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ポリプロピレン(PP樹脂)とは?特徴、用途、性質、メリット・デメリット

今回は、ポリプロピレンの特徴や用途、機械的性質などについて解説します。

ポリプロピレンは、合成樹脂(プラスチック)のなかでも「汎用樹脂」と呼ばれる材料の一種です。汎用樹脂は、主に日常でよく使われている家庭用品・雑貨・包装材料などに採用されています。そのなかでもポリプロピレンは、同じ汎用樹脂であるポリエチレンに次いで生産量が多く、幅広い用途で活用されている材料です。

ポリプロピレンとポリエチレンは、似た性質を多く持ちますが、違いもいくつかあります。この記事では、ポリプロピレンとポリエチレンの違いについてもご紹介します。

ポリプロピレン(PP樹脂)とは

ポリプロピレン(PP樹脂)とは、炭素と水素からなる重合体(ポリマー)で、汎用樹脂の一種です。プラスチックのなかでも生産量が非常に多く、比重が0.9と軽量な材料です。

製法も、射出成形・押出成形・ブロー成形・真空成形などと豊富で、大量生産に適しています。また、最新のテクノロジーである3Dプリンタの材料としても利用されています。

参考:射出成形の仕組みやメリットを解説!他の加工法との比較も

参考:押出成形の仕組み・メリット・用途などを解説!

ポリプロピレンの特徴と用途

ポリプロピレンは、熱可塑性樹脂であるため、熱を加えると変形する特徴を持ちます。反りが発生しやすい材料のため、ポリプロピレンの製品を作る際は、反りにくい形状に設計する必要があります。

しかし、耐薬品性・耐摩耗性・耐衝撃性・軽量性に優れており丈夫で傷が付きにくい性質を持つことから、自動車部品や食品容器、医療機器などの幅広い分野で採用されています。

また、低コストで量産が可能なので、家庭用品・雑貨・包装材料などにも使われています。

ポリプロピレンのメリットとデメリット

メリット

●軽量性

ポリプロピレンは、比重が0.9と軽量です。比重が1よりも低いことから、水に浮かぶほどの軽量性を有しています。そのため、製品の軽量化目的で採用されることがあります。

●耐熱性

ポリプロピレンは、熱可塑性樹脂のなかでも耐熱温度が高い傾向にあります。

●耐薬品性

ポリプロピレンは、薬品による影響を受けにくいため、科学機器や医薬機器などにも多く採用されています。

●機械的強度に優れる

ポリプロピレンは、機械的強度に優れており、表面が硬くて耐摩耗性も良好です。

●低コストで大量生産できる

ポリプロピレンは、切削加工や曲げ加工などの加工がしやすく、射出成形や押出成形などさまざまな製法に対応できます。金型を使った製造をすれば、低コストで大量生産が可能です。

デメリット

●耐候性に乏しい

ポリプロピレンは、一般的に紫外線に弱く、日光に当たると白くなってしまうので、屋外での使用には適していません。ただし、酸化防止剤などの添加剤を入れることで、改善が見込めます。

●接着しにくい

ポリプロピレンは、接着性に乏しい特徴があります。表面を粗くするなどの下地処理を施すことで改善はされますが、金属を接着するほどの強度を得るのは難しいです。

●印刷しにくい

ポリプロピレンは、そのままだと印刷が難しい材料です。印刷したい場合は、接着のときと同じく下地処理を施す必要があります。

ポリプロピレンの機械的性質

ポリプロピレンは多くのグレードが存在しており、グレードによって強度に幅があります。一般的なグレードにおける引張強度は30MPa程度です。そのほかの機械的性質については以下の表を参考にしてください。

<ポリプロピレンの機械的性質>

項目 最小値 最大値 平均値 標準偏差
引張降伏応力 (MPa) 26 41 - -
引張破壊応力 (MPa) - - - -
引張弾性率
(ヤング率)
(MPa)
600 2200 1313 336
ポアソン比 - - - -
曲げ強度
(MPa)
25 47 31.9 6.4
曲げ弾性率 (MPa) 650 2300 1291 356
圧縮永久歪(%) - - - -
シャルピー衝撃強度
(kJ/m2)
1 66 7.8 7.4
アイゾット衝撃強度
(kJ/m2)
- - - -
表面硬度 62 110 89.1 11.2

