絞り加工の基礎知識と工程9ステップを徹底解説!

板金加工の基礎

絞り加工の基礎知識と工程9ステップを徹底解説!



絞り加工とは、板金加工の一種で、一枚の板に圧力を加える(絞る)ことで凹ませ、継ぎ目がない容器状の製品を成形することです。


  1. この記事では絞り加工の


  2. 1.用途

    • 2.種類

    • 3.加工の仕組み

    • 4.工程


  3. について詳しくご紹介します。

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1.用途

絞り加工で成形される製品は、一枚の板からできており継ぎ目がなく、底つきの容器状です。製品にはキャップ類、ボトル容器、アルミ缶、灰皿などの小さな物からエンジンのヘッドカバーキッチンシンクなど大きな物まで様々なものがあります。

また、形状は円筒をはじめ、角筒円錐角錐など幅広く、少工程で成形できるため、工業製品の部品の一つとして多種多様な場面で使用されています。

2.種類

絞り加工の種類は、形状による分類6種絞り深さによる分類2種に分けることができます。

引用元:プレス、してますか?株式会社タケダ スタッフブログ

形状による分類

①円筒絞り加工

②角筒絞り加工

③異形絞り加工

④円錐絞り加工

⑤角錐絞り加工

⑥球頭絞り加工

絞り深さによる分類

①浅絞り加工

②深絞り加工


形状に関する分類のうち、③異形絞り加工は、自動車の車体パネルに使用されるような複雑な形状に成形するものです。

また、絞り深さによる分類では、仕上がった製品の直径に対して製品の深さの方が短いものを①浅絞り加工、長いものを②深絞り加工としています。

3.加工の仕組み

絞り加工では、成形したい形の凹みをもつ下側の金型(ダイ)と、そこに沈み込む上側の金型(パンチ)がペアになって、一枚の板に圧力を加え成形します。

流れとしては、まずシワ抑え板であるブランクホルダーがダイ上に板を押し付けた後、パンチが降下して板に圧力をかけます。そしてパンチの下端部の形状に従って板が変形し、ダイに空いた穴の内部に押し込まれていきます。更にパンチの降下が進むとブランクホルダーで抑えられていた周辺部がダイの穴の中へ引き込まれていき、成形が行われます。

金型・機械・加工条件などのバランスが整って初めて、シワや割れ、ひずみのない製品が生まれます。

引用元:工具の通販モノタロウ

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4.工程

ここで、円筒絞りの絞り加工を例に、その製作工程を解説していきます。

①ブランク直径Dを求める

まず、作りたい製品の形状を展開してブランク(板)の直径を求めます。ブランクを絞り形状にしますが、1回に絞れる径には限界があるため、最初に絞る「初絞り」の後に、「再絞り」が続くことを念頭に置きます。目的とする径に達したとき、形状を整える「リストライク工程」を要することも多いです。最後に絞ったフランジ(縁)のトリミングを行って完成になりますが、このトリミングによって削られる部分を考慮して、ブランク直径を計算します。

引用元:MiSUMi-VONA技術情報

このとき、ブランク展開式と呼ばれる式を利用します。

D=√(d`^2+4dh)

d`:フランジ直径 d:絞り部分の直径 h:絞り部分の高さ


トリミング代は、例えば円筒絞り加工をするときに円形ブランクから絞ったとしても、フランジの縁は変形して四角になります。トリミング代の明確な基準はありませんが、製品の大きさに比例するので、その分多めにフランジ直径を見積もります。

製品形状が複雑な場合は、形状を分割して面積計算して、その合計でブランク直径を決めることもあります。

②絞り回数を決める

求めたブランク直径から、何回で絞ることができるか決めます。絞り加工では1回に絞れる深さに限界があるため、目的の形状になるまで複数回繰り返します。また、繰り返すにつれ、材料は加工硬化して絞りづらくなっていきます。その上で、絞れる量を決める方法として、「絞り率」を使います。

絞り率(m)=絞り後の径÷絞り前の径


工程ごとの絞り率の目安は、

初絞り…m1=0.5~0.6

2絞り…m2=0.75~0.8

3絞り…M3=0.8~0.9

となっており、これを利用して、ブランク直径から何回で絞れるか決定します。

尚、これには、板厚の条件は考慮されていませんが、絞りの難易度を把握する方法として「相対板厚」があります。

相対板厚=板厚÷ブランク直径×100(%)


