記事を探す

キーワードを入力してください

Mitsuri Media金属部品
目次
金属部品CAD・設計・公差

ねじ・ボルトの規格一覧|呼び径・ピッチ・強度区分をわかりやすく解説

公開:2026-09-15更新:2026-09-15読了目安:約7分
六角ボルトの規格・寸法をテーマにしたサムネイル画像

金属加工の図面や部品選定では、「M8」「強度区分8.8」「A2-70」といったねじ・ボルトの規格表記が数多く登場します。本記事では、メートルねじの基本的な読み方から、呼び径・ピッチ・対辺寸法の一覧、強度区分の意味まで、設計・購買・現場でそのまま使える形でまとめました。

メートルねじとは?基本の読み方

メートルねじは、ねじの呼び径をmmで表すねじ規格で、JIS B 0205に規定されています。「M」のあとに呼び径(mm)を付けて表記するシンプルなルールで、たとえば「M8」は、呼び径8mmのメートルねじを表します(実際の外径が必ず8.00mmになるわけではありません)。JISの一般用メートルねじはISO規格と整合した寸法体系が採用されています。

なお、メートルねじとユニファイねじ(インチねじ、1/2-10UNFのような表記)は寸法体系が異なるため、互換性はありません。海外製の機器や部品を扱う場合は、どちらの規格かをまず確認する必要があります。

呼び径・ピッチ・対辺寸法一覧表

代表的な呼び径ごとの並目ピッチと、六角