引用元:機械設計エンジニアの基礎知識 ポリプロピレン樹脂(PP)の物性・用途・特性

ポリプロピレンの熱的性質

ポリプロピレンは熱に強い樹脂のため、ポリプロピレン製の耐熱容器は電子レンジにも対応できます。小さな荷重が加わる場合でも、製品の構造によりますが、100℃近い温度で連続して使うことができます。例えば、市販されているポリプロピレン製のパイプは、0.2MPaの圧力で耐熱温度は90℃です。

<ポリプロピレンの熱的性質>

項目 最小値 最大値 平均値 標準偏差
ビカット軟化温度 (℃) 110 140 119.2 10.5
荷重たわみ温度 (℃) 65 125 93.1 14.4
線膨張係数:流動(×10-5/℃) - - - -
線膨張係数:直角(×10-5/℃) - - - -

引用元:機械設計エンジニアの基礎知識 ポリプロピレン樹脂(PP)の物性・用途・特性

ポリプロピレンとポリエチレンの違い

ポリエチレンは、ポリプロピレンと同じく汎用樹脂の一種です。

ポリプロピレンとポリエチレンは以下のような多くの共通点があります。

●ポリプロピレンとポリエチレンの共通点

・炭素と水素からなるポリマー

・熱可塑性樹脂で射出成形・押出成形など、金型を使用した多くのプラスチック成形に対応しており、安いコストで大量生産が可能

・絶縁体

・比重が軽い(ポリプロピレン:0.9、ポリエチレン:0.95)

・吸水率が低く、寸法安定性が良好

・誘電率が低く、高周波材料として使われる。電子レンジで発熱しない

・無臭、無毒

一方で、ポリプロピレンとポリエチレンの違いについては以下の要素が挙げられます。

●ポリプロピレンとポリエチレンの相違点

・ポリプロピレンは硬く、ポリエチレンは柔らかい

・耐候性はポリエチレンの方が優れる

・耐熱温度はポリプロピレンの方が優れる

・融点はポリプロピレンの方が高い

・ポリプロピレンは無色透明に近いものができるが、ポリエチレンは白濁したもののみ

ポリプロピレンとポリエチレンの特徴的な違いは、透明性や耐熱性です。内容物を確認したい場合や、滅菌処理をしたい場合などの違いで、それぞれの材料が使い分けられています。

 

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ポリプロピレン(PP樹脂)とは?特徴、用途、性質、メリット・デメリット

2023-11-27

今回は、ポリプロピレンの特徴や用途、機械的性質などについて解説します。

ポリプロピレンは、合成樹脂(プラスチック)のなかでも「汎用樹脂」と呼ばれる材料の一種です。汎用樹脂は、主に日常でよく使われている家庭用品・雑貨・包装材料などに採用されています。そのなかでもポリプロピレンは、同じ汎用樹脂であるポリエチレンに次いで生産量が多く、幅広い用途で活用されている材料です。

ポリプロピレンとポリエチレンは、似た性質を多く持ちますが、違いもいくつかあります。この記事では、ポリプロピレンとポリエチレンの違いについてもご紹介します。

ポリプロピレン(PP樹脂)とは

ポリプロピレン(PP樹脂)とは、炭素と水素からなる重合体(ポリマー)で、汎用樹脂の一種です。プラスチックのなかでも生産量が非常に多く、比重が0.9と軽量な材料です。

製法も、射出成形・押出成形・ブロー成形・真空成形などと豊富で、大量生産に適しています。また、最新のテクノロジーである3Dプリンタの材料としても利用されています。

参考:射出成形の仕組みやメリットを解説!他の加工法との比較も

参考:押出成形の仕組み・メリット・用途などを解説!

ポリプロピレンの特徴と用途

ポリプロピレンは、熱可塑性樹脂であるため、熱を加えると変形する特徴を持ちます。反りが発生しやすい材料のため、ポリプロピレンの製品を作る際は、反りにくい形状に設計する必要があります。

しかし、耐薬品性・耐摩耗性・耐衝撃性・軽量性に優れており丈夫で傷が付きにくい性質を持つことから、自動車部品や食品容器、医療機器などの幅広い分野で採用されています。

また、低コストで量産が可能なので、家庭用品・雑貨・包装材料などにも使われています。

ポリプロピレンのメリットとデメリット

メリット

●軽量性

ポリプロピレンは、比重が0.9と軽量です。比重が1よりも低いことから、水に浮かぶほどの軽量性を有しています。そのため、製品の軽量化目的で採用されることがあります。

