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現場改善生産管理

製造業の帳票入力・出荷検品をAIで効率化するには?「AIスキャナ」の活用方法

公開:2026-11-04更新:2026-11-04読了目安:約12分
AIスキャナの納品書読み取り画面と、読む・照合する・数える機能の紹介

※この記事では、Mitsuriを運営する株式会社Catallaxyが提供する「AIスキャナ」を紹介しています。

製造業の帳票入力・検品にAIを活用するには?

製造現場では、生産管理や在庫管理のシステム化が進んでいる一方、納品書や入庫伝票などの紙の帳票を扱う業務も数多く残っています。例えば、入庫した材料の品番や数量を伝票から基幹システムに転記したり、出荷指示書と現品ラベルを照合したりする作業は、人の手で行われていることも少なくありません。

こうした作業を効率化する技術として、従来からOCR(光学文字認識)が利用されてきました。OCRは紙に印刷された文字をデジタルデータに変換する技術ですが、帳票のレイアウトが異なる場合や、手書き文字が含まれる場合には、読み取りに工夫が必要になることがあります。

近年ではAIを活用することで、さまざまな形式の帳票から必要な情報を抽出したり、読み取った情報同士を照合したりすることも可能になっています。

さらに画像認識AIを組み合わせれば、鋼材などの数量を撮影画像からカウントすることもできます。文字を読み取るだけでなく、現物の確認や検品作業まで支援できる点が特徴です。

製造現場でAIを活用できる業務

AIによる画像認識や文字認識は、製造業のさまざまな業務に活用できます。ここでは、帳票の読み取りや出荷検品、在庫管理などの代表的なケースを紹介します。

納品書・入庫伝票のデータ入力

材料や部品の入庫時には、納品書や入庫伝票に記載された品番、数量、ロット番号などを確認し、基幹システムへ登録する作業が発生します。

従来は担当者が伝票を見ながら必要な項目を入力する方法が一般的ですが、取引先ごとに帳票のレイアウトが異なる場合、入力作業の標準化が難しくなることがあります。

AIによる帳票読み取りを活用すれば、撮影した画像から必要な項目を抽出し、データとして整理できます。さらにCSV形式などで出力することで、既存システムへのデータ登録にも利用できます。

ただし、読み取り結果に誤りが含まれる可能性もあるため、数量や品番などの重要な項目については確認する仕組みが必要です。

出荷指示書と現品ラベルの照合

製品の出荷時には、出荷指示書に記載された品番や数量と、実際の製品に貼られたラベルの情報が一致しているかを確認します。

例えば、出荷指示書に「品番A・数量20個」と記載されている場合、現品ラベルの品番や数量も同じであることを確認する必要があります。

AIを活用すれば、出荷指示書と現品ラベルのそれぞれから情報を読み取り、品番や数量などの指定項目を自動で照合できます。不一致があった場合に画面上へ表示する仕組みを設けることで、担当者は確認が必要な箇所を把握しやすくなります。

とくに多品種少量生産を行う工場では、出荷する製品ごとに品番や数量が異なるため、こうした照合機能を活用することで検品作業の効率化が期待できます。

鋼管・鋼材の本数カウント

鋼管や棒鋼などを扱う現場では、入出庫時に材料の本数を確認する作業が発生します。

束になった鋼管の木口を目視で数える方法では、対象物の本数が多い場合や密集している場合に時間がかかります。また、数えた本数と荷札に記載された数量を照合する作業も必要です。

画像認識AIを利用すれば、鋼管の木口を撮影し、画像から本数をカウントできます。さらにカウントした位置に番号を表示することで、担当者が結果を確認しやすくなります。

ただし、対象物の重なりや撮影角度、照明条件などによって認識結果が変わる場合があるため、実際の現場で精度を検証することが重要です。

手書きの作業日報・検査表のデータ化

製造現場では、生産数量や検査結果、設備の稼働状況などを手書きの日報や検査表で管理しているケースもあります。

こうした記録を集計する場合、紙の帳票から必要な情報をパソコンに転記し、Excelなどで整理する作業が必要になります。

AIによる文字認識では、手書き文字やチェック欄などを含む帳票から情報を抽出し、データ化することが可能です。

データ化した情報を蓄積することで、日々の生産実績や検査結果の集計にも利用できます。ただし手書き文字の読み取り精度は記入方法や帳票の状態によって異なるため、導入前に実際の書類で確認する必要があります。

