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抜き勾配の計算方法や設計時に必要な角度を解説!

「抜き勾配」は、あまり聞き慣れない言葉ではありますが、樹脂製品などを製作する射出成形加工の過程においては、欠かすことができない概念です。射出成形加工では、金型を用いて成形を行いますが、この金型から製品を引き抜く際に、抜き勾配を考慮することは非常に重要です。

今回は、この「抜き勾配」をテーマに、抜き勾配とは何かという説明から、抜き勾配角度、さらに、抜き勾配を付けたくない場合の設計方法などについて、幅広く解説していきます。また、最後には、抜き勾配とテーパーの違いについてもご説明していきます。

抜き勾配について、さらに知識を深めたい方や、抜き勾配でお悩みの方は、ぜひご一読ください。

抜き勾配とは

引用元:株式会社大塚商会

樹脂部品などを量産する場合には、一般に射出成形という加工が用いられます。射出成形とは、溶かした樹脂を金型に流し冷却することで成形した後、金型から樹脂を引き抜く(離型させる)ことによって、成形品を得る方法です。この離型の際に、金型から成形品をより容易に引き抜くのに役に立つのが、「抜き勾配」です。

「抜き勾配」とは、成形品が離型する方向に、あらかじめ設けておく「勾配」を指します。上図に示したように、抜き勾配をつけておくことで、離型の際、成形品と金型の間に隙間が生じるため、成形品を傷つけることなく、スムーズに取り出すことが可能となります。

抜き勾配の計算方法

以前は、抜き勾配の計算は、設計者によって図面上で行われていましたが、最近では、コンピューターを用いた3次元CADを利用して、設計の段階から抜き勾配を簡単に付けることができます。これによって、CAD上で簡単に勾配角度を設定して設計ができ、さらに設計された3Dモデルの勾配角度を簡単にチェックできるようになりました。

抜き勾配の角度

成形品の形状などによっても異なりますが、抜き勾配の角度は、一般に0.5~3°の範囲内、特に1°から2°となることが多いです。

抜き勾配は、成形品の離型性を考えると、できる限り角度を大きくする方が良いと言われています。一般的な抜き勾配の角度設定では、キャビティー外周では約1°〜2°程度、コア外周では約0.5°~1°、ボスやリブなどの突起部の場合は約0.5°に設定するのが望ましいと言われています。

なお、「キャビティー」及び「コア」とは、下図に示したように、それぞれ射出成形における金型の凹部、及び凸部を指します。また、キャビティーを雌型、コアを雄型と言うこともあります。

引用元:株式会社RE

また、表面の粗さが大きい材料や、シボ加工(金属の表面に模様をつける表面処理)を施した材料などを用いる場合には、成形品が金型から抜けにくくなるため、抜き勾配の角度をより大きくする必要があります。通常は、このような場合、最低でも、3°以上の抜き勾配が必要となると言われています。

抜き勾配を付けたくない場合の設計方法

前述した通り、射出成形において、成形品の離型性を考慮すると、抜き勾配はできる限り角度を大きくする方が良いのですが、製品の設計によっては、抜き勾配を設けることができない場合などもあります。このような場合には、一般的にスライド金型が利用されます。

スライド金型とは、一例として下図に示したような構造を持っており、金型が開くときに、アンギュラピンに沿ってスライドコア部分が金型に対して水平に可動するようになっています。金型をスライドさせる方法は他にもいくつかありますが、これにより抜き勾配がなくても金型からの離型が可能となります。

引用元:株式会社アペルザ

その他にも、突き出しピン(エジェクタピン)などを利用して、成形品の取り出しを行うことも可能です。

エジェクタピンは、金型のコア部に配置されており、金型が開いた後、ピンが突き出すことで、パーツが型から押し出されます。その後、ピンは元の位置に戻り、再び樹脂が充填され、射出成形が行われます。

エジェクタピン以外にも、プレートで突き出す方法やエアで突き出す方法などによって、成形品を取り出すことも可能です。

抜き勾配とテーパーの違い

引用元:株式会社RE

最後に、抜き勾配とテーパーの違いについて解説していきます。

抜き勾配とテーパーはよく混同されやすいのですが、上図に示したように、抜き勾配は角度を示しており、テーパーは、製品の斜面にできる傾斜を指します。なお、テーパー角度とは、両側の傾きによって成される角度のことを指します。

ただし、このように抜き勾配とテーパーは全く異なる意味を持つ用語ですが、混同されやすいため、設計の段階でよく確認を行ってから、加工に取り掛かることをおすすめします。

抜き勾配についてまとめ

今回は、抜き勾配をテーマに、抜き勾配とは何かという説明からはじめ、抜き勾配の角度などについて、ご紹介しました。さらに、抜き勾配を付けたくない場合の設計方法や抜き勾配とテーパーの違いについても解説しましたが、いかがでしたでしょうか。抜き勾配は、特に射出成形加工においては、欠かせない知識です。また、製品を設計する上でも非常に重要な概念となるため、事前に知っておけば、メーカーに加工を依頼する際でもスムーズに話を進めることができるでしょう。

抜き勾配でお困りの際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

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抜き勾配の計算方法や設計時に必要な角度を解説!

