2024-09-10
更新
染谷 ひとみ
Mitsuri Media管理人
精密板金加工工場のインサイドセールスとして加工と寸法の提案をしてきた経験を経て、製造業の知見と楽しさを提供している。 幼少期からモノの構造を理解するのが好き。JAPAN MENSA会員。
今回はSGPの基礎知識について解説します。
SGPは、配管用炭素鋼鋼管のことで、水やガスなどの配管に使われています。市場に多く出回っているもので、ホームセンターでも入手が可能です。
一口にSGPと言っても、めっきの有無で種類や用途も異なります。この記事ではSGPの各種類の特徴や、SGPの接続方法について見てみましょう。
SGPとは、鉄の丸パイプの1種で、「配管用炭素鋼鋼管(Carbon steel pipes for ordinary piping)」と呼ばれる鋼管のことです。SGPの名前は「Steel Gas Pipe」の略称を表しています。
SGPは、製管方法が電気抵抗溶接の場合「E」、鍛接の場合は「B」の記号が付きます。
仕上げ方法によっても、熱間仕上げの場合は「H」、冷間仕上げの場合は「C」、電気抵抗溶接の場合は「G」の記号が付きます。(例:熱間仕上電気抵抗溶接鋼管の場合、SPG-E-Hの表記)
配管用炭素鋼鋼管の主な用途は、JIS G 3452にて、「使用圧力の比較的低い蒸気、水(上水道用を除く)、油、ガス、空気などの配管に用いる」ものとして記載があります。
SGPに適用される寸法は、外径10.5~508.0mmです。
SGPは白管と黒管の2種類があります。ここでは白と黒の違いについて見てみましょう。
黒管のSGPは、表面処理がなく、外観が黒く見えるタイプです。主な用途は、蒸気配管・油配管・エアー配管などです。
白管のSGPは、耐食性を高めるために亜鉛めっきが施されており、パイプの外側と内側ともに白色になっています。主な用途は、工業用水配管・空調設備配管・衛生設備配管・消火用配管などです。
白管に似たものとして、水配管用のパイプである「SGPW(水配管用亜鉛めっき鋼管)」もあります。SGPWは、見た目こそSGPの白管と同じパイプになりますが、亜鉛めっきの付着量が平均600g/m2以上と、JIS G 3442で規定されています。
一方でSGPの白管は、亜鉛めっきの付着量に規定がありません。
ここでは、SGPの代表的な接続方法である、ねじ接合と溶接接合の方法について紹介します。
ねじ接合は、ねじ継手を使ったSGPの一般的な接続方法です。上図のようなねじ切り機によりパイプの両端をねじ加工し、ねじ継手を用いて接続します。
ただし、ねじ接続は加工と施工上の都合により、小口径管(65A程度まで)の配管で利用されています。
SGPは、溶接にて接合する場合もあります。
溶接接合は、口径の大きな管(65A~350A程度)や、強度が必要な場合、水密性・気密性などを要する場合に採用されます。溶接接合の方法にも種類があり、建築設備の施工ではガス溶接と被覆アーク溶接が一般的に利用されています。
SGPの機械的性質と、化学的性質については以下の通りです。
<SGPの引張強さ及び伸び>
※呼び径32A以下の管については、この表の伸びの規定は通用しないが、試験の結果を記録しておかなければならない。ただし、受渡当事者間の協定によって、伸びを規定してもよい。
<SGPの化学成分(単位:%)>
※必要に応じて上表に規定のない合金元素を添加してもよい。
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