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工程管理とは?目的・効果・方法・手順を徹底解説!

この記事を監修した人

染谷 ひとみ

Mitsuri Media管理人

精密板金加工工場のインサイドセールスとして加工と寸法の提案をしてきた経験を経て、製造業の知見と楽しさを提供している。 幼少期からモノの構造を理解するのが好き。JAPAN MENSA会員。

工程管理という言葉を知っている方も多いと思います。しかし、具体的に工程管理とは何か、実施方法や手順については詳しく知らない方も数多くいるのではないでしょうか。工程管理の基本概要だけではなく、適切な方法や進め方をしっかりと把握しておくことで、製造工程の効率化を図ることも可能です。
そこで今回は、工程管理の基本概要から目的や効果、方法・手順まで幅広く解説します。

工程管理の基本概要

はじめに工程管理の基本概要について、以下2点を解説します。

  • 工程管理とは何か?
  • 工程管理と生産管理の違い

それでは、1つずつ見ていきましょう。

工程管理とは何か?

工程管理とは、「工程」として分類化・体系化した製品の製造過程・工事などの作業に関して、進捗や実績を管理することを指します。
工程とは、製品を完成させるために必要な作業の手順・順番などのことです。始めに製造・生産計画を立て、各工程単位での進み具合や結果を管理していきます。
各工程の進捗・実績を管理することで、顧客と合意した納期を遵守でき、安定した品質で製品を製造することはもちろん、自社内でも作業工程を見直すことで、生産性向上につながるなどのメリットがあるでしょう。
工程管理によって、製品の製造などで発生する一つ一つの作業の内容と順番、成果などを管理していきます。

工程管理と生産管理の違い

次に、工程管理と生産管理との違いについて解説します。
工程管理と生産管理、どちらも製造過程の進捗をコントロールする、という視点では同じですが、目的や範囲、手順などが異なります。
工程管理では「製造すること」に重点を置き、製品の製造工程の進捗を管理していきます。全ての工程(素材の加工・配送・品質管理など)が対象です。コストをかけずに高品質な製品を指定期日までに提供できる、品質(Quality)・コスト(Cost)・納期(Delivery)(以下、QCD)に重点を置いています。
生産管理とは、製品の流れ全般についての長期的な管理を指します。製品をいつまでにどのような形で製造するのか、という生産計画に基づいた業務を管理することです。生産管理業務には、受注管理・生産計画・購買/調達・原価管理・工程管理・品質管理が含まれます。
そのため、工程管理は生産管理業務の一つに含まれます。


工程管理を行う5つの目的

次に工程管理を行う目的について、以下5点を解説します。

  • 納期を守る
  • 一定品質の確保
  • リードタイム短縮
  • 生産性向上
  • コストダウン

それでは、1つずつ見ていきましょう。

納期を守る

工程管理を行う目的の1つ目は、納期を守ることです。
製造業などは、製品を納期内に顧客へ納品し続けるために、工程の全体を見ることはもちろん、各工程で発生するタスクの詳細を把握して、遅延が起きないか一つ一つ見て管理していきます。問題が生じて工程が遅延しそうな際、工程管理をしっかりしておくことで、すぐに問題に気づき原因を特定して対処できるためです。
工程管理で各工程の進捗・実績を管理しておけば、問題発生の予防・問題発生時にも最小限の遅延に抑えることができ、納期を遵守することも可能でしょう。

一定品質の確保

工程管理を行う目的の2つ目は、一定品質の確保です。
製品の品質を一定に保つためには、各工程において作業内容や必要な担当員の人数などを細かく洗い出し、作業内容と流れを標準化することが大切です。
各工程を標準化して管理することができれば、製品の品質のバラツキも少なくなります。安定した品質の製品を顧客に届けることができるでしょう。
製造業などの製造工程において一定の品質を確保し続けるためには、工程管理が非常に大切といえます。

