2025-01-15
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バフ研磨とは、金属や樹脂などの表面を磨き上げて、滑らかに仕上げる研磨加工の一種です。例えばグレードの高いステンレス製品は、ピカピカに磨かれているものがありますが、このような製品の研磨はバフ研磨が採用されています。
バフ研磨は、使用しているバフや研磨剤によって対応できる材質や用途が異なります。ここでは、バフ研磨の用途や種類、メリット・デメリットなどについて詳しく見てみましょう。
参考:研磨加工とは?種類と加工手順、除去加工まで専門家が解説!
バフ研磨とは、金属の表面を研磨する手法の一種です。
バフ研磨に使われる「バフ」とは、綿やウールなどの素材でできたホイール状の研磨道具を指します。バフは研磨剤を付けて高速で回転させ、ワークに接触させると研磨できます。
バフは、磨いて輝かせるという意味を持つ英語の「buff」が由来です。
バフ研磨は、ワークの表面を磨いて凹凸を少なくし、滑らかにするために使われます。製品の表面が滑らかになるほどキレイになり、良好な精度や外観が得られます。研磨後は表面がツルツルになっているわけではなく、表面に微細な傷がついた状態になっています。細かい目で研磨すれば、ワークの表面に光沢が生まれるのも特徴です。
また、ワークの表面に付いたホコリや汚れを除去したい場合にもバフ研磨が使われます。そのため、めっきや塗装加工前に、製品表面をバフ研磨して平滑にすることが多いです。
バフ研磨を必要とする製品は、タンク・配管・装飾品・半導体部品・真空チャンバー・精密機械などが代表的です。
バフは数字で「○○番」または「#○○」と種類分けされていて、数字が大きいほど目の粗さが細かく、キレイに仕上がります。細かい目で研磨する場合は、基本的に粗磨きとして目の小さいもので研磨し、徐々に大きな番手を使って仕上げます。最終的に800番や1000番の目で研磨すると材料の表面に光沢が得られます。
また、バフは番手以外にも材質により特徴が異なります。バフの材質は、麻バフ・綿バフ・ウールバフ・スポンジバフなどがあります。
バフ研磨剤は、油脂類とアルミナや酸化クロムなどの研磨材を配合したものです。研磨剤の種類によって、金属用・非金属用・樹脂用などがあります。
研磨剤の種類については、固形研磨剤と液状研磨剤のものがあります。
固形研磨剤は、白棒・赤棒・青棒などと呼ばれるものが代表的です。白棒は中研磨から仕上げ研磨まで幅広く使われています。赤棒は粒度が粗いので粗研磨にぴったりです。青棒は主に鏡面仕上げに適しています。
液状研磨剤は、主に粘度の高いエマルジョン性が採用されています。液状研磨剤は、水分を含んでいるため、固形研磨剤に比べて研磨力は劣る傾向にあります。
バフ研磨は、加工した製品にある表面の凹凸を少なくして平滑化できるほか、バリや傷、溶接ビードなどを除去できます。微細な加工を行うと、製品表面の精度が高くなり、美しい外観が得られます。
バフ研磨は手作業で行うため、他の表面仕上げ加工と比べるとコストが高くなる傾向にあります。高度な処理を行う場合、作業者の加工技術の違いにより、仕上がりにバラツキが出る点もデメリットです。
また、製品のバリや傷は除去できても、微細な傷の隙間に研磨剤が付着してしまいます。付着した研磨剤は、研磨後に洗浄を行っても完全に除去できるわけではないので注意が必要です。
バフ研磨は、各種金属や樹脂に対して研磨できます。ただし使用する研磨剤などにより、適した材質が異なるので注意が必要です。
代表的な材質は、鉄・ステンレス・アルミ・チタン・プラスチックなどが挙げられます。生活のなかでよく見るステンレスは光沢がありますが、ステンレスの光沢は材質そのものの特性ではなく、バフ研磨により得られたものになります。
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