「抜き勾配」は、あまり聞き慣れない言葉ではありますが、樹脂製品などを製作する射出成形加工の過程においては、欠かすことができない概念です。射出成形加工では、金型を用いて成形を行いますが、この金型から製品を引き抜く際に、抜き勾配を考慮することは非常に重要です。

今回は、この「抜き勾配」をテーマに、抜き勾配とは何かという説明から、抜き勾配角度、さらに、抜き勾配を付けたくない場合の設計方法などについて、幅広く解説していきます。また、最後には、抜き勾配とテーパーの違いについてもご説明していきます。

抜き勾配について、さらに知識を深めたい方や、抜き勾配でお悩みの方は、ぜひご一読ください。

抜き勾配とは

引用元:株式会社大塚商会

樹脂部品などを量産する場合には、一般に射出成形という加工が用いられます。射出成形とは、溶かした樹脂を金型に流し冷却することで成形した後、金型から樹脂を引き抜く(離型させる)ことによって、成形品を得る方法です。この離型の際に、金型から成形品をより容易に引き抜くのに役に立つのが、「抜き勾配」です。

「抜き勾配」とは、成形品が離型する方向に、あらかじめ設けておく「勾配」を指します。上図に示したように、抜き勾配をつけておくことで、離型の際、成形品と金型の間に隙間が生じるため、成形品を傷つけることなく、スムーズに取り出すことが可能となります。

抜き勾配の計算方法

以前は、抜き勾配の計算は、設計者によって図面上で行われていましたが、最近では、コンピューターを用いた3次元CADを利用して、設計の段階から抜き勾配を簡単に付けることができます。これによって、CAD上で簡単に勾配角度を設定して設計ができ、さらに設計された3Dモデルの勾配角度を簡単にチェックできるようになりました。

抜き勾配の角度

成形品の形状などによっても異なりますが、抜き勾配の角度は、一般に0.5~3°の範囲内、特に1°から2°となることが多いです。

抜き勾配は、成形品の離型性を考えると、できる限り角度を大きくする方が良いと言われています。一般的な抜き勾配の角度設定では、キャビティー外周では約1°〜2°程度、コア外周では約0.5°~1°、ボスやリブなどの突起部の場合は約0.5°に設定するのが望ましいと言われています。

なお、「キャビティー」及び「コア」とは、下図に示したように、それぞれ射出成形における金型の凹部、及び凸部を指します。また、キャビティーを雌型、コアを雄型と言うこともあります。

引用元:株式会社RE

また、表面の粗さが大きい材料や、シボ加工(金属の表面に模様をつける表面処理)を施した材料などを用いる場合には、成形品が金型から抜けにくくなるため、抜き勾配の角度をより大きくする必要があります。通常は、このような場合、最低でも、3°以上の抜き勾配が必要となると言われています。

抜き勾配を付けたくない場合の設計方法

前述した通り、射出成形において、成形品の離型性を考慮すると、抜き勾配はできる限り角度を大きくする方が良いのですが、製品の設計によっては、抜き勾配を設けることができない場合などもあります。このような場合には、一般的にスライド金型が利用されます。

スライド金型とは、一例として下図に示したような構造を持っており、金型が開くときに、アンギュラピンに沿ってスライドコア部分が金型に対して水平に可動するようになっています。金型をスライドさせる方法は他にもいくつかありますが、これにより抜き勾配がなくても金型からの離型が可能となります。

引用元:株式会社アペルザ

その他にも、突き出しピン(エジェクタピン)などを利用して、成形品の取り出しを行うことも可能です。

エジェクタピンは、金型のコア部に配置されており、金型が開いた後、ピンが突き出すことで、パーツが型から押し出されます。その後、ピンは元の位置に戻り、再び樹脂が充填され、射出成形が行われます。

エジェクタピン以外にも、プレートで突き出す方法やエアで突き出す方法などによって、成形品を取り出すことも可能です。

抜き勾配とテーパーの違い

引用元:株式会社RE

最後に、抜き勾配とテーパーの違いについて解説していきます。

抜き勾配とテーパーはよく混同されやすいのですが、上図に示したように、抜き勾配は角度を示しており、テーパーは、製品の斜面にできる傾斜を指します。なお、テーパー角度とは、両側の傾きによって成される角度のことを指します。

ただし、このように抜き勾配とテーパーは全く異なる意味を持つ用語ですが、混同されやすいため、設計の段階でよく確認を行ってから、加工に取り掛かることをおすすめします。

抜き勾配についてまとめ

今回は、抜き勾配をテーマに、抜き勾配とは何かという説明からはじめ、抜き勾配の角度などについて、ご紹介しました。さらに、抜き勾配を付けたくない場合の設計方法や抜き勾配とテーパーの違いについても解説しましたが、いかがでしたでしょうか。抜き勾配は、特に射出成形加工においては、欠かせない知識です。また、製品を設計する上でも非常に重要な概念となるため、事前に知っておけば、メーカーに加工を依頼する際でもスムーズに話を進めることができるでしょう。

抜き勾配でお困りの際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

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