リードタイム短縮

工程管理を行う目的の3つ目は、リードタイム短縮です。
製造工程において、発注〜納品までにかかる期間・工数を短縮したい場合、工程管理が有効といえます。工程管理で全体像と現在の進捗状況を確認することで、各工程のどこに無駄があるのかを発見することができるためです。見つけた課題に対して対策を打ち、改善を重ねることでリードタイム短縮にもつながるでしょう。

生産性向上

工程管理を行う目的の4つ目は、生産性向上です。
各従業員や工程の生産性を向上するためには、工程管理が必要です。リードタイム短縮を実現して各工程にかかる作業員の工数をも短縮することができれば、一人一人の生産能力もアップすることでしょう。本来必要のない作業も見つけ出すことができるため、作業員の負担も減らせます。

コストダウン

工程管理を行う目的の5つ目は、コストダウンです。
工程管理を進めていくと、作業員にとって難易度の高すぎる作業や、製品の品質のバラツキ、また余計な作業などを見つけ出せます。各工程で発生するムリ・ムラ・ムダを省くことができれば、製造原価のコスト低減に努めることも可能になるでしょう。製造工程にかかる費用を抑えたい場合、工程管理が有効です。

工程管理を行うことで得られる効果

工程管理を行う目的を基に工程管理を行うことで、得られる効果について、以下3点を解説します。

  • 顧客からの信頼を得やすくなる
  • 課題の把握・解消がしやすくなる
  • 在庫を削減できる

それでは、1つずつ見ていきましょう。

顧客からの信頼を得やすくなる

1つ目の効果は、顧客からの信頼が得やすくなることです。

工程管理を実施することで、期日までに予定していた数の製品を完成させることができます。顧客と約束した納期を守ることができます。その上、一定の品質を担保した製品を提供できるため、顧客も満足することでしょう。
工程管理を行うことで、顧客の信頼を得やすくなります。

課題の把握・解消がしやすくなる

2つ目の効果は、課題の把握・解消がしやすくなることです。

たとえば、製造工程で遅れが生じてしまった場合、各工程のどこかに、課題が潜んでいることが考えられます。工程管理で作業工程を洗い出し、1つ1つの工程の進捗・実績を見ていけば、どの工程で何の問題が発生して遅れたのか、すぐに原因を特定することができるでしょう。また、原因を特定した後すぐに、何をどのように改善しなければならないかを立案でき、改善策を試して結果を確認することも容易です。
工程管理を行うことで課題発見に努め、問題解消につなげやすくなるのです。

在庫を削減できる

3つ目の効果は、在庫を削減できることです。

工程管理は、各工程の現状を隅々まで確認して無駄を見つけることができます。そのため、在庫量が適切かも判断することができ、在庫管理にも向いているでしょう。過剰生産の場合は在庫量を少なく変更し、在庫量が少なすぎる場合は増やすことでも対応します。
工程管理は、定めた生産量に沿って必要な原料・材料数を用意した上でスケジュール計画に沿って作業していくため、在庫削減にも貢献します。

工程管理を行う方法

工程管理はどのような方法で行うことができるのでしょうか。ここでは工程管理を行う主な方法について、以下3点を解説します。

  • 紙・ホワイトボード
  • Excel
  • ツール・システム

それでは、1つずつ見ていきましょう。

紙・ホワイトボード

工程管理を行う方法の1つ目は、紙・ホワイトボードです。

紙とホワイトボードに工程を洗い出していき、それぞれの進捗・実績を管理していきます。道具がそろっていればその場ですぐに始められる、というメリットもありますし、工場の壁などに工程管理表を貼ることで、作業員が作業中に進捗を意識しながら作業を進めることも可能です。作業しながらリアルタイムに記入することも可能なため、全体像と現在の状況が誰でもすぐにわかるでしょう。もし課題が発生した場合、その場ですぐに話し合い解決策を導くことも可能です。
少人数であれば紙・ホワイトボートの工程管理は非常に実行しやすいといえます。逆に、紙・ホワイトボードにまとめることができる情報量には限界があるため、大人数の工程管理には向いていないでしょう。