●耐熱性

ポリプロピレンは、熱可塑性樹脂のなかでも耐熱温度が高い傾向にあります。

●耐薬品性

ポリプロピレンは、薬品による影響を受けにくいため、科学機器や医薬機器などにも多く採用されています。

●機械的強度に優れる

ポリプロピレンは、機械的強度に優れており、表面が硬くて耐摩耗性も良好です。

●低コストで大量生産できる

ポリプロピレンは、切削加工や曲げ加工などの加工がしやすく、射出成形や押出成形などさまざまな製法に対応できます。金型を使った製造をすれば、低コストで大量生産が可能です。

デメリット

●耐候性に乏しい

ポリプロピレンは、一般的に紫外線に弱く、日光に当たると白くなってしまうので、屋外での使用には適していません。ただし、酸化防止剤などの添加剤を入れることで、改善が見込めます。

●接着しにくい

ポリプロピレンは、接着性に乏しい特徴があります。表面を粗くするなどの下地処理を施すことで改善はされますが、金属を接着するほどの強度を得るのは難しいです。

●印刷しにくい

ポリプロピレンは、そのままだと印刷が難しい材料です。印刷したい場合は、接着のときと同じく下地処理を施す必要があります。

ポリプロピレンの機械的性質

ポリプロピレンは多くのグレードが存在しており、グレードによって強度に幅があります。一般的なグレードにおける引張強度は30MPa程度です。そのほかの機械的性質については以下の表を参考にしてください。

<ポリプロピレンの機械的性質>

項目 最小値 最大値 平均値 標準偏差
引張降伏応力 (MPa) 26 41 - -
引張破壊応力 (MPa) - - - -
引張弾性率
(ヤング率)
(MPa)
600 2200 1313 336
ポアソン比 - - - -
曲げ強度
(MPa)
25 47 31.9 6.4
曲げ弾性率 (MPa) 650 2300 1291 356
圧縮永久歪(%) - - - -
シャルピー衝撃強度
(kJ/m2)
1 66 7.8 7.4
アイゾット衝撃強度
(kJ/m2)
- - - -
表面硬度 62 110 89.1 11.2

引用元:機械設計エンジニアの基礎知識 ポリプロピレン樹脂(PP)の物性・用途・特性

ポリプロピレンの熱的性質

ポリプロピレンは熱に強い樹脂のため、ポリプロピレン製の耐熱容器は電子レンジにも対応できます。小さな荷重が加わる場合でも、製品の構造によりますが、100℃近い温度で連続して使うことができます。例えば、市販されているポリプロピレン製のパイプは、0.2MPaの圧力で耐熱温度は90℃です。

<ポリプロピレンの熱的性質>

項目 最小値 最大値 平均値 標準偏差
ビカット軟化温度 (℃) 110 140 119.2 10.5
荷重たわみ温度 (℃) 65 125 93.1 14.4
線膨張係数:流動(×10-5/℃) - - - -
線膨張係数:直角(×10-5/℃) - - - -

引用元:機械設計エンジニアの基礎知識 ポリプロピレン樹脂(PP)の物性・用途・特性

ポリプロピレンとポリエチレンの違い

ポリエチレンは、ポリプロピレンと同じく汎用樹脂の一種です。

ポリプロピレンとポリエチレンは以下のような多くの共通点があります。

●ポリプロピレンとポリエチレンの共通点

・炭素と水素からなるポリマー

・熱可塑性樹脂で射出成形・押出成形など、金型を使用した多くのプラスチック成形に対応しており、安いコストで大量生産が可能

・絶縁体

・比重が軽い(ポリプロピレン:0.9、ポリエチレン:0.95)

・吸水率が低く、寸法安定性が良好

・誘電率が低く、高周波材料として使われる。電子レンジで発熱しない

・無臭、無毒

一方で、ポリプロピレンとポリエチレンの違いについては以下の要素が挙げられます。

●ポリプロピレンとポリエチレンの相違点

・ポリプロピレンは硬く、ポリエチレンは柔らかい

・耐候性はポリエチレンの方が優れる

・耐熱温度はポリプロピレンの方が優れる

・融点はポリプロピレンの方が高い

・ポリプロピレンは無色透明に近いものができるが、ポリエチレンは白濁したもののみ

ポリプロピレンとポリエチレンの特徴的な違いは、透明性や耐熱性です。内容物を確認したい場合や、滅菌処理をしたい場合などの違いで、それぞれの材料が使い分けられています。

 

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