カテゴリ

Mitsuriでの受発注の最新の傾向や統計、サービス最新情報を毎月メールにてお届けします。
WEB上での新規取引のコツや活用方法など役に立つ情報も配信しています!

 

【ボールバルブとは?】種類・構造・向き・記号まとめ

この記事を監修した人

金属加工業界最大級のマッチングプラットフォーム「Mitsuri」を手掛ける企業。
「未来の製造業をつくる」をモットーに、製造業DXを推進している。

ボールバルブは管を流れる流体(水・空気・ガスなど)をコントロールするためのもので、数あるバルブの種類の内のひとつです。

流量の調節が難しいバルブですが、圧力損失が少なく、簡単に配管を全開・全閉できます。

この記事では、ボールバルブの種類や構造、取り付ける際のハンドルの向きの注意点などについて解説します。

ボールバルブとは?概要と特徴・記号

引用元:Apiste 配管の仕切バルブの種類と特徴

ボールバルブとは、バルブのなかにある弁体がボールのような形をしたバルブのことを指します。

ボールバルブは穴の開いたボールが本体に内蔵されており、管路と穴の向きを合わせることで流体が通り抜ける仕組みです。

そもそもバルブとは、配管のなかを通る流体を通したり、止めたりと流量をコントロールするためのものです。流体は液体や気体といった、力を加えると容易に変形するもののことを指します。

ボールバルブは、バルブの流路と配管の内径が同等である「フルボア構造」を採用しているものが多く、流体抵抗が極めて小さいことが特徴です。また、弁体を90度回転させるだけで、流体を通す・止めるの操作ができるので、操作時間が少なく済むのもメリットと言えます。

一方、細かい流量の調節には不向きで、基本的には全開か全閉の目的で使用します。

なお、バルブの配管系統図で使われる記号については以下の通りです。

チェック弁とリリーフ弁を除くバルブは、基本的に向かい合わせの三角形で表します。

引用元:Apiste 配管系統図でよく見る記号と情報の意味

ボールバルブの構造

引用元:HISAKA ボールバルブについて

ボールバルブは上図のように、ボールをボールシートと呼ばれる2枚のシートリングで挟み込む構造になっています。本体上部にあるステムを90度回転させることで、開と閉に切り替えられる仕組みです。

また、ボールバルブには2種類の構造「フローティング構造」と「トラニオン構造」があります。これらがどのような構造なのか見てみましょう。

フローティング構造

引用元:Yahoo!ショッピング KITZ(キッツ)25A 1インチ ステンレス製ボールバルブ フローティング型 フルボア 10UTB 10K SCS13A フランジ形 ギア操作機対応可

フローティング構造は、流体による圧力を利用して、出口側にあるシートリングにボールを押し付けてシールする構造です。

フローティング構造は、構造がシンプルでコスト面に優れているため、汎用弁として活用されています。

トラニオン構造

引用元:菱光産業株式会社 視界RYOKO お客さまの困った困った(^^ゞ Vol.54 「トラニオン式ボール弁」

トラニオン構造は、ボールを流体に対して直角に保持することで、ボールバルブに内蔵されたスプリングが、ボールシートをボールに押し付けてシールする構造です。

ボールシートにかかる負荷がフローティング構造に比べて小さい特徴があるため、圧力が大きくかかる大口径のバルブにも適しています。

また、トラニオン構造は低圧漏れを防止する効果も期待できます。低圧漏れとは、圧力が弱くなった際に、ボールとボールシートのシール性が悪くなり、流体が漏れてしまう現象のことです。

トラニオン構造はボールシート部にスプリングを搭載しているので、低圧の状態でも流体の漏れを防止できます。

ボールバルブの種類と機能

ボールバルブにはさまざまな種類や機能を搭載しているものがあります。

フルボアバルブ

フルボアバルブは、配管の内径とバルブの流路の大きさが同等のものです。主に流量を確保したいときに採用します。

ソフトシート

ソフトシートは、樹脂やゴム素材で作られたバルブシートを採用したボールバルブです。最も採用されているシートのタイプで、優れた気密性が得られます。一方、使用している素材が熱に強くないため、高温の流体を流す配管には不向きです。

メタルシート

メタルシートは、材質が銅合金やステンレスのバルブシートを採用したボールバルブで、高温の場所にも使用できます。粉体・スラリー・高粘度流体といった、ソフトシートに適していない流体でも対応が可能です。

レデューストボア

レデューストボアは、配管の内径よりもバルブの流路の大きさが1サイズ以上小さいもののことを指します。そのぶん本体のサイズも小さく、設置時に場所を取りません。

また、フルボアバルブとレデューストバルブの中間の流路の大きさをもつボールバルブは、スタンダードボアと呼ばれています。

ファイヤーセーフ機構

ファイヤーセーフ機構とは、ボールバルブ内にあるシール材やOリングが完全に燃焼するほどの火災があった場合でも、シール効果をもたせられる機構のことを指します。

アンチスタティック機構

アンチスタティック機構とは、ソフトシートを採用しているボールバルブが、ボールの開閉や流体の摩擦などで帯電状態にならないように放電する機構のことを指します。

ポケットレス構造

引用元:日東金属工業株式会社 【PBV】ポケットレスボールバルブ

ポケットレス構造とは、ボール周辺にデッドスペースがない構造のことで、流体がバルブに滞留するのを防ぎます。

自動バルブ

自動バルブとは、人が操作することなく、自動でバルブ操作をできるもののことを指します。バルブに取り付けてある駆動部は、電気式・空気式・油圧式などが動力として活用されています。

ボールバルブのハンドル向き・取り付け方向

ハンドルの向きは、ハンドルが流体の流れる方向に動くのか、流れとは逆の方向に動くのかの2パターンがあります。ボールバルブの取り付けは、配管や現場によって統一する場合、向きを間違わないように注意してください。

統一の方針の例として以下のようなものがあります。

・バルブの開ける方向を、流体の流れの方向に合った向きに統一する

・縦向きのバルブの場合、誤動作で開くのを防ぐために上方向を開とする

また、ハンドルを操作した際に、周りのものと干渉しないように設置することも大切です。例えば、バルブを開けようとした際に、近くに配置したバルブにハンドルが当たってしまい、全開にできないといったケースがあります。バルブの近くにものがある場合は、ハンドルの操作がしっかりと行えるかを確認しておきましょう。

ボールバルブのハンドル色の意味

ボールバルブのハンドルは、各メーカーによりさまざまな色がラインナップされています。一部のメーカーでは、用途やバルブの材質に応じてハンドルの色を分けています。

しかしハンドルの色は、メーカーごとに基準があったとしても、規格で定められているわけではありません。そのためハンドルの色を見て、具体的に何の流体が通っているかなどの判断はできないものです。

以上のことから、ハンドルの色は取り付ける人の任意で選べます。実際にバルブを操作する人の要望に合わせて、水とお湯で色分けするなどの使い方も可能です。

金属加工のマッチングならMitsuri!

法人・個人問わずご利用できます。

PICK UP!!

溶接記号一覧 読み方、書き方をわかりやすく解説

PICK UP!!

フランジとは?種類・形状・規格・材質など詳しく解説

Mitsuriでどんな取引が行われている?
新しい機能を使ってどう新規取引につなげる
‍そんな疑問に毎月メールでお届けします

 
新着記事