AIによる帳票読み取り・照合の流れ

製造現場でAIを活用する場合、単に帳票を撮影するだけでなく、読み取った情報を確認し、後工程で利用できる状態にすることが重要です。

一般的には、以下のような流れで進めます。

帳票・現物の撮影 → AIによる読み取り・照合 → 結果確認 → データ出力

STEP 1 帳票や現物を撮影する

まず、読み取りたい納品書や出荷指示書、現品ラベルなどをカメラで撮影します。

製品の数量をカウントする場合は、対象物を画像認識しやすい方向から撮影する必要があります。

STEP 2 AIが必要な情報を抽出・照合する

撮影した画像から、品番や数量、ロット番号などの必要な情報を抽出します。

出荷検品の場合は、指示書と現品ラベルから読み取ったデータを照合し、不一致がある項目を検出します。また数量カウントの場合は、画像内の対象物を認識して個数を算出します。

どの項目を読み取り、何を基準に照合するかは、対象となる業務に合わせて設定する必要があります。

STEP 3 結果を確認し、データを出力する

読み取りや照合が完了したら、画面上で処理結果を確認します。

必要に応じてデータを修正し、CSV形式などで出力すれば、既存の生産管理システムや在庫管理システムにも活用できます。

ここで重要なのは、AIによる読み取り結果をそのまま正しい情報として扱わないことです。誤読や照合ミスが発生した場合に備え、担当者による確認や修正ができる仕組みを設ける必要があります。

製造業向け「AIスキャナ」とは?

こうした製造現場の帳票読み取りや検品作業を支援するサービスが、株式会社Catallaxyの提供する「AIスキャナ」です。

AIスキャナは、帳票の読み取り、2点照合、リストとの照合、数量カウントの4つの機能を中心とした製造・物流現場向けのAIアプリケーションです。

6件の品番・品名・数量をリスト化したAIスキャナの画面
リスト読み取り結果の例(AIスキャナの画面例)

紙の帳票を撮影するだけで必要な情報を抽出し、現品ラベルとの照合やCSV出力まで対応できます。また企業ごとの帳票様式や照合ルールに合わせてカスタマイズできるため、既存の業務手順に合わせた専用アプリとして導入することも可能です。

一般的な帳票読み取りだけでなく、鋼管の本数カウントや出荷指示書との照合など、金属加工・鉄鋼関連の業務にも対応しています。

16個のナットに番号を重ねてカウントしたAIスキャナの画面
製品の個数カウント結果の例(AIスキャナの画面例)

AIスキャナの製品情報を見る

AIスキャナの活用事例

AIスキャナは、金属製品メーカーや鉄鋼メーカー、物流企業などで本番稼働や実証が行われています。ここでは、AIスキャナの製品サイトで公開している事例のうち、金属加工業との関係が深いものを紹介します。

出荷検品|27明細の品番・数量を照合

品番・品名・ロットは一致し、数量の不一致をNGと表示したAIスキャナの画面
指示書と現品ラベルの照合結果の例(AIスキャナの画面例)

金属製品メーカーでは、出荷指示書と現品の照合にAIスキャナが利用されています。

従来は担当者が出荷指示書の明細を確認し、現品ラベルと1行ずつ照合する必要がありました。

AIスキャナでは、出荷指示書に記載された複数の明細をまとめて読み取り、品番や数量を自動で照合できます。

AIスキャナの製品サイトでは、27明細を対象とした照合事例を紹介しており、2026年9月16日時点で本番稼働中とされています。

鋼材管理|鋼管の本数を約7秒でカウント

鉄鋼メーカーや物流会社向けには、鋼管の本数を画像認識AIでカウントする機能のデモ・実証が行われています。

束になった鋼管の木口を撮影すると、AIが断面を認識して本数を算出し、カウントした位置に番号を表示します。さらに算出した本数と荷札に記載された数量を照合することも可能です。

AIスキャナの製品サイトでは、約7秒でカウントした実証例を紹介しています。

なお処理時間は実証時の一例であり、対象物の状態や撮影条件によって異なります。

入庫管理|伝票の6項目を読み取りCSV出力

納品書の品目コード・品名・数量・ロットを読み取ったAIスキャナの画面
納品書の読み取り結果の例(AIスキャナの画面例)

製造業の入庫管理では、入庫伝票から必要な情報を抽出し、CSV形式で出力する実証が行われています。

従来は伝票に記載された品目や数量、ロット番号などを担当者が基幹システムへ手入力していましたが、AIスキャナを活用することで、必要な6項目を読み取り、データとして出力できます。

