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3DスキャンでCNC加工を効率化するには?現物からCAD・加工データを作成する方法

公開:2026-09-16更新:2026-09-16読了目安:約13分
3Dスキャナーで自動車用ホイールを測定する様子と、CNC加工の効率化を紹介するバナー

この記事はRevopoint Japanとのタイアップ記事です。

3Dスキャンを活用したCNC加工とは?

CNC加工では、CADで作成した3Dデータをもとに加工プログラムを作成し、工作機械によって部品を加工します。新規に設計した部品であれば、既存のCADデータをそのまま活用できますが、現物しか残っていない部品や図面・設計データが存在しない部品を再製作する場合、まず対象物の形状を正確にデータ化する必要があります。

従来、このような現物からのデータ作成では、ノギスやマイクロメーターなどを使って寸法を測定し、その数値をもとにCAD上で形状を再構築する方法が一般的です。直線や円などで構成された比較的単純な部品であれば対応しやすい一方、自由曲面や複雑な凹凸、摩耗・変形を含む部品では、形状を細部まで取得するために多くの測定・モデリング作業が必要になります。

そこで活用できるのが3Dスキャンです。対象物の表面形状を3Dデータとして取得し、点群やメッシュデータを生成することで、現物の形状をデジタル空間に取り込むことができます。取得したデータをもとにCADモデルを作成・修正し、CAMでツールパスを設定すれば、CNC加工用のデータへとつなげることが可能です。

回転台に固定した切削工具を青色光で3Dスキャンしている様子
回転台とマーカーを使って小型の金属部品を3Dスキャンする例(画像提供:Revopoint Japan)

基本的な流れは、以下のようになります。

現物 → 3Dスキャン → 点群・メッシュ → CAD → CAM → CNC加工

3DスキャナーがCNC加工そのものを行うわけではありません。現物とCAD/CAMをつなぐ「形状データ取得」の工程を効率化するツールとして活用することで、図面のない既存部品の再製作やリバースエンジニアリング、現物に合わせたカスタムパーツの設計など、さまざまな製造工程に応用できます。

CNC加工で3Dスキャンが活用できるケース

3Dスキャンは、現物をもとにCADデータを作成したい場面で活用できます。ここでは、CNC加工やリバースエンジニアリングにおける代表的なケースを紹介します。

図面・CADデータのない部品を再製作する場合

古い機械部品や生産終了品など、現物は残っていても図面やCADデータがない場合があります。このような場合、現物を3Dスキャンして形状データを取得し、CADモデルを再構築することで、部品再製作に必要なデータを作成できます。

なお、長期間使用された部品では摩耗や変形が生じている場合もあるため、スキャンデータをそのまま使うのではなく、用途に応じてCAD上で形状を修正することが重要です。

リバースエンジニアリングを行う場合

既存の製品や部品をもとに設計データを作成するリバースエンジニアリングにも、3Dスキャンを活用できます。取得した点群・メッシュデータをCADソフトに取り込み、現物形状を参照しながら3Dモデルを作成できます。

作成したCADデータは、単なる複製だけでなく、形状変更、機能追加、既存部品に合わせた新しいパーツ設計にも利用できます。

自由曲面や複雑形状を持つ部品をデータ化する場合

自由曲面や複雑な凹凸を持つ部品は、ノギスやマイクロメーターだけで形状を再現するのが難しい場合があります。3Dスキャンでは対象物の表面形状を面的に取得できるため、複雑な形状のデジタルデータ化に適しています。

ただし、深い穴、狭い隙間、強い反射のある表面などはデータ取得が難しい場合があるため、対象物の形状や材質に応じたスキャン方法を選ぶ必要があります。

現物に合わせた治具・カスタムパーツを製作する場合

既存部品や設備に合わせて治具、固定具、交換部品、カスタムパーツを設計する際にも、3Dスキャンは有効です。

取り付け面や接触部分をスキャンしてCAD上に取り込むことで、現物形状を参照しながら設計できます。実物の寸法を一つずつ測定する方法に加え、スキャンデータを活用することで、フィッティングが重要な部品の設計を効率化できます。

3DスキャンからCNC加工までの流れ

3Dスキャンで取得したデータをCNC加工に活用するには、スキャンしたデータをそのまま工作機械に送るのではなく、点群・メッシュデータからCADモデルを作成し、さらにCAMで加工データへ変換する工程が必要です。

一般的には、以下のような流れで進めます。

現物 → 3Dスキャン → 点群・メッシュ → CADモデル → CAM → CNC加工

STEP 1対象物を3Dスキャンする

まず、再製作やリバースエンジニアリングを行いたい対象物を3Dスキャンし、表面の形状データを取得します。

このとき重要なのは、最終的な用途を考慮して必要な範囲を取得することです。例えば、部品全体を再現する場合と、取り付け面だけを新しい部品の設計に利用する場合では、必要となるスキャン範囲やデータの細かさが異なります。

