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【インタビュー】株式会社フクムラ 福村社長

この記事を監修した人

小椋 学

(株)Catallaxy CFO

40代半ばからの金融業界からの転職。製造業について何も知らないところから、恥と汗をかいてもう4年。現場の職人芸や創意工夫に感嘆しながら、ITの力でそれらをサポートできないか日々奮闘。

カタラクシー小椋:

簡単に御社のご紹介をしていただけますか

福村社長:

足立地区にある精密板金加工の会社です。
初代社長がプレスで始めた会社なんですけれども、2代目がプレス業だけではなかなか食べていけないっていうことで、世の中の流れに乗って少量生産が対応できる板金加工っていうものに手を出しました。
プレスと板金の二刀流でやってたんですけれども、3代目の僕になって本格的にもうプレス事業からは撤退して、現在は精密板金、NC板金だけで生計を立てています。

カタラクシー小椋:

なるほど、ありがとうございます。ご家族での事業ということでしょうか?

福村社長:

初代は祖父なんですけど、家族以外の従業員も何人かいます。

カタラクシー小椋:

現在今何人ぐらい従業員いらっしゃるんですか?

福村社長:

職人が3人で検品・梱包・事務が2人で、派遣さんが1人なので計6人になります。
今求人かけてて職人さんを1人、あと1人検品梱包の方が高齢なのでその後任を今1人求人出してます。

カタラクシー小椋:

板金と言ってもいろんな種類あるとは思うんですけれども、得意な加工や分野があればお教えください。

福村社長:

初代がプレスっていうものから始めたので、数モノの弱電関係の製品を主に取り扱っていました。

2代目になってもその傾向は強くて、これはお客さんが一社しかおらずそこに依存していたということもあるのですが、7~8割の製品が弱電のカバーシャーシないし、ヒートシンク(放熱板)を制作していることが多かったです。2代目になって若干お客さんは増えたんですが、やっぱりその1社依存っていうのはずっと変わらずで。

3代目の僕が代表になる前、従業員として働いていたのですがこの「一社依存」っていうのがリスクがあるっていうことで、規模拡大で色々な取り組みをするようになりました。

今ではお客さんの業態は幅広くなりました。「安かろう悪かろうの金物」から脱皮して今では「すごく高単価な音響機器などのケース」なんかにも携わっています。実際、今お取引き先はおそらく90社弱ぐらいになるので、弊社ぐらいの数人でやってるような工場の中ではクライアントの数は多い方なのかなと、自負しています。

板金製品サンプル

カタラクシー小椋:

先代まで1社依存だったのが今は90社まで増えたのですね。

福村社長:

一社依存といっても一社から10割の売上ではありません。1社から7割、その他10社から3割くらいです。とはいえ売上順に3社並べたらそれだけで売上の9割いっちゃう、みたいな売上構成でした。

カタラクシー小椋:

それを今では90社にされて。

福村社長:

そうですね。今までの7割だった売上の会社さんもまだお取引はあるんですけど、全体の2~3割まで落とせてるので、リスクヘッジっていう部分でもだいぶできてきたのかなと思ってます。

カタラクシー小椋:

相対的にその依存してた一社の売上額が下がったのか、それとも全体のパイが大きくなったのかでいうとどちらですか?

福村社長:

両方ですね。

カタラクシー小椋:

素晴らしいですね。

福村社長:

昔お付き合いのあったお客様は僕が代表になってだいぶ整理させていただきました。その他の一社依存じゃない会社さんも昔プレスで何千何万個って作ってたものが、何十何百っていう数量で、単位の0が1個2個減るような数量になっちゃって。でも同じ単価でやってくれとかっていうお話も、やっぱり初代のおじいちゃんからのお付き合いがあったのでやっていた時期もありました。ただ、そういうお客様はだいぶ整理させていただいて、弊社側からお取引をお断りをしました。

カタラクシー小椋:

そこにはいろんな葛藤があったでしょうね。その先代・先々代からのお取引を解消するということであれば... そして新しく営業をかけて90社までに増やされたと。営業の手法は先代から引き継いだのですか?