出力したCSVを既存システムへ取り込むことで、入庫情報の登録作業を効率化できます。

手書き日報|67項目を正しく読み取り

手書き帳票への対応では、作業日報に記載された67項目すべてを正しく読み取った実証結果も報告されています。

AIスキャナは丸囲み数字や二重線による訂正、かすれた印鑑などを含む帳票にも対応しており、これまで手入力が必要だった作業記録や検査表のデータ化にも利用できます。

ただし、この結果は特定の帳票を使用した実証によるものであり、すべての手書き帳票で同じ精度を保証するものではありません。

※事例の稼働状況および処理時間は、AIスキャナの製品サイトに掲載された2026年9月16日時点の情報です。

AIスキャナ導入時に確認したいポイント

AIスキャナを製造現場に導入する際は、読み取り精度だけでなく、帳票の種類や既存システムとの連携、実際の作業環境についても確認する必要があります。

使用している帳票に対応できるか

製造業では、取引先ごとに異なる納品書や独自の作業日報、手書きの検査表などが使用されています。

AIスキャナは企業ごとの帳票に合わせたカスタマイズに対応していますが、読み取り精度は帳票の状態によって異なります。

そのため、実際に使用している帳票を用意し、必要な情報を正しく抽出できるか検証することが重要です。

既存システムと連携できるか

帳票をデータ化しても、その情報を再び手入力する必要があれば、十分な効率化にはつながりません。

AIスキャナはCSV出力のほか、既存の基幹システムとの連携に合わせた開発にも対応しています。

導入前には、使用中の生産管理システムや在庫管理システムがどのようなデータ形式に対応しているかを確認し、読み取った情報を後工程へ引き継げるように設計する必要があります。

作業環境や端末に対応できるか

AIスキャナはキーエンス製のハンディ端末を使用した運用にも対応しています。

ハンディ端末を使用すれば、入出庫や検品の作業場所で帳票を撮影し、その場で読み取り結果を確認できます。

ただし対応端末や導入条件には確認が必要です。またオフライン対応は今後の開発予定となっているため、通信環境が不安定な倉庫や工場で利用する場合は注意が必要です。

AIスキャナの料金と導入方法

AIスキャナの基本料金は、初期費用0円から、月額20,000円(税別)からとなっています。

項目内容
初期費用0円〜
月額費用20,000円〜(税別)
基本利用枠1日30枚まで
利用端末台数制限なし
年額料金月額料金の10か月分
ハンディ端末別途費用

※初期費用0円は標準機能で利用する場合の料金です。カスタマイズ費用や現在の提供条件については個別の確認が必要です。

AIスキャナは標準機能であれば申し込み後、即日での試用に対応しています。また企業ごとの帳票様式や照合ルールに合わせたカスタマイズについても、3日程度を目安として案内されています。

導入にあたっては、まず対象となる業務や帳票を整理し、標準機能で読み取りや照合を試したうえで、必要な機能をカスタマイズする方法が考えられます。

例えば入庫伝票のデータ化から始め、運用が安定した段階で出荷検品や数量カウントにも対象を広げることで、現場の作業手順に合わせた導入を進められます。

AIスキャナの料金・導入について相談する

まとめ

AIによる文字認識や画像認識を活用することで、製造現場で発生する帳票の転記、出荷指示書と現品ラベルの照合、鋼材の本数カウントなどを効率化できます。

とくに紙の帳票を多く使用する工場や、多品種少量生産によって出荷検品の作業量が多い現場では、AIによる業務支援が有効です。

ただし読み取り精度は帳票や撮影条件によって異なるため、導入前には実際の業務で使用している書類や製品を使って検証する必要があります。

AIスキャナはこうした帳票の読み取りから照合、データ出力までを支援するサービスであり、企業ごとの業務に合わせたカスタマイズにも対応しています。

製造現場の手入力や検品作業を効率化したい場合は、実際の帳票を使用した試用から検討するとよいでしょう。

AIスキャナについて

AIスキャナは、株式会社Catallaxyが提供する製造・物流現場向けのAIアプリケーションです。

帳票の読み取り、指示書と現品ラベルの照合、リストとの照合、数量カウントを中心に、現場の業務に合わせた専用アプリを開発・提供しています。

金属製品メーカーや鉄鋼メーカー、物流企業などで活用・実証が進められており、既存システムとのデータ連携やハンディ端末を利用した運用にも対応しています。

製品サイト:https://catallaxy.me/ai-scanner

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