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【六角穴加工】加工方法ごとの特徴を解説

金属加工 | 2021年09月17日

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六角穴と言われると、ほとんどの方が六角形の穴があいたネジを想像しますよね。自転車から椅子や机、棚まで、さまざまなモノを組み立てるのに欠かせないネジ。どうやって正確に六角形の穴をあけているか知っていますか?

六角形の穴を開けるためには「六角穴加工」と呼ばれる金属加工技術を必要とします。これは、六角形の穴を開けるだけのシンプルな加工ですが、さまざまな方法があります。やり方によって「量産できる」「コストが安い」など、加工方法によって異なるメリット、デメリットがあるため、素材や加工条件などによって使い分けられています。

今回は、六角穴をどうやって開けているのか、どんな場合に向いているのかなどをご紹介していきます。

プレス加工による六角穴加工

プレス加工は最もシンプルな六角穴加工。あらかじめ丸い下穴を開けておき、上から金型で強い圧力をかけることによって円形の穴を六角形に拡張する加工法です。下穴を開けた上でプレスするため、ふたつの工程が必要になりますが、作業自体は単純で、大量生産に向いています。専用の型枠を制作するような規格外の対応や少量の生産には、コストがかさんでしまうため向いていません。

プレスした際、削り取った部分が六角穴の底に溜まるため、下穴を少し余分に彫っておく必要があります。また、荷重をかけて穴を整形するため、素材の硬さや荷重のかかり方によって形が崩れてしまうことがあります。

旋盤による六角穴加工

旋盤による六角穴加工は、回転する旋盤に刃物を当てると円形ではなく六角形の穴ができあがるため、不思議な現象のように見えますが、きちんとした理論に基づいて切削されています。

まず、約1度傾いた状態で刃物を押し当てることでドリルの1ヵ所しか金属に接しないようにします。その上で、旋盤にドリルの回転数を合わせ、それぞれの角を1ヵ所ずつ順番に削っていきます。

プレスでは困難とされる条件でも加工できることと、刃物を交換すれば寸法の異なる六角穴を作ることができるメリットがあります。精度が高く短納期で加工ができる反面、複雑な要求には対応が難しく、量産には向いていないというデメリットもあります。

ブローチツールによる六角穴加工

ブローチ加工は、ブローチと呼ばれる刃物を引き抜き、ボルトを貫通させることによって穴を六角形に整形する加工法です。貫通穴専用のため用いられるシーンは限定されますが、精度が高く短時間で加工ができ、量産に適しています。

1つひとつの加工時間は短いですが、製品に対して専用の刃物を制作する必要があるため、短納期の対応が難しいです。また、ブローチが制作できる限界のサイズより小さい穴の加工はできません。

シェーパー加工による六角穴加工

シェーパーの六角穴加工は、一般的に旋盤で円形の下穴加工を行った後、旋盤の回転を停止させた状態で120度のホームベース型の刃物を使い、六角形の角を1つずつ突き加工で整形していきます。プレス加工と違い、下穴の深さに対して六角穴の有効深さがギリギリまで取れるメリットがあります。また、専用の型枠や刃物を使用しないため、寸法の異なる六角穴でも、刃物を取り替えることで比較的容易に作成できます。

スロッター盤による六角穴加工

下穴を開けた被加工素材に対し、六角穴の一辺の形状をした刃物を垂直に押し当て、円形から六角形へと加工していきます。一辺が終わると60度回転させて次の辺、その次の辺と繰り返します。精密性を要求される六角穴の加工に適しており、正確でキレイな仕上がりになります。

下穴に入るサイズであれば加工が可能なため、寸法の異なる穴でも比較的柔軟に対応できるほか、プレス加工では難しい大きいサイズにも対応が可能。ただし、加工には一定の時間を必要とするため大量生産には向いていません。

放電加工による六角穴加工

放電加工では、被加工物に対し高電圧の放電を行い、金属を溶かしながら加工していきます。電気を通す金属であれば加工が可能で、刃物では加工が難しい超高合金をはじめ、硬い金属への加工に適しています。

素材を溶かしながら加工するため、表面はあまりキレイな仕上がりとはいきません。さらに、1つの加工に対してかなり時間がかかるため、かなり高単価な商品になります。しかし、精度が高く、他の加工法ではお手上げでも、放電加工であれば要求を満たすことができる場合があるため、特定の条件下で必要とされる加工法です。

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