福村社長:

先代の考えは注文書がFAXで来るのを待ち続けるっていう営業スタンスだったので、それは僕が社員として入社したときからずっと課題提起し続けて。先代とはバチバチやったものです。

先代は昔ながらの職人さんで「物を作る」っていうところで言えば超一流なんですけど、営業の仕方に関してはもうド素人。その時代僕がまだ20歳そこそこだったのですが20年前っていうのは「メールを打つこと=仕事をしてない、サボってる」っていう認識をされてしまうような雰囲気でした。僕はお客さんとパソコンの前でメールでやり取りしてると、「いやいや物を作れ、職人は物を作ってなんぼだろう」ていうことで叱られた時代なので、考え方が根本的に違いますよね、当時と。

カタラクシー小椋:

メールをしている時間が仕事時間ではない。そんな時代があったなんて…

福村社長:

先代は本当の頑固な職人さんだったので、工作機械の前にいるのが仕事っていう人でしたね。

カタラクシー小椋:

それシビア過ぎます。ちなみに先代はお父様ですか?

福村社長:

いや、叔父さんですね。母親の弟です。

カタラクシー小椋:

叔父さんであれば、バチバチやるにしてもちょっと気遣いますね。

福村社長:

いや、幼少の頃から叔父さんには遊んでもらっていたので、むしろ必要以上に言えてしまう状況でしたね。

カタラクシー小椋:

そんなもんなんですね。

福村社長:

僕、片親なんです。片親で母方の実家でずっと叔父さんに遊んでもらってた時代があるので、叔父さんがもうお父さんみたいなものなんですよ。なので、必要以上にきついワードなんかを言ってしまったりして、そういう経緯もあって、当時(一度会社から)出されてしまったんですけれども。

カタラクシー小椋:

ほぉ

福村社長:

フクムラで20歳から28歳まで8年間勤めて、その後「明日から来なくていい」っていう先代の一言で会社を退職して、4~5年間ぐらいサラリーマンをやっていました。ただサラリーマンって言っても、金属加工にはずっと携わってたので、同じような機械を使ったものづくりの職人さんに混じって仕事してました。

カタラクシー小椋:

その一度会社から出される原因になったのが、先ほどおっしゃったバチバチですか?

福村社長:

そうです。経営方針が違うとか、考え方の違いでした。僕もその頃は若かったので、少しでも会社を良くしてやろうと思ってました。まだ経営者にもなっていないのに色々経営に口を出してしまったのですよね。そこが先代は面白くなく…という感じでした。

しかしサラリーマンやってる中で急遽先代が亡くなるという不幸がありました。当時の従業員さんから「経営がなり行かないので戻ってきて欲しい」っていうことを言われて、数年前にまたフクムラに出戻りしてきたっていう経緯です。

カタラクシー小椋:

社長になられたのも急だったんですね。

福村社長:

そうなんです。先代が亡くなったのは、食事中に肉を詰まらせて... っていう本当に漫画のような原因で…

カタラクシー小椋:

それでお戻りになって、従業員の人心掌握や経営の数字の確認とか膨大なやることがあったんでしょうね、きっと。

福村社長:

うちの母(先代の姉)が経理等々やってたので、財務に関しては全然心配はなかったんです。ただ、やっぱり先代が現場に出れなくなって僕が戻るまでの間に、だいぶお客さんからはお叱りがありました。

「急にフクムラ品質が落ちたぞ」と。今まで作れてたものが作れませんということでだいぶお客さんからは絞られましたね。

カタラクシー小椋:

先代が品質を担保されていたからこそのお叱りですね。

福村社長:

先代は職人気質で人に教えるっていうものがあまり得意じゃなくて、「技術は見て盗め」っていう方なんです。従業員たちも先代が加工しているところは見てはいたんだけれども、細かいところが分からず、同じ品質を保てない状態でした。自社内で技術承継ができてなかったのが、当時は大きな課題でしたね。

カタラクシー小椋:

それは大変なご苦労をされましたね。福村さん自身は機械は触るんですか?

福村社長:

僕はそうですね、機械は毎日触ります。日中は機械を触って、就業時間後に見積もりなどの事務仕事とかをやるルーティンです。

カタラクシー小椋:

先代の技術はどれぐらいまでキャッチアップできていますか?

