2025-01-15
更新
今回はカプラの基礎知識について解説します。カプラは気体や液体などの配管に使用されており、確実かつ簡単に配管の接続や分離が行えるものです。
工場では配管を通して空気や水、油などの流体を用い、機械を動かします。流体は配管がしっかりと接続されていないと漏れてしまいますが、カプラを用いることで手間なくしっかりと接続を行えます。
カプラとは、空気や油などの配管を素早く着脱するための継手・コネクターのことを指します。カプラの名称以外にも「カップリング」、「クイックジョイント」、「カチット」などと呼ぶ人もいます。
カプラは対となるソケットとプラグをはめ込むと、しっかりとロックされ、中にあるバルブが自動的に開く仕組みです。そのため、ソケットとプラグを接続した状態だと流体が流れ、ロックを外して切り離すとバルブが閉じて流体が止まるようになっています。
カプラは代表的な例として、エアーコンプレッサー本体のエアー吐出口に使用されています。スプレーガンなどのエアーツール側のプラグと繋ぎ合わせ、コンプレッサーからエアーを得ることができます。
そのほかにも、水や油が流れる配管や医療用機械などのさまざまな用途で採用されています。
カプラにはオスとメスの2種類があります。差し込む側のカプラがオス、差し込まれる側のカプラをメスと呼びます。
オスのカプラはプラグ(Plug)とも呼び、アルファベットの「P」と表示されています。一方メスのカプラはソケット(Socket)とも呼ぶことから、アルファベットの「S」と表示されています。
カプラのオスとメスは対になっており、機械側のカプラとエアー供給側のカプラが同じタイプのものでないと使用できない場合があるので注意が必要です。
カプラにはねじを搭載したものがあります。この場合、オスのカプラは「おねじ」、メスのカプラには「めねじ」がそれぞれ搭載されています。
おねじを搭載したカプラはメール(Male)という意味から「M」のアルファベットで表示されます。めねじを搭載したカプラはフィメール(Female)という意味から「F」のアルファベットで表示されています。
例を挙げると、「PM」と表示されたカプラは、プラグ(P)とメール(M)を表示しているため、プラグ側のおねじを意味します。
カプラはパッキン付きのものがあります。パッキンを搭載したカプラは、ジョイント部分から流体が漏れないように密閉性を高めることができます。
パッキン付きのカプラは「F」のアルファベットが表示されています。例えば「PFF」という表示がされたものは、カプラのオスにめねじとパッキンが搭載されていることを意味します。
カプラのサイズは一般的に2分(ニブ)や3分(サンブ)といった呼び方をします。〇分に入る数値はインチ表記した際、分母の8に固定したときの値が入ります。(例:3/8インチ→3分、1/4インチ→2分)サイズが8分のときはインチと呼びます。
カプラの材質は、鋼鉄・真鍮・ステンレスがあります。使用流体に対するカプラの適応材質は以下を参考にしてみてください。
<使用流体と適応材質の一例>
〇:使用可能/×:使用不可/△:使用条件によって制限
カプラには平行ねじ(ストレートねじ)とテーパねじがあります。それぞれの形状を見てみると、上図左のテーパねじは根本にいくほど太くなっており、上図右の平行ねじは先端から根本にかけて平行なのが特徴です。
テーパねじは、対応するめねじに締め付けると隙間が少なくなり、シール材と併用することでシールできます。テーパねじは、主にシール材と併用して、普段は取り外しを行わない箇所に使用します。
平行ねじは、対応するめねじも平行になっていて、シールするにはガスケットを用います。平行ねじは、主にガスケットなどで漏れを防ぎ、取り外しが頻繁に行われる箇所で使われています。
管用平行ねじと管用テーパねじの表示および規格は以下の通りです。
管用平行ねじは、新JIS規格とISO規格で「G」のアルファベットを使って表します。製品仕様欄には有効径による等級によっては「A」もしくは「B」を付け加えます。製品によっては、管用平行ねじの旧JIS規格である「PF」で表示している場合もあります。
管用テーパねじは、新JIS規格とISO規格で「R」と「Rc」を使って表します。テーパおねじに対して平行めねじを使用する際は「Rp」で表されたものを使用します。「Rp」は管用平行ねじとは寸法許容差が異なるため、別物として扱われます。製品によっては、管用テーパねじの旧JIS規格である「PT」、「PS」で表示している場合もあります。
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