また、複雑な凹凸や死角がある場合は、複数の方向からスキャンしてデータを補完することで、より完全な形状データを作成できます。

STEP 2点群・メッシュデータを作成・処理する

スキャンによって取得したデータから、点群やメッシュデータを生成します。

必要に応じて、不要なデータの削除、複数回のスキャンデータの位置合わせ・統合、メッシュの修正などを行い、後工程で利用しやすい状態に整えます。

ここで作成されるメッシュデータは、現物の表面形状を表現したものです。そのため、必ずしもそのままCNC加工用のCADデータとして使用できるわけではありません。

STEP 3スキャンデータをもとにCADモデルを作成する

処理したスキャンデータをCADやリバースエンジニアリング用ソフトウェアに取り込み、形状を参照しながらCADモデルを作成します。

用途によっては、スキャンした形状をそのまま再現するのではなく、摩耗した部分の修正、寸法の調整、穴や平面などの再定義を行うこともあります。

例えば、長期間使用されて摩耗した部品を再製作する場合には、摩耗後の形状をそのまま複製するのではなく、本来必要とされる形状へ修正したうえでCADデータを作成します。

STEP 4CAMで加工データを作成する

完成したCADモデルをCAMソフトウェアに取り込み、使用する工具や加工条件に合わせてツールパスを作成します。

ここでは、工具の種類、切削方向、加工順序、切削条件などを設定し、CNC工作機械で使用する加工データへ変換します。

STEP 5CNC加工・完成品の確認

作成した加工データをもとにCNC加工を行い、部品を製作します。

加工後は、寸法測定などによって完成品が設計データや要求仕様を満たしているか確認します。また、用途によっては完成した部品を再度3Dスキャンし、CADデータと比較することで、形状差を確認する方法もあります。

このように3Dスキャンを活用することで、現物から形状を取得し、CAD/CAMを経由してCNC加工へつなげる一連のデジタルワークフローを構築できます。

CNC加工に使用する3Dスキャナーの選び方

CNC加工やリバースエンジニアリングに3Dスキャンを活用する場合、どの3Dスキャナーを選ぶかによって、取得できるデータの品質や作業効率が大きく変わります。

単に「精度が高いスキャナー」を選べばよいというわけではありません。対象物の大きさ、形状、材質、必要な精度、作業環境、後工程で使用するCAD/CAMソフトウェアなどを踏まえて、用途に合った機種を選ぶことが重要です。

ここでは、CNC加工向けのデータ作成に3Dスキャナーを活用する際に確認しておきたいポイントを紹介します。

スキャン対象物のサイズに合っているか

まず確認したいのが、スキャン対象物の大きさです。

小型部品、治具、模型、精密パーツのような対象物と、自動車部品、大型金型、設備部品、車体フレームのような対象物では、必要となるスキャン範囲や作業距離が異なります。

必要な精度・解像度を満たしているか

CNC加工に利用するデータを作成する場合、スキャン精度や解像度も重要なポイントです。

ただし、ここで注意したいのは、スキャンデータの精度と、最終的な加工精度は同じではないという点です。CNC加工の精度には、CADモデルの作成方法、CAM設定、工作機械の性能、工具、材料、加工条件なども関係します。

対象物の形状や表面材質に対応できるか

3Dスキャンでは、対象物の形状や表面材質によってデータの取得しやすさが変わります。

例えば、以下のような対象物では、スキャンが難しくなる場合があります。

  • 光沢の強い金属面
  • 黒色や暗色の表面
  • 透明・半透明の素材
  • 深い穴や狭い隙間
  • 鋭いエッジや細かな凹凸
  • 複雑な自由曲面を持つ部品

このような対象物をスキャンする場合は、光源方式やスキャンモード、対象物への前処理の有無を確認する必要があります。

作業環境に合っているか

CNC加工やリバースエンジニアリングに関わるスキャン作業は、必ずしも整った机上環境で行われるとは限りません。

工場、作業場、自動車整備環境、屋外、設備の近くなど、さまざまな場所で対象物をスキャンする場合があります。そのため、スキャナーを選ぶ際には、作業環境への適応性も確認しておきたいポイントです。

後工程のCAD/CAMワークフローに適しているか

3Dスキャンで取得したデータは、最終的にはCADやCAMの工程で活用されます。そのため、スキャナー単体の性能だけでなく、取得後のデータ処理やエクスポート形式も確認しておく必要があります。

