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SUS410(ステンレス鋼)機械的性質、硬さ、切削性

フェライト系ステンレス | 2021年04月22日

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SUS410は、ステンレス鋼の一種です。ステンレス鋼は耐食性に優れた材料で、建築や土木業界に限らず、家電や厨房などの身近な所にも使われています。


SUS410の用途と特徴

SUS410は、マルテンサイト系の代表格とも言えるステンレス鋼です。鉄の成分が約87%含まれ、炭素量も多いことから熱処理が可能です(*1)。そのため、SUS410は熱処理による高い強度と耐摩耗性に加え、ステンレス特有の耐食性を必要とする箇所で活用されています。

また、鉄よりも耐食性に優れているため、腐食を避けたい場合にも適しますが、ステンレスの中においては耐食性に劣る方であるため、比較的弱い腐食環境下での使用が主となります。

具体的な採用例を挙げると、タッピングネジ・刃物・ポンプシャフト・バルブシートなどが挙げられます。

(*1)逆にSUS304のような炭素量が少ないステンレス鋼は、熱処理をしてもほとんど変化がありません。


SUS410の化学成分

以下は「JIS G 4303:2012」から抜粋した、SUS410の化学成分と機械的性質の表です。

  • <SUS410の化学成分(単位は%)>

種類の記号

C

Si

Mn

P

S

Cr

SUS410

0.15以下

1.00以下

1.00以下

0.040以下

0.030以下

11.50~

13.00

※Niは0.60%を超えてはならない


SUS410の機械的性質(硬さ、耐力、引張強さ、伸び)

  • <SUS410の焼入れ焼戻し状態の機械的性質>

種類の記号

耐力

Mpa

(N/mm2)

引張強さ

Mpa

(N/mm2)

伸び

シャルピー衝撃値

J/cm2

硬さ

HBW

HRBS

または

HRBW

HV

SUS410

345以上

540以上

25以上

98以上

159以上

84以上

166以上

SUS410の切削性と磁性

SUS410は、マルテンサイト系のステンレス鋼のため、熱処理を行うことで、優れた強度と靭性を得られます。クロムCrも11.50~13.00%含むので、清浄な空気中であれば十分な耐食性が期待できます。SUS410は、切削性にも優れています。汎用性が高く、使いやすいのもメリットです。また、鉄Feの含有量が多いため、磁石に付くのも特徴です。


SUS410を取り扱う際の注意点

SUS410を扱う場合、溶接した際に急冷してしまうと亀裂が発生してしまうことがあるので、注意が必要です。溶接による温度の上昇から急冷することで、局部的に靭性の低下を引き起こすためです。割れを防ぐためには、被加工材の温度を200~400℃程度予熱し、急冷による脆化を抑制する必要があります。

参考:ステンレス溶接の種類や溶接方法を銅種別に徹底解説!

そのほか、一般的な熱処理をするとクロムが炭化し、脆くなってしまう点にも注意が必要です。これを避けるためには、「窒化熱処理」を行います。窒化熱処理は、アンモニアなどの窒素を多く含むガスの中にステンレス鋼を入れ、約500℃で72時間ほど加熱することです。

また、SUS410は熱処理をすることで、不働態皮膜の形成が十分にできなくなります。これを改善するためには、「パシペート処理」と呼ばれる硝酸系の酸化剤を使って、人工的に不働態皮膜を設ける処理を行います。

SUS410を含むステンレス鋼の使用を検討している方は、ぜひMitsuriまでご相談ください。日本全国で250社以上の協力企業と提携しているので、お客様のご希望に沿うメーカーが見つかります。見積りは完全無料かつ、複数社から可能です。

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