福村社長:

どうでしょう…?
先代とは考え方とか方向性が違うので、加工技術が追いついたとは思ってないんですけれども、いろんなマニュアルを整備することで品質の安定には繋がっています。先代は文書で残さないで手で覚えろ、頭に入れろ、それを見て盗めという人でしたから。

今は必ず工程サンプルを残すようにしています。10工程あったら10種類仕掛かったものを作って管理して、それを現物と書面で必ず残すようにしています。そんなの当たり前のことではあるんですけれども、そういうことがなかなかできてなかったところが解消できたので、品質の安定にはつながっています。

結果、製品の寸法に対するクレームっていうのはほぼゼロになりました。今いただくクレームってほとんど外観公差で、表面処理だったり塗装・めっきです。これは外部の協力工場さんに依存してるところがあるので、そういう部分のクレームはありますけれども、寸法が合ってないよっていうお叱りはなくなりましたね。

カタラクシー小椋:

なるほど。事業を継がれたのが何年前でしたっけ?

福村社長:

ええっと、僕が代表になったのは令和2年(2020年)

カタラクシー小椋:

令和2年になる前からフクムラに入ってらしたんですか?

福村社長:

そうです。先代は半年ほど植物人間状態で、一時的に母が共同代表になりました。その後叔父が亡くなって、母一人が代表となり2,3年経過して私が引き継ぎました。

令和2年(2020年)当時のお写真

カタラクシー小椋:

なるほど。事業を引き継がれて、品質管理の徹底など先代とは違った施策を打ってこられたわけですけれども、今のフクムラのアピールポイントをまとめますと、どういったことでしょうか?

福村社長:

うーん、アピールポイントって言われると難しいのですが。製造業って昔ながらの職人の世界から、いい機械さえ揃えればそれなりのモノが作れてしまうという装置産業となってしまったので技術力だけで差別化するのが難しい業界になりつつあるんです。

強いてアピールポイントをあげるとすると、同業が嫌がるお客さんをウェルカムで受け入れる、ってところですね。たとえば図面がなかったり、設計がまだ煮詰まってなくてその相談から乗ってあげなきゃいけなかったり、というお客さんです。

図面がなくても、設計が決まってなくてもウェルカム!と言っていたらお客様が増えていきました。

カタラクシー小椋:

先ほどおっしゃった90社もまたそういった営業手法で増やしていったと。

福村社長:

そうです。実際なので営業マンっていうのはうち置いてなくて、じゃあどうやって集客してるかっていうと、ホームページとお客さんからのご紹介です。

この2つだけで新規のお客様が獲得できています。今日も新規で案件が決まりましたし、ついさっきメールを何度かやり取りしただけで「もうじゃあ物作っちゃってください」っていう。それもやっぱり簡単なポンチ絵を書いたお客さんだったんです。年間で新規取引先10社以上は特別な営業活動をしてなくても増えてはいますね。

とはいえスポットで終わってしまうお客様も多いので、リピートになってもらったり金額が大きくなるお客さんというのは新規で獲得したお客様のうち1,2割となってしまうんですが。

でも数字的には満足しています。

カタラクシー小椋:

フクムラのウェブサイトに「図面がないお客様歓迎」みたいなことが書かれているんですか?

福村社長:

そうです。えっと「ラフスケッチ図面なし」「現物支給」「現物で現調(寸法を拾い出してから制作まで)」っていう形でも作ることはあります。

https://fukumura.info/

カタラクシー小椋:

なるほど、他の工場さんは図面なし、現物現調は嫌やがられるんですね。

福村社長:

その傾向にあると思います。手離れが悪いですから。図面があってCADデータがあって... それを作るだけの方がはるかに短い時間で済みます。

カタラクシー小椋:

ポンチ絵だけもらっても仕事にならないこともありますもんね。

福村社長:

そうです。実際弊社で作れない形状だったりとか、もしくはプレスで金型を起こさないと作れない形状もあります。
しかし大体ラフスケッチとかそういう手書きのお客様っていうのは、設計にこだわりがないので、「使用用途を満たしてればいい」っていうケースが大半なんですね。
そうすると、もう当初の設計をまるっと変えちゃってお客さんの使用用途は満たしつつ、弊社の工作機械でできる製品に変えちゃいます。

カタラクシー小椋:

なるほど。ではモノ作りコンサルみたいなものですね。

福村社長:

よく言えばコンサル(笑)

カタラクシー小椋:

何が必要なのかを見極めて、その必要なものを満たす別のものを作っちゃうということですね。

福村社長:

ですね。

カタラクシー小椋:

今後もそういった体制で営業する?