相対板厚が小さいほど絞りにくく、大きいものほど絞りやすくなります。

③パンチ径を決める

製品のパンチ、パンチ肩半径を元に、最後の絞りから初絞りへと順を追ってパンチ肩半径rを求めながらパンチRを決定します。

まず最終絞りのr1の中心位置と同じ線上にr2の中心をとり、円弧を描くように肩をとって最終絞りの一つ前のパンチR2を決めます。次に、R2の中心から外径までの距離を3~4等分し、r2の中心線上から1/3または1/4外側へずらした位置で、再び円弧を描くように肩をとってr3を求めながらR3を決定します。更に前工程がある場合は、初絞りまでこの操作を繰り返し、r、Rを求めます。

引用元:MiSUMi-VONA技術情報

④ダイ寸法とクリアランスを決める

絞り加工をすると、変形するときにブランクの縁が収縮し縁の板厚増加が生じます。このため、金型のクリアランス(隙間)は材料板厚より大きく設定し、板厚増加を考慮します。

一方、この板厚増加によって、絞り径の寸法精度が悪くなるため、厚くなった部分をしごいて均一にすることも行います。この場合、クリアランスは元の板厚より小さくなります。

このように、最初の工程ではクリアランスを大きくとり、無理なく加工できるようにした上で、最終工程に近づいた際にクリアランスを小さくし、側壁にしごき加工を加え、均一な厚さと寸法精度を確保します。

ダイ寸法は、各絞り過程のパンチ径にクリアランスの2倍(両側面分)を加えたもので求められます。

⑤ダイ肩半径を決める

ダイ肩半径r`は、初絞りから最終工程に向かって決めていきます。このとき用いるのが③で求めた初絞りのパンチ肩半径rです。初絞りのダイ肩半径は初絞りのパンチ肩半径よりも少し大きいか同じにします。また、初絞りのダイ肩半径r`は

4t<r`<20t    t:板厚

の範囲内になければいけません。

第2絞りのダイ肩半径は、初絞り時の100~60%の範囲で減少します。第3絞り以降も同様に減少していきます。

尚、フランジのある絞り形状の場合は、必要なダイ肩半径の大きさと、製品が求めるダイ肩半径の大きさが異なり、形状を整えるためのリストライク工程を要する場合があります。

⑥絞り高さを決める

形状にもよりますが、①でブランクを求めるために使用したブランク展開式h=の式になおして各工程で計算することで、各絞り工程での高さを知ることができます。

h=(D^2-d2^2)/4d1

D:ブランク直径  d2:フランジ直径  d1:各工程の絞り直径


⑦プレス機械の選定

まず、絞り加工力を下記の式から求めます。

P=K・n・d・t・Ts(kgf)

K:係数 n:円周率 d:絞り径 t:板厚 Ts:引っ張り強さ


Kは、絞り率が一定であれば、相対板厚が大きいほど小さくなり、反対に相対板厚が小さいほど大きくなります。(限界値1.0)

この絞り加工力とシワ抑え力が同時に出力できること、パンチに張り付いた成形品を引き剥がす逆方向の加圧力があること、金型取り付けのための寸法が確保されていること、等の条件を満たしている機械を選びます。

⑧絞り材料の選定

材料の特性には、「引っ張り強さ」「降伏点」「伸び」「硬さ」の4つがあります。この中でも、「伸び」は成形性を見る上で重要であると共に、以下紹介するr値(ランクフォード値)、n値(加工硬化係数)が絞り成形法と相関します。

r値…引き伸ばしたときに板厚方向よりも幅方向に縮みやすい材料であるかどうかを示す数値

(大きいほど絞りやすい)

n値…加工したり変形させたりすることで材料が硬くなる性質を表す値

(大きいほど硬くなる)


⑨潤滑油の選定

絞り加工中は、ブランクが高い面圧を受けながら金型の上を滑るため、潤滑油が必須です。潤滑油を使用することによって、摩擦や破断、焼き付き、金型のダメージを防ぐことができます。(※近年ではドライ絞り加工が行われる場合もあります)

使用するのは液圧潤滑油で、油性タイプと水性タイプの二種類があります。粘度、後工程での洗浄、冷却性など用途目的に応じて選定します。


以上、①~⑨の工程を経て、実加工に進みます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。この記事では、絞り加工の

1.用途

2.種類

3.加工の仕組み

4.工程

についてご紹介しました。

仕組みはシンプルですが、精度や品質の向上のため、細かな手順を踏んで成される加工だということがわかります。

絞り加工が、今後益々多くの方に求められ、多岐にわたる場面で活用される技術になることを願っています。


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