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回転する機械で手袋をしてはいけない理由|巻き込まれ事故を防ぐための安全対策

作成日:

2026-07-10

最終更新日:

2026-07-10

この記事を監修した人

志民 直人

技術営業、カスタマーサクセス

切削加工歴29年の1級機械加工技能士(精密器具製作/フライス盤/数値制御フライス盤)。金型・部品加工経験を持ち、CAD・CAMや各種工作機械に精通。設計からカスタマーサービスまで幅広く対応。製造現場改善や治具設計も得意。趣味は日曜大工、ゲーム。

回転する機械で手袋をしてはいけない理由|巻き込まれ事故を防ぐ安全対策

金属加工の現場では、材料の角や切りくずで手を傷つけないように、手袋を使う場面があります。

しかし、ボール盤・旋盤・フライス盤など、工具や材料が回転する機械を操作するときは、手袋の着用が危険になる場合があります

手袋が回転部分に巻き込まれると、指や手だけでなく、腕まで引き込まれる重大事故につながるおそれがあります。

この記事では、回転する機械で手袋をしてはいけない理由と、安全に作業するための基本ルールを解説します。

回転する機械では手袋が巻き込まれる危険がある

回転する機械では、ドリル、チャック、主軸、刃物、材料などが高速で回っています。

この回転部分に手袋が触れると、布やゴムが一瞬で巻き込まれることがあります。

素手であれば反射的に手を引ける場面でも、手袋は回転体に引っかかりやすく、外れにくい場合があります。

特に、次のような機械では注意が必要です。

  • ボール盤
  • 旋盤
  • フライス盤
  • マシニングセンタ
  • タッピング盤
  • 卓上グラインダー
  • 回転ブラシ
  • ベルトサンダー

これらの機械では、作業内容によって手袋を外す必要があります。

なぜ手袋が危険なのか

手袋は、切りくずやバリから手を守るためには便利です。

しかし、回転する機械の近くでは、手袋そのものが巻き込まれる原因になります。

特に危険なのは、以下のような作業です。

  • 回転中のドリルに手を近づける
  • 旋盤で回転中の材料に触れる
  • 回転中の切りくずを手で取ろうとする
  • 手袋をしたままワークを押さえる
  • 回転工具の近くで寸法確認をする

回転体に手袋が引っかかると、手袋だけが巻き込まれるのではなく、指や手も一緒に引き込まれます。

そのため、回転中の機械に手を近づける作業では、手袋を着用しないことが基本です。

ボール盤・旋盤・フライス盤での注意点

ボール盤は、初心者でも使う機会が多い機械ですが、ドリルが高速で回転しているため、手袋の巻き込み事故が起きやすい機械でもあります。

ボール盤では、材料を手で押さえるのではなく、バイスやクランプで固定することが重要です。

また、旋盤では材料そのものが回転します。回転中の材料に手袋が触れると、一瞬で巻き込まれる可能性があります。

フライス盤やマシニングセンタでは、工具が回転して材料を削ります。回転工具の近くに手を入れる作業では、手袋が刃物に引っかかる危険があります。

いずれの機械でも、切りくずを取る場合や段取りを行う場合は、機械が完全に停止してから作業することが大切です。

ネクタイや袖口も巻き込まれの原因になる

回転する機械で注意が必要なのは、手袋だけではありません。

ネクタイ、袖口、タオル、ネックストラップ、長い髪なども、回転部分に巻き込まれる危険があります。

特にネクタイは首元につながっているため、回転体に巻き込まれると非常に危険です。

工場見学や現場立ち会いで加工機の近くに行く場合も、ネクタイは外す、袖口を締める、長い髪はまとめるなど、巻き込まれない状態にしておきましょう。

手袋を使ってよい場面もある

手袋は常に禁止というわけではありません。

材料の運搬や、バリのある部品を扱うときなど、手袋が必要な場面もあります。

たとえば、以下のような作業では手袋が有効です。

  • 材料を運搬する
  • バリのある部品を持つ
  • 切断材を移動する
  • 熱いものを扱う
  • 表面処理品を保護する
  • 清掃や片付けを行う

重要なのは、手袋を使う作業と、外す作業を分けることです。

回転する機械を操作するときや、回転部分に手を近づける作業では、手袋を外す必要があります。

筆者の経験:手袋の巻き込まれ事故を見たことがある

筆者も、過去の勤務先で手袋の巻き込まれ事故を見たことがあります。

幸い、そのときは切創だけで済みましたが、一歩間違えば指や手を大きく損傷する重大事故につながっていた可能性があります。

回転する工具やワークは、見た目以上に大きな力を持っています。

「少しだけなら大丈夫」「軽く触るだけだから問題ない」と思っても、手袋が引っかかると一瞬で巻き込まれます。

こうした経験からも、回転する機械を扱うときは、手袋をしたまま作業しないことが重要だと感じています。

切りくずによる切創・やけどにも注意

金属加工では、切りくずによる切創ややけどにも注意が必要です。

切りくずは鋭く、素手で触ると手を切ることがあります。また、加工直後の切りくずは高温になっている場合があり、触れるとやけどをすることもあります。

ただし、切りくずが危ないからといって、回転する機械の近くで手袋を使うと、巻き込まれ事故のリスクが高くなります。

切りくずを処理するときは、機械を完全に停止させてから、ブラシや工具を使って除去することが大切です。

可能であれば、安全カバーのあるマシニングセンタなど、切りくずが作業者に飛びにくい設備で加工することも、安全対策のひとつです。

安全に作業するための基本ルール

回転する機械を扱うときは、次の基本ルールを守りましょう。

  • 回転中の機械に手を近づけない
  • 手袋をしたまま回転工具や回転材料に触れない
  • 材料はバイスやクランプで固定する
  • 切りくずは手で取らず、ブラシなどを使う
  • 主軸が完全に停止してから作業する
  • ネクタイ、袖口、ストラップ、長い髪などを巻き込まれない状態にする
  • 作業前に非常停止ボタンの位置を確認する

安全対策は、特別なことではなく、基本を守ることが大切です。

発注者も現場見学時には注意が必要

金属加工を依頼する発注者が、工場見学や立ち会いで加工現場に入ることもあります。

その場合も、回転する機械の近くでは安全ルールを守る必要があります。

現場では、工場担当者の指示に従い、むやみに機械や材料へ触れないようにしましょう。

特に、加工中のワークや切りくずは、見た目以上に危険です。

安全のため、写真撮影や見学位置についても、事前に確認しておくと安心です。

まとめ

回転する機械で手袋をしてはいけない理由は、手袋が回転部分に巻き込まれる危険があるためです。

ボール盤、旋盤、フライス盤、マシニングセンタなどでは、手袋が工具や材料に引っかかると、重大なけがにつながるおそれがあります。

また、ネクタイや袖口など、回転部分に引っかかるものにも注意が必要です。

手袋は、材料運搬やバリのある部品を扱う場面では有効ですが、回転する機械を操作するときは外すことが基本です。

金属加工では、ちょっとした油断が大きな事故につながることがあります。

回転する機械を扱うときは、手袋や服装、切りくず処理を含めて、安全確認を徹底しましょう。

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