福村社長:

当面はそれでいいと思ってます。

カタラクシー小椋:

なるほど。それが御社の強みということで、逆に弱みはありますか?

福村社長:

弱みっていうのが、やっぱり小さい会社なので機械導入頻度がかなり遅れるんです。この業界の工作機械は大体安いものでも2、3千万…下手すると1億ぐらいしますので。会社の年商規模以上の機械がゴロゴロあるので、そういった場合は補助金を利用させていただいて機械を購入するんです。弊社の大きい機械はやっぱり古い機械も多くて、特に古い機械がベンダー(曲げ加工機械)です。

ブランク加工のタレパン・レーザーの製品で完了するものは、比較的同業他社さんのものとクオリティ的に遜色ないものが仕上げられるんですが、ベンダー(曲げ加工)が入ると著しく外観公差が落ちてしまいます。

金型も劣化していますし、機械自体も古いので、段取りコストがかかるんですよ。小さいものだとさほど変わらないんですが、これが長尺物と呼ばれる2000mmとか長いものになると、左右と真ん中で、角度や寸法が揃わなくなるんですよ。

新しい機械だと、機械がそれを認識して自動で補正して左右真ん中がピタッと合うよう直してくれるんですけども、古い機械だと紙を入れたりとか楔(くさび)を叩いて人力で調整する必要があります。それは材料のロットが変わるごとに発生するので、長尺物の図面をいっぱいもらうと、段取りだけで時間がかかってしまうのが弱みなんです。

カタラクシー小椋:

なるほど

福村社長:

ただ最近、補助金の申請で採択されたとの結果が出まして、それで新しいベンダーを導入することを決めました。古い機械と新しい機械の混合で、品質にばらつきが出るっていう部分の弱みは改善できそうです。

カタラクシー小椋:

補助金で新しい機械を購入されて段取り時間が少なくなり、その結果外観公差、品質に一定感が出てくるだろうということですね。

福村社長:

はい!

カタラクシー小椋:

長尺物でも引き続き対応はできると。

福村社長:

はい、対応いたします

カタラクシー小椋:

補助金のお話が出ましたけれども、我々もいろんなところで補助金のお話を聞くんですが、福村さんはどういった補助金を申請されて採択されたんですか?

福村社長:

東京都の「第6回 躍進的な事業推進のための設備投資支援事業~機械設備・ソフトウェアを導入して生産性向上・競争力を強化しよう!~」です。
去年は革新的なとかだったんですよ、ちょっとずつ名前が変わってます(笑)

カタラクシー小椋:

それはその機械の購入に適用される補助金なんですか?

福村社長:

そうですね。基本的に設備投資なので機械に関するものになります。

カタラクシー小椋:

どなたか行政書士の先生とかに依頼して申請されたのですか?それともご自身でやられたんですか?

福村社長:

いつもは僕個人でやるんですけど、今回ちょっと大型の補助金で難しいっていうこともあったので、付き合いのある銀行に紹介してもらった先生と一緒にやりました。

カタラクシー小椋:

銀行が紹介してくれるんですね。銀行にも補助金のプロみたいな方がいるらしいですね。

福村社長:

そうです。申請のサポートしてくれるのを専門にしている中小企業診断士の先生っていう方たちです。

カタラクシー小椋:

じゃあ、銀行に聞けばそういった補助金があるよ、っていうのを教えてくれるかもってことですね。

福村社長:

おっしゃる通りです。ただ僕も1回相談したんですけど、流行りの”もの補助(ものづくり補助金)”とか“事業再構築補助金”はかなり手厚くサポートや色々アドバイスくれるんですけど、”躍進的補助金“が流行り出したのが最近で、未だ銀行さんたちが追いつけてないそうです。
なので今年の4月からやっと「躍進的の方のサポートも手伝えるようにしていきたい」みたいな感じで言ってました。

カタラクシー小椋:

銀行にとってはまだ経験がないから、第1号なのか第2号なのかみたいな感じですよね。ちなみにフクムラさんの場合、どの辺が躍進的だと認められたんですか?

