SGP管とは?規格・寸法・肉厚・種類・用途を解説

SGP管とは、蒸気、水(上水道用を除く)、油、ガス、空気などを比較的低い圧力で流すための「配管用炭素鋼鋼管」です。JIS G 3452で、材質、機械的性質、寸法、試験方法などが規定されています。
SGP管には亜鉛めっきのない黒管と、亜鉛めっきを施した白管があります。また、管端の状態はねじ付きとねじなしに分けられます。この記事では、SGP管の規格、外径・肉厚・重量、種類、用途に加え、STPG・STKM・SGPWとの選び分けを解説します。

SGP管とは?
SGPは「Steel Gas Pipe」に由来する記号で、規格名称は配管用炭素鋼鋼管(Carbon steel pipes for ordinary piping)です。一般配管向けに広く流通しており、JIS G 3452:2019では呼び径6A~500A、外径10.5~508.0mmが規定されています。
用途は、比較的低い圧力で使用する蒸気、水、油、ガス、空気などの配管です。ただし、JISの適用範囲から上水道用は除かれます。圧力配管には、設計条件に応じて後述するSTPGなどを検討します。
製管方法には鍛接と電気抵抗溶接があり、製造方法を表す記号として鍛接は「B」、電気抵抗溶接は「E」を用います。電縫管の製造方法は「電縫管(溶接管)とは?」でも解説しています。
SGP管の規格・外径・肉厚・重量
SGP管の寸法はJIS G 3452で規定されています。A呼称とB呼称は同じ管を示す呼び径であり、実際の外径そのものではありません。たとえば25A(1B)の外径は25mmではなく34.0mmです。
| 呼び径(A) | 呼び径(B) | 外径(mm) | 肉厚(mm) | 単位質量(kg/m) |
|---|---|---|---|---|
| 6A | 1/8B | 10.5 | 2.0 | 0.419 |
| 8A | 1/4B | 13.8 | 2.3 | 0.652 |
| 10A | 3/8B | 17.3 | 2.3 | 0.851 |
| 15A | 1/2B | 21.7 | 2.8 | 1.31 |
| 20A | 3/4B | 27.2 | 2.8 | 1.68 |
| 25A | 1B | 34.0 | 3.2 | 2.43 |
| 32A | 1 1/4B | 42.7 | 3.5 | 3.38 |
| 40A | 1 1/2B | 48.6 | 3.5 | 3.89 |
| 50A | 2B | 60.5 | 3.8 | 5.31 |
| 65A | 2 1/2B | 76.3 | 4.2 | 7.47 |
| 80A | 3B | 89.1 | 4.2 | 8.79 |
| 90A | 3 1/2B | 101.6 | 4.2 | 10.1 |
| 100A | 4B | 114.3 | 4.5 | 12.2 |
| 125A | 5B | 139.8 | 4.5 | 15.0 |
| 150A | 6B | 165.2 | 5.0 | 19.8 |
| 175A | 7B | 190.7 | 5.3 | 24.2 |
| 200A | 8B | 216.3 | 5.8 | 30.1 |
| 225A | 9B | 241.8 | 6.2 | 36.0 |
| 250A | 10B | 267.4 | 6.6 | 42.4 |
| 300A | 12B | 318.5 | 6.9 | 53.0 |
| 350A | 14B | 355.6 | 7.9 | 67.7 |
| 400A | 16B | 406.4 | 7.9 | 77.6 |
| 450A | 18B | 457.2 | 7.9 | 87.5 |
| 500A | 20B | 508.0 | 7.9 | 97.4 |
※単位質量は、鋼の密度を7.85g/cm³として計算した理論値で、ソケットと亜鉛めっきの質量を含みません。実際の製品には寸法許容差があり、メーカーの標準製造範囲や在庫範囲はJISの規定範囲と異なる場合があります。
出典:日本産業標準調査会 JIS検索(JIS G 3452:2019)、JFEスチール「配管用鋼管」
SGP管の種類|黒管と白管の違い
黒管と白管の違いは、亜鉛めっきの有無です。材質記号はどちらもSGPですが、耐食性と適する使用環境が異なります。
| 種類 | 表面 | 特徴 | 主な用途例 |
|---|---|---|---|
| 黒管 | 亜鉛めっきなし | 白管より安価。使用環境に応じて塗装や被覆などの防食対策を行う | 蒸気、油、ガス、空気、消火設備など |
