大石 裕明
製造業DX推進担当
プログラマー。スタートアップから大企業までDXの相談に乗り続けて早10年。好きなものは「日々哲学してそうな人」。苦手なものは「それっぽいことを言うだけで何もしないコンサルタント」。株式会社Catallaxy代表取締役。
近年、日本中の工場で“人手不足”が深刻化。
常時の採用活動に追われているメーカーも多い状況です。
この記事では、日本の製造業界が人手不足に陥る、
を提示いたします。
記事に記載している内容を実践して頂くことで、工場への求人応募者を数倍に跳ね上げることも決して不可能ではない でしょう。
日本の工場が人手不足になってしまう根本的な原因は、ザックリ言うと3つ。
①東日本大震災の復興需要・東京オリンピックの建設需要
②労働者人口の減少
③製造業に対するイメージの悪化
それぞれ説明してゆきます。
震災やオリンピックの影響で、とりわけ東日本の製造業は需要が多い状況。
しかし需要が増えているにも関わらず、従業員数がそのままであれば、当然ながら人手不足に陥ってしまいます。
工場の経営者の立場からしても、東京オリンピック後には景気が落ち込むと考えられるため、あまり好条件・好待遇で求人を出せないという事情があるでしょう。
少子化に伴い、労働者人工も減少しています。さらに現在は、かつてないほどの東京一極集中。
地方で育った若者が、東京での就業を希望することも多いため、地方の工場が人材を確保するのは非常に困難です。
おそらく製造業界におけるイメージ悪化が、人手不足の最大要因でしょう。
高度経済成長期の製造業は“花形の職業”でしたが、現在における製造業のイメージはそれほど高くないというのが実情。
製造業のイメージがこの数十年の間に、じわじわと下がってしまった理由を時代背景を踏まえた上で簡単にまとめると、以下のようになります。
1.バブル崩壊後、大規模リストラと海外への製造拠点移動
2.海外メーカーとの争いと技術者のモチベーション低下
3.日本の製造メーカーも価格競争に巻き込まれることになった
4.待遇を良くしないと求職者が来ない
特別優れたマーケティング戦略を立てなくても、バブル時代の製造業は製品を簡単に売ることができました。
しかしバブル崩壊後はモノが売れない時代に突入。
製造業界に“冬の時代”が到来し、以前まで気にかけてなかった経費の大幅削減を余儀なくすることに。
さらに日本人の賃金が上昇。国内生産したものを販売する際、海外製品に“価格負け”するようになりました。
その結果、大手製造メーカーの多くは中国や東南アジアへ製造拠点を移すことに。
幸いなことに海外で製造した製品であっても、日本の製造メーカーがしっかりと管理していれば、
・一定の品質
・手頃な価格
を実現できました。
しかし海外へ製造拠点が移ったことで、国内の工場では、
・生産ラインの停止
・工場の閉鎖
といった大規模リストラが起こることに。
バブル崩壊後の製造不況に畳みかけるように、日本人の雇用が奪われてゆきました。
このようにして、日本の“古き良き製造業”は終焉を遂げたのです。
日本の製造業が行った采配、
・リストラ
・海外生産
の影響で業績が回復。
ただし物が売れない状況は変わっておらず、ここにきてリストラの影響がジワジワと現れることに。
技術者は“売れるモノ”しか作らせてもらえず、モチベーションが低下。凡庸なアイデアしか出せなくなったのです。
かつての電機メーカーは、斬新な発想が受けて大ヒットした商品も多かったのですが、経営効率化の影響で遊び心を失ってしまいました。
また海外の工場からも人材が流出。外資メーカーとして、日本企業のノウハウがそのまま転用される問題も出てきました。
やはり現地の従業員からすれば、「日本メーカーは、我々の国で労働力をピンハネして作った製品を世界中で売っている」と解釈してしまうのも無理のないことです。
バブル崩壊後の日本の大手製造業の戦略は、国内の経済だけでなく、海外の従業員をも疲弊させてしまったのです。
日本の製造業は今まで、高品質の製品を高すぎない価格で売れたことが生命線でした。