福村社長:

「今まで参入の壁があった業態に入り込むよ」「生産性が上がるよ」というところです。
他社との比較項目が5項目あって、「現状のうちの強みは1項目だけだけれども、機械入れ替えれば残りの4項目も全部◎になります」みたいな書き方をしました。

そして「これから伸びる産業からも受注は確定していているので、業界にもっと入り込んで売上を伸ばすために機械導入をしたい」っていう点からもアピールしました。

ストーリーは「これまでの欠点なくします」「新しい業界に貢献できます」さらにその上で「従業員の賃金も上げます」だから補助してねっていう形で申請しました。

カタラクシー小椋:

採択されて良かったですね、おめでとうございます!

福村社長:

ありがとうございます!

古い機械を撤去し、新しい機械を搬入
新しい機械(ベンダー)の設置が完了!

カタラクシー小椋:

分かりました。じゃあちょっと御社のことを聞いたので、次は弊社のお話をさせていただきたいと思うんですけれども。

福村社長:

はい

カタラクシー小椋:

弊社とのお付き合いってけっこう長いですよね

福村社長:

カタラクシーさんが立ち上がってすぐにお声かけいただいてます。

カタラクシー小椋:

そうですか。もう7、8年みたいな話になりますかね。

福村社長:

多分当時の御社の営業担当者が外を走り回ってる時代ですね。

カタラクシー小椋:

昨年の9月からまたMitsuriは大きくリニューアルしたんですけれども、そちらはもう使っていただいてますよね。

福村社長:

はい、拝見はしています。

カタラクシー小椋:

どうですか?新しいMitsuriに対してご意見あれば教えてください。

福村社長:

正直申し上げると、自社に合う案件数が少ないな、というのは感じています。

カタラクシー小椋:

なるほど。

福村社長:

弊社は板金屋なので板金加工で絞って探すじゃないですか。案件自体は毎日たくさん上がっているようなのですが、加工方法=板金で絞ってしまうとギュっと案件減っちゃうんですよね。なので自分に合う案件がたくさんあれば、いいなってとこですね。

カタラクシー小椋:

なるほど。Mitsuriの中で加工依頼案件のなかでいうと、業種業態で御社にハマるみたいなのはありますか?

福村社長:

業種ですか… 業種でいうと半導体関係のを使ったメーカーさんですね。要するに弱電ですけど、基盤を使ったものです。元々うちがお客さんに「何やってる会社ですか」と聞かれると「箱屋さんです」っていう説明をさせていただくんですね。

カタラクシー小椋:

箱屋さん。

福村社長:

はい。なので筐体・カバーシャーシって言われるものを作るのが主なので、そういうケースを使う業態のお客さんをMitsuriで見つけたいと思っています。

カタラクシー小椋:

うんうん

福村社長:

半導体と言いましたが、鉄板で箱状のものが必要であれば特に業界は問わないです。PC周辺機器や音響のケースなんかも筐体が必要ですから、そういったものをイメージしてもらえれば。

カタラクシー小椋:

分かりました。じゃあ我々もそういったところにちょっとアピールしていって、フクムラさんの作れるようなお客さんを見つけてくればいいですね。

福村社長:

そうですね。

カタラクシー小椋:

ご紹介して、直接発注の方とやり取りをしていただいて、最初のお取引のみ成約額の10%、それ以降はナシという料金体系でやっておりますけれども、これについてはどう思われますか?

福村社長:

親切設計でいいと思います。元々Mitsuriさんとお取引が始まったとき(7-8年前)は初回以降も毎度の成功報酬であったり、あるいは月極であったりと紆余曲折あったかと思います。けれど、どういう結果が出てくるか見えないものに先行投資はしたくないですよね。今でもやっぱりお客さん紹介しますよっていう業態の営業の電話とかあるんですけど、大抵がやっぱり月極めだったり前金制だったり何年契約で、っていう、お金を生むかもわからないのに先行投資が発生する業者が多いです。

そういう中では、やっぱり明確にお金が発生した時に、売上が立った時にお金を支払うっていうシステムは、僕としては納得感は高いです。

カタラクシー小椋:

なるほど。今のMitsuriの課金体系を気に入っていただけて良かったです。ちなみに今までそういった月額課金みたいなのものにもチャレンジされたのですか?

