル」の3種類があります。
製作方法は2種類。ワイヤーにサーフェスを貼り付けるサーフェスベースと、ソリッドを足したり除去したりして立体を作成するソリッドベースです。
いずれの種類、手法でも立体そのものを作成するため、見たい視点から見たい角度で見たい面を見ることができ、製図の知識がない初心者でも複雑な立体を認識・把握しやすいことがメリットと言えます。
さらに形状の把握だけでなく、あらゆる情報を一元的にデータ化できる点も特徴として挙げられます。すでに検討した材質などの設計情報や、部品調達の情報、公差(許容される誤差)などの製造情報、コスト情報まで3DCADデータに含むことができます。
さらに設計変更や仕様変更も容易で、試作品を作成する回数の削減や、設計変更に伴ういわゆる「手戻り」の大幅な軽減ができます。もちろん、3Dモデルから2D図面の作成も容易です。
そのほか、曲線の多いデザインへの対応力があり、立体そのものを見ながら検討ができるため加工方法の検討にかかる時間短縮にもつながります。さらに複雑な図面をパーツ単位で確認したり、駆動パーツの動作検証などもできるので、最終的にアセンブリ化(組み立て)した際に出る不具合の早期発見にも。
デメリットは、2DCADとは対照的に、やや扱いに慣れが必要であり企業によってはそもそも対応していない場合があるという点。
しかし近年、3Dプリンタなどの登場で3DCADデータの活躍の場がさらに広がったことで、そのデメリットは希薄化しつつあると言えます。フリーCADと呼ばれる無料で使える3DCADもあり、もともとはNC工作機械などへ渡す役割を担っていた3DCADデータも、個人レベルで簡単に作成できるようになりました。
それぞれの特徴を押さえたところで、2DCADと3DCADの違いについて、改めておさらいしておきましょう。
2DCADは、もともと設計の現場で行われていた製図図面を電子化したものです。製図の手間をコンピュータで支援して簡単にしただけなので、製図データそのものに含まれる情報量が変わったわけではありません。そのため2DCADデータだけでは製品製作のために必要な情報が十分ではなく、その後の工程は基本的に従来の手書き図面を用いた場合と同じです。
これに対し3DCADは、最初から立体で製品を表現でき、作りたい形状を忠実に再現できます。設計(製図)から製作までに発生していた、材質の検討・加工方法の検討・部品の検討・コストの検討など、あらゆる情報を3Dモデルが併せ持つことができるため、3DCADデータさえあれば各工程における情報の共有も容易です。
難点は、歴史がある2DCADのノウハウの蓄積もあり、まだ2DCADのみ対応しているという企業も少なからず存在することです。
近年3DCADへの移行需要は高まり、複雑な形状の製品を低コストかつ短納期で開発するには、もはや3DCADが必須と言える状況になりました。
しかし一方で、すでに2DCADを導入しており、かつ製作する製品もある程度決まった形状のものが多く、設計において手戻りなどの手間がほぼ発生しないのであれば、無理に3DCADに移行する必要はないかもしれません。
また、単に3DCADに移行するといった場合も、汎用CADなのか専用CADなのかといった検討は残りますので、3DCADに移行すればすべてが解決するわけではありません。導入や移行を検討するうえでは、どんな製品を設計するのかをぜひ念頭に置いておいてください。
Mitsuriでどんな取引が行われている?
新しい機能を使ってどう新規取引につなげる
そんな疑問に毎月メールでお届けします