しかし近年の“検査値の改ざん問題”などから『日本の製品=高品質』という、長年疑うことすらしなかった“絶対的な方程式”が崩れ去ろうとしている現状があります。
“検査値の改ざん”が世界的に報じらた以上、今後はより激しい価格競争の流れになるでしょう。
そのような状況に陥ることに薄々気づいている人は多かったものの、根本的な打開策を提示しないままに進んでしまったため、現在の日本の製造業は厳しい状態にあります。
労働人口が減少している現在、求職者は仕事を選び放題。求職者側の立場が強い“売り手市場”の状態です。
今後の展望としては、好待遇を用意できない工場は採用活動を行ったところで、ほとんど応募者が集まらなくなるでしょう。
【優秀な人材を募集したくても待遇を用意できず、人材が集まらないために業績が伸び悩み、待遇も改善しない】といった“負の循環”に入ってしまっているメーカーも多々。
さらに人材が見つかったとしても、一人前になるまでに長期間を要する業界だという問題もあります。
人材が一人前になる前に、待遇の悪さが原因で転職されてしまうことも日常茶判事。高待遇を維持するには、十分な利益をあげなければなりません。しかし、そのために長時間労働を従業員に強いた場合は、インターネットで“ブラック企業”の評判が広がり、採用応募者が大幅に減ってしまいます。
工場における人手不足の本質は、やはり“若者が抱く不安”にあると言えます。
工場で働くことに対するネガティブなイメージを列挙すると、
①3K(きつい・汚い・危険)な印象
②給料が安そう
③休日が少なそう
④学ばないといけない専門知識も多そう
⑤上司や先輩が怖そう
⑥根性論がまかり通ってそう
⑦社会的ステータスが低そう
⑧異性にモテなさそう
などが挙げられます。
しかしこれらは、あくまでも“単なるイメージ”。
上記8点のネガティブなイメージに全く当てはまらない工場が存在するのも事実。
工場に対する印象がポジティブなものに変われば、人材不足の問題はガラッと改善するはずです。
イメージアップ戦略によって人手不足問題を解決するにあたり、求職者への十分なアピールが大事。
政府の「ものづくり白書」においても、【ものづくり人材の確保と育成】をモノづくり産業の大きな課題として挙げてます。
その課題の打開策として政府は、
①「専門的な技術を学べるポリテクカレッジ(職業能力開発大学校/職業能力開発短期大学校)のカリキュラム見直し」
②「ものづくりマイスターと連携したモノづくりの魅力を発信するイベントの実施」
③「女性技術者の育成」(※)
などを挙げています。
(※)モノづくり業界への女性進出
“男くさい”印象を持たれがちな製造業ですが、近年は「理系女子(リケジョ)」が積極的に支援されてます。
中部経済産業局は、ものづくり女子の活躍応援サイトを運営。製造業に携わる女性のPR活動を行ってます。
工場の人手不足問題を解決するにあたり、若者の工場に対するイメージアップを推し進めることが重要。
要するに、工場に対するイメージを、
①3K(きつい・汚い・危険)とは無縁
②給料は意外と高い
③休日は意外と多い
④専門知識をしっかり学ぶと大企業以上にキャリアが安定 する
⑤上司や先輩は優しくてイイ人
⑥根性論ではなく、無理なく効果的な育成プラン でレベルアップできる
⑦社会的ステータスが高い
⑧実は異性にものすごくモテる
といった風に、ポジティブなものに変えてゆく必要があります。
上記8つの素晴らしいイメージを若い人たちに伝えるために、
「何をするべきか?」
という疑問に対する回答は様々ですが、【積極的にメディアに露出】するのも得策と言えます。
我々“Mitsuri”をはじめ、工場の魅力を最大限アピールするWebメディア がいくつか存在します。
それらのWebメディアでは、アナタの工場の魅力を大量の求職者に向けて無料で効果的に宣伝できるのはもちろんのこと、競合する工場の魅力を分析する際にも役立ちます。
Webメディアを積極的に活用することは、工場の人手不足問題の解決 に向けた“大きく確実な一歩”と言えるでしょう。
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