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C1020(無酸素銅)特徴、用途、機械的性質

2024-09-18

更新

この記事を監修した人

染谷 ひとみ

Mitsuri Media管理人

精密板金加工工場のインサイドセールスとして加工と寸法の提案をしてきた経験を経て、製造業の知見と楽しさを提供している。 幼少期からモノの構造を理解するのが好き。JAPAN MENSA会員。

C1020とは、無酸素銅と呼ばれる純銅の代表的な材料のことです。

純銅は銅の成分が99.90%以上で構成されている材料を表しており、代表的なものとして、C1020(無酸素銅)、C1100(タフピッチ銅)、リン脱酸銅(C1220)が挙げられます。

C1020(無酸素銅)は、銅の純度が99.96%以上と高く、その他の元素を含まないことから優れた特性を示し、さまざまな用途で使われています。

C1020の特徴

純銅の共通の特徴は、導電性・熱伝導性・展延性・絞り加工性に優れ、耐候性・耐食性も良好である点です。

C1020(無酸素銅)は、酸素を含まないことから、高温加熱しても水素脆化が発生しません。そのためC1020は、溶接やろう付けを必要とする製品に適した材料です。

参考:水素脆性割れとは?原因と対策、ベーキング処理

参考:銅の加工ならMitsuri!1コ〜お受けいたします!

C1020の用途

C1020(無酸素銅)は不純物を含まないため、導電性・熱伝導性に優れた材料です。この特徴から、電気用・化学工業用などの製品に多く採用されています。

用途例)バスバー・ヒートスプレッダー・トランス用コイル材・ガスケット

C1020の化学成分

<C1020の化学成分(単位:%)>

合金番号 Cu Pb Fe Sn Zn Al Mn Ni P Zr
C1020 99.96以上 - - - - - - - - -

引用元:JIS H 3100:2018 銅及び銅合金の板及び条

C1020の機械的性質

<C1020の板及び条の機械的性質>

質別 製品記号d) 引張試験 曲げ試験a) 硬さ試験a)(参考)
厚さの区分 mm 引張強さb) N/mm2 伸びb) % 厚さの区分 mm 曲げ角度c) 内側半径c) 厚さの区分 mm ビッカース硬さb) HV
O C1020 P-O
C1020 PS-O
0.10以上 0.15未満 195以上 20以上 0.10以上 2.0以下 180° 密着 - -
0.15以上 0.30未満 30以上
0.30以上 30以下 35以上
C1020 R-O
C1020 RS-O
0.10以上 0.15未満 20以上
0.15以上 0.30未満 30以上
0.30以上 4.0以下 35以上
1/4H C1020 P-1/4H
C1020 PS-1/4H
0.10以上 0.15未満 215~285 15以上 0.10以上 2.0以下 180° 厚さの0.5倍 0.30以上 30以下 55~100e)
0.15以上 0.30未満 20以上
0.30以上 30以下 215~275 25以上
C1020 R-1/4H
C1020 RS-1/4H
0.10以上 0.15未満 215~285 15以上 0.30以上 4.0以下
0.15以上 0.30未満 20以上
0.30以上 4.0以下 215~275 25以上
1/2H C1020 P-1/2H
C1020 PS-1/2H
0.10以上 0.15未満 235~315 - 0.10以上 2.0以下 180° 厚さの1倍 0.20以上 20以下 75~120e)
0.15以上 0.30未満 10以上
0.30以上 20以下 245~315 15以上
C1020 R-1/2H
C1020 RS-1/2H
0.10以上 0.15未満 235~315 - 0.10以上 2.0以下 180° 厚さの1.5倍 0.20以上 4.0以下
0.15以上 0.30未満 10以上
0.30以上 4.0以下 245~315 15以上
H C1020 P-H
C1020 PS-H
0.10以上 10以下 275以上 - 0.10以上 2.0以下 180° 厚さの1.5倍 0.20以上 10以下 80以上e)
C1020 R-H
C1020 RS-H
0.10以上 4.0以下 0.20以上 4.0以下

注記

a):曲げ試験及び硬さ試験に関して規定した厚さの区分を外れるものは、試験を適用しない。

b):数値は、整数値に丸める。

c):曲げ試験の条件を示す。

d):導電用の板及び条にも適用する。

e):最小試験力は、1.961Nとする。

引用元:JIS H 3100:2018 銅及び銅合金の板及び条

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