CNC加工に使用する場合は、スキャンデータをそのまま加工機に送るのではなく、CADモデルとして再構築し、CAMで加工条件やツールパスを設定する必要があります。

用途に応じてスキャナーを使い分ける

CNC加工やリバースエンジニアリングの現場では、対象物や作業内容によって最適な3Dスキャナーが異なります。

Revopointの製品では、用途に応じて以下のような選択肢があります。

MetroY Ultra

Revopoint MetroY Ultra 3Dスキャナーの製品イメージ
小型から中型ワーク向けの3Dスキャナー「MetroY Ultra」(画像提供:Revopoint Japan)

デスクトップサイズや中規模のプロトタイプ作成には、MetroY Ultraが最適です。

多彩なモード: 34本のクロスブルーレーザーによる高速キャプチャ、深穴用のシングルレーザー、マーカーレスのスキャニングなど、5つのモードを搭載。

高い信頼性: 最高0.015mmの精度を誇り、リバースエンジニアリングや加工用データの作成を効率化します。

MetroY Ultraの製品情報を見る

Trackit / Trackit SR

光学トラッカーとハンディスキャナーで構成されるRevopoint Trackitシリーズ
光学トラッキングに対応する3Dスキャナー「Trackit」シリーズ(画像提供:Revopoint Japan)

大きなアセンブリや移動が困難な大型パーツには、Trackitシリーズが適しています。

マーカーレス・トラッキング: 面倒なマーカー(シール)貼付が不要で、広範囲を効率的にスキャンできます。

ワークフローの簡略化: セットアップ時間を短縮し、大型部品の再設計や検査、治具作成をスムーズに進めることが可能です。

Trackit / Trackit SRの製品情報を見る

重要なのは、スキャナーを単体のスペックだけで判断するのではなく、「どの対象物を、どのような目的で、どの後工程に使うのか」から逆算して選ぶことです。

Mitsuri読者向けクーポン

Revopoint公式ストアで使えるMitsuri読者限定の5%OFFクーポン。クーポンコードはMITSURI

Revopoint公式ストアでご利用いただける、Mitsuri読者専用の追加5%OFFクーポンをご用意しました。

クーポンコード:MITSURI

本クーポンは、Revopoint公式ストアにて、3Dスキャナー本体のご購入時にご利用いただけます。

リバースエンジニアリングや加工用データ作成に3Dスキャンの導入をご検討中の方は、ぜひご活用ください。

まとめ

CNC加工に3Dスキャンを活用することで、図面やCADデータがない部品でも、現物の形状をデジタルデータとして取得し、CADモデル作成や加工データ作成へつなげることができます。

特に、自由曲面や複雑な凹凸を持つ部品、現物に合わせた治具・カスタムパーツの設計、既存部品の再製作などでは、手作業による採寸だけでは時間や手間がかかる場合があります。3Dスキャンデータを参照することで、形状把握や設計作業を効率化しやすくなります。

ハンディ3Dスキャナーでエンジン部品の形状を取得している様子
複雑な形状を持つ金属部品を複数方向から3Dスキャンする例(画像提供:Revopoint Japan)

ただし、3DスキャンデータをそのままCNC加工に使用できるわけではありません。取得した点群・メッシュデータをもとにCADモデルを作成し、必要に応じて形状修正や寸法調整を行ったうえで、CAMでツールパスを作成する必要があります。

つまり、3DスキャナーはCNC加工そのものを行う機械ではなく、現物とCAD/CAMをつなぐための形状取得ツールです。

対象物のサイズ、必要な精度、表面材質、作業環境、後工程のワークフローに合わせて適切な3Dスキャナーを選ぶことで、リバースエンジニアリングや部品再製作、治具・カスタムパーツ制作をより効率的に進めることができます。

Revopointについて

Revopointは、高精度3DビジョンおよびエンボディドAI技術のグローバルリーディングカンパニーです。マイクロ・ナノ光学チップ、高度な3Dビジョンアルゴリズム、AI技術を自社で設計・開発し、精度、知能、使いやすさの新たな基準を創出し続けています。

当社のソリューションは、産業計測、リバースエンジニアリング、デジタルワークフローにおいて、高精度な3Dデータ取得を実現するとともに、具現化AIやロボティクス分野へ高精度な3D視覚認識能力を提供します。高精度な3Dデータ取得ソリューションを世界中のユーザーに届けることで、物理世界とデジタル世界の架け橋となります。

研究開発から光学チップの製造、最終製品の生産までを自社で一貫して行う「垂直統合型モデル」を採用しており、あらゆるフェーズにおいて圧倒的な開発スピード、高品質、革新性を実現しています。

当社の主力製品は、世界150以上の国と地域のプロフェッショナルや企業に導入されています。3Dデザイン、産業検査、3Dプリント、医療・ヘルスケア、デジタルエンターテインメント、クリエイティブアート、文化財デジタル保護など多岐にわたる分野で活用されており、世界中のクリエイターへストレスフリーなデジタルアセット制作体験を提供しています。

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