| 白管 | 黒管の内外面に亜鉛めっき | 黒管より耐食性が高い。ただし、SGPでは亜鉛付着量を規定していない | 空調、排水、工業用水、消火設備など |
白管はSGPWと外観が似ていますが、同じ規格ではありません。また、黒管・白管とも上水道用には使用できません。給水用途では、使用条件と関係法令・仕様を確認し、用途に適合するライニング鋼管などを選定します。
ねじ付き・ねじなしの違い
「黒管/白管」は表面処理の違い、「ねじ付き/ねじなし」は管端形状の違いです。別の分類なので、黒管にも白管にもねじ付きとねじなしがあります。
| 管端 | 状態 | 主な接続方法 | 選ぶ際のポイント |
|---|---|---|---|
| ねじ付き | 管端に管用テーパねじを加工したもの | ねじ込み継手 | 現場で組立・分解しやすい。ねじ部のシールと防食処理が必要 |
| ねじなし | プレンエンド(切断端)またはベベルエンド(開先端) | 溶接、フランジ、ハウジング形継手など | 口径、気密性、施工性、継手の仕様に合わせて端部加工を指定する |
ねじ付き品ではJIS B 0203の管用テーパねじが使われます。ねじ付き・プレンエンド・ベベルエンドの製造可能範囲はメーカーによって異なるため、呼び径、長さ、表面処理と併せて発注時に確認してください。
SGP・STPG・STKM・SGPWの違い
外観が似ていても、各鋼管は規格の目的が異なります。圧力、温度、流体、構造用途、防食仕様を先に整理して選定します。
| 記号 | JIS規格 | 位置づけ | 寸法・強度の考え方 | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|
| SGP | JIS G 3452 | 比較的低い圧力の一般配管用 | 呼び径ごとに外径・肉厚が決まる。引張強さ290N/mm²以上 | 蒸気、水、油、ガス、空気など |
| STPG | JIS G 3454 | 圧力配管用炭素鋼鋼管 | STPG370・STPG410があり、肉厚はスケジュール番号で選ぶ | おおむね350℃以下の圧力配管 |
| STKM | JIS G 3445 | 機械構造用炭素鋼鋼管 | 鋼種、製法、仕上げ、寸法の選択肢が多い。配管規格ではない | 自動車・機械部品、家具、支柱など |
| SGPW | JIS G 3442 | 水配管用亜鉛めっき鋼管 | SGP黒管を原管とし、亜鉛付着量は平均600g/m²以上・最小550g/m²以上 | 上水道以外の空調、消火、排水、工業用水など |
低圧の一般配管ならSGP、圧力配管ならSTPG、流体配管ではなく機械部品ならSTKM、水系配管で厚い亜鉛めっきが必要ならSGPWが比較の出発点です。ただし、最終選定は設計圧力・設計温度・腐食環境・法令・設備仕様を基に行ってください。
STKMの鋼種や機械的性質は「STKM(機械構造用炭素鋼鋼管)とは?」で詳しく解説しています。
出典:日本産業標準調査会 JIS検索(JIS G 3442、G 3445、G 3452、G 3454)、JFEスチール「配管用」
SGP管の材質と機械的性質
JIS G 3452では、SGPの引張強さを290N/mm²以上と規定しています。化学成分は、りん(P)0.040%以下、硫黄(S)0.040%以下です。炭素量を一定値で規定した材料記号ではないため、材料選定や溶接施工では、必要に応じてミルシートで実際の化学成分を確認します。
| 種類の記号 | 引張強さ | P | S |
|---|---|---|---|
| SGP | 290N/mm²以上 | 0.040%以下 | 0.040%以下 |
出典:日本産業標準調査会 JIS検索(JIS G 3452:2019)
SGP管を選ぶときの確認事項
見積りや発注では、少なくとも次の条件を明確にします。
- 流体の種類、設計圧力、設計温度
- 呼び径(AまたはB)、長さ、本数
- 黒管または白管
- ねじ付き、プレンエンド、ベベルエンドなどの管端形状
- 接続方法と継手の規格
- 屋内・屋外・埋設などの腐食環境と防食仕様
- 適用法令、設備基準、顧客仕様
SGPは汎用性の高い鋼管ですが、圧力や温度が規格の用途を超える場合、上水道・給水に使用する場合、機械構造部品として寸法精度や強度が必要な場合には、別規格の鋼管を検討する必要があります。
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