福村社長:

いや、1回もしたことないです。

カタラクシー小椋:

ははは(笑) 
そういう意味では顧客獲得のコストは割と意識されたりしてるんですか?

福村社長:

いや、お金かけての営業活動してないので、そういう意味では全然コスト感っていうのは全く疎いと思います。

カタラクシー小椋:

我々としても今10%っていうのが、フクムラさんのような工場側にとって顧客獲得コストが見合うかどうかみたいなところ意識はしています。
そこは先ほどお話しいただいたように、ウェブサイトや紹介で毎年10社増えてるっていうお話でしたので、そこまで頑張って新しいお客さんを発掘しなきゃいけないっていうニーズもないということですね。

福村社長:

そうなんですよね、慌ててはいないので。どちらかというと今そのお仕事いっぱいいただくっていうよりは閑散繁忙の波がどうしても多いので、閑散な時に補填できるような業者さんを見つけたいと思ってます。

カタラクシー小椋:

なるほど、御社で言うと閑散繫忙はどういった波なんですか?

福村社長:

もう時期は関係なく、毎年決算前とかも関係ないです。
感覚的に言うと、寒くなると暇になる傾向はあると思いますけど(笑)
その程度で、逆に夏だからとか、この時期はっていうのは毎年毎年変わってます。

カタラクシー小椋:

90社もいらっしゃれば、いろんなお客さんのニーズに平均的に答えているわけですから、あまり季節性みたいなのもないってことですね。
ではMitsuriで閑散繁忙みたいなのを表示できるといいですね。「今暇です」「今忙しですい・見積もり戻せません」なんかあるといいですね。(2024年7月時点で繁忙期カレンダーを実装しています。)

ちょっと機能の話が出たんですけども、こういった機能がMitsuriにあればいいな、とあったりしますか?

福村社長:

どうでしょう…今は全然気にならないですけど、7-8年前の立ち上げ当初はいっぱいあったんですよ。
いっぱいありすぎて、全部それ報告してましたもん、こうしようよ、ああしようよ、とか。その中で今でも名残りありますよ。

カタラクシー小椋:

ほぉ、ちなみにどういったものですか?

福村社長:

「アルミ/AL(工場おまかせ)」「鉄/SS(工場おまかせ)」といった、工場おまかせがありませんでした?あれ僕の提案なんですよ。
お客さんからアルミの指示があるけど、アルミで作ってって言われても、じゃあA5052なのかジュラルミンなのか分からない、でもわざわざヒアリングするのも手間だしっていう話をしてて、「じゃあなんて書いたらいいですかね」っていう話をされて。

そこで僕は「工場にあるアルミで何でもいいよ、ステンレスでも何でもいいよ」みたいのって書いてくれれば、その余ってる余剰材で見積もり出せるから、価格にもいい意味で反映されるしいいんじゃないのってアドバイスしたんです。

詳しい材料は工場おまかせで依頼

カタラクシー小椋:

なるほど、それはありがとうございます!そんなアドバイスをしていただいたんですね。他に機能面の改善とか、ご希望ありますか?

福村社長:

システムが変わりすぎる(笑)有償になったり無償になったりとか色々迷走してたじゃないですか。

カタラクシー小椋:

迷走してましたね。はい、でももう当分変わらないと思います。

福村社長:

助かります、今のMitsuriは料金体系も含めてすごく気に入ってるので変わらずにいてくれると助かります。

カタラクシー小椋:

我々もスタートアップですので、いろんなトライアルアンドエラーをしてしまい、それがお客様にご迷惑をおかけしてるとは思うんですけも、弊社も毎月100社ずつぐらい登録が増えていっているので、以前よりはお客様に受け入れられているのかなという風に感じています。

福村社長:

今後も、期待してます!

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