Excel

工程管理を行う方法の2つ目は、Excel(エクセル)です。

Excelは、多くのデータをわかりやすく可視化することができるツールです。プロジェクト管理で使われることも多いですが、工程管理に適したガントチャートも用意されているため、一から作成するよりも入力・更新の手間もかかりません。
また、Excelファイルをメールやオンラインストレージなどを使って共有することで、その場にいないメンバーにも簡単に情報共有ができる、という特徴もあります。
Excel関数などを利用すればデータ分析もできるため、蓄積したデータを企業の意思決定のシーンなどに活用することも容易にできます。

ツール・システム

工程管理を行う方法の3つ目は、ツール・システムです。

工程管理に特化した機能が搭載されている専用のツールや工程管理システムを導入することで、誰でも簡単に工程管理を進めることができます。
ネットワーク環境を通じてアクセスするため、複数の従業員がいつでも、どこからでも、入力・更新ができます。また、工程管理で扱うさまざまなデータを長期間保管できるため、データの一元管理にも向いています。
直感的な操作が可能な工程管理システム・ツールも提供されているため、年代問わず使えるのもポイントです。
ただし、セキュリティの面からも定期的なアップデートが必要になることや、ツールの利用方法を理解する必要があるため、運用開始後に手間がかかることがデメリットだといえます。

工程管理を行う手順

ここまで、工程管理の概要・目的・方法について説明しました。ここからは工程管理の代表的な手順として、PDCAサイクルを紹介します。

  • Plan
  • Do
  • Check
  • Action

1つずつ見ていきましょう。

Plan

1番目はPlan(計画)です。

Planでは、工程管理表を作成することをゴールとして計画を立てていきます。

期間内にどれくらいの数の製品を製造するのか、目標を定めて、必要となる原料や材料、工程の流れ、必要な作業者数などを細かく決めていきます。決定した事項は工程管理表に記載していきます。工程管理表の主な項目が完成したら、手順・各工程の予定期間など、スケジュール計画を入力していきます。
工程管理表は、一度作成したら終わりではありません。抜け漏れなく項目が記入されているか、各工程の順番やそれぞれの期間は現場作業に沿ったものか、現実的かを必ず確認しましょう。

Do

2番目は、Do(実行)です。

Planで作成した工程管理表に沿って、計画したことを実施していきます。実行を進めて進捗・結果を単純に見るだけでなく、工程管理表に沿った順番通りに進んでいるか、それぞれの工程の内容・担当者の人数は十分かどうかなど、課題がないか意識しながら進めることがポイントです。

Check

3番目は、Check(評価)です。

工程管理表に沿って活動した内容に対して、具体的な評価をしていきます。問題が見つかれば何が原因だったのかを突き詰めていきます。ただし、工程管理表の内容自体が不十分だったため問題が発生するということもあるので、注意が必要です。たとえば天気が変わって運搬が遅れたという場合、そもそも工程管理表で天気が変わった場合のパターンを想定していない、というケースがあります。工程管理表に沿ってDo(実行)した内容だけではなく、作成した工程管理表に原因がないかどうか、という視点も持って評価するようにしましょう。

Action

4番目は、Action(改善策の実行)です。

ここでは、Check(評価)で見つかった課題を改善していきます。たとえば、工程の順番を変える・作業員数を増やす・減らすなどの策があるでしょう。改善策を実行して結果が出ない場合は、もう一度(計画段階(Plan)から見直す必要があります。
PDCAは、結果に結びつくまでP→D→C→A→Pと、結果が出るまで一連のサイクルを繰り返すことが大切です。

まとめ

今回は、工程管理の基本概要・目的・効果・方法・手順について解説しました。
製品などを製造する上で、顧客との納期を守り品質を維持すること、リードタイム短縮や生産性向上・低コスト化に努めていくためには、各工程の進捗・実績を管理する工程管理が重要です。顧客満足度も高まるだけでなく、自社内のムリ・ムダ・ムラをなくせる、というメリットもあるでしょう。
工程管理にはいくつか方法がありますが、自社の人数や運用方法に合わせて適切な形を選択することがおすすめです。

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