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ブローチ加工の種類、切削条件、メリット・デメリット

切削加工 | 2021年08月27日

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ブローチ加工は、金属を削って決まった形状に整えていく切削加工の一種。「ブローチ」と呼ばれる特殊な工具を使い、金属の穴を決まった形状に整える加工方法です。洋服の襟などにつける装身具のブローチを思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれませんが、洋服は「brooch」、ブローチ加工は「broach」なので、関連性はありません。

ブローチとは、棒状の切削工具を意味し、ブローチを使って金属を削る技術のことをブローチ加工と呼んでいます。

今回は、このブローチ加工について、特徴やメリット、デメリットなどをご紹介します。よく同列で登場するスロッター加工との違いについても解説します。

ブローチ加工とは

引用元:ライコムシステムズ(YouTube)

ブローチ加工とは「ブローチ」と呼ばれる特殊な切削工具を使い、金属を決まった形状に加工する除去加工の一種です。エンジンの部品や歯車のキー溝を彫るのに欠かせない加工方法で、スプロケット、スプライン、歯車などを製造する際に多く用いられます。そのため、自動車や飛行機の部品製造によく使われています。

金属の外側を決まった形状に削る「表面ブローチ加工」と、内側の穴に貫通させる「内面ブローチ加工」の2種類があります。いずれも金属に対し、ブローチを一定の速度で貫通させることで表面を削る加工方法です。

ブローチ加工の切削条件

ブローチ加工では、素材に合わせ、最適な切削条件を設定する必要があります。短時間で金属を削り、粗加工から仕上げまで全行程をこなすため、ブローチの工具には硬度の高い金属が用いられます。ただ、硬ければ良いという訳ではなく、素材によって相性の良い素材が異なります。

炭素鋼やステンレス鋼、チタン合金など、加工する金属はさまざま。そのため、それぞれの金属の硬度に合わせてブローチも最適な素材をチョイスしなければなりません。

さらに、加工速度なども調整することで、良質な部品の加工に繋がります。

ブローチ加工のメリットとデメリット

ブローチ加工は特定の条件において大きな効果が得られる加工法です。活用できるシーンが限られているため、メリット・デメリットが明確に分かれています。きちんと把握し、効果的に活用しましょう。

ブローチ加工のメリット

ブローチ加工のメリットは下記の通り。

  • ・短時間・1工程で加工が完了する

  • ・同一部品の再現精度が高い

  • ・他ではできない加工が再現できる

  • ・少人数での管理が可能


●短時間・1工程で加工が完了する

ブローチ加工は、旋盤加工なら複数の工程を経なければ完成させられない部品を、ブローチ盤で工具を引き抜くという一工程だけで、粗加工から仕上げまで完了させられます。そのため、同じ部品を大量に製造することができます。

●同一部品の再現精度が高い

ブローチ加工は至ってシンプルな工程のため、仕上がりに大きなズレがありません。そのため「高品質・高精度」の部品を、短時間で大量に製造できます。

●他ではできない加工が再現できる

キー溝の形状などによって、ブローチ加工でしか実現できない部品もあります。実現が難しい螺旋状の内溝なども、ブローチ加工を用いれば簡単に実現できます。

●少人数での管理が可能

特殊な形状の加工を実現させるブローチ加工ですが、作業自体は特別な技術を必要としません。そのため、熟練度の低いスタッフでも、1人で全行程を完了でき、大量生産において大きなコストダウンに繋がります。

ブローチ加工のデメリット

ブローチ加工のデメリットは下記の通り。

  • ・少量生産はコスパが悪い

  • ・不得意な加工もある


●少量生産はコスパが悪い

ブローチ加工は、加工する部品に合わせて専用のブローチを製造します。ブローチはかなり高額で制作に時間もかかるため、少量生産だとコストパフォーマンスがかなり低めです。

●不得意な加工もある

ブローチを貫通させることで一度にすべての工程を完了させるため、貫通させない加工は不得意です。

スロッター加工とブローチ加工の違い

よく、ブローチ加工と並べて登場するのがスロッター加工。スロッター加工は金属に対し、刃物を取り付けたラムを垂直に上下動させながらキー溝加工を行います。

どちらもキー溝加工に用いられますが、スロッター加工の得意分野は「小ロットの止まり穴」。ブローチ加工の不得意な部分を得意としている加工法です。

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この記事を書いた人
<a href="https://catallaxy.me/" class="u-link-theme">株式会社Catallaxy</a>

株式会社Catallaxyは "未来の製造業をつくる" をミッションに掲げ、製造業における従来のサプライチェーン/バリューチェーンの刷新を目指しています。記事内容に関するお問い合わせはこちらへ。

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