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溶接中の空気閉じ込めが引き起こすリスク:ブローホールの原因と対策

この記事を監修した人

染谷 ひとみ

Mitsuri Media管理人

精密板金加工工場のインサイドセールスとして加工と寸法の提案をしてきた経験を経て、製造業の知見と楽しさを提供している。 幼少期からモノの構造を理解するのが好き。JAPAN MENSA会員。

溶接品を設計する際、注意しなければならない落とし穴があります。それは、「溶接で完全に内部の空気を閉じ込めてしまう構造」です。

なぜ『溶接で完全に内部の空気を閉じ込めてしまう構造』はNGなのか

『溶接は金属を強力な糊でくっつけるようなもの』というような認識を最初に持ち始める方もいらっしゃいます。確かにその通りなのですが、実際の溶接では、ガスを使いながら熱で金属を溶かしています。

もし溶接で完全に内部の空気を閉じ込めてしまう構造だと、中に溜まったガスが流れません。それにより、ブローホールなどの問題が発生してしまい、溶接の強度に欠陥や穴による水漏れが生じてしまいます。

ブローホールとは

ブローホールとは、溶接部分に気泡や孔が発生してしまったものを指します。ブローホールがあると、溶接の強度や品質に悪影響を及ぼします。

ブローホールが発生する原因には、溶接中にガスが閉じ込められたり、不純物が混入することがあります。

ブローホールを避けるための設計の注意点

溶接構造を設計する際は、空気を閉じ込めないように『気抜き穴』を設けることが重要です。気抜き穴は、直径約5mmの小さな穴で充分です。美観を損なわないように気抜き穴を隠したい場合は、製品の裏面に設置したり、接地面に配置することで、気抜き穴の存在を目立たなくすることができます。

また、気抜き穴としてネジ穴を使用することも可能です。

もし気抜き穴の位置について判断が難しい場合は、「気抜き穴は目立たない位置にお願いいたします。」と一言添えると良いでしょう。

他にも溶接部品の設計の注意点があります。こちらの参考記事をご覧ください。

参考記事:【図解】板金加工で溶接できない形状とは?難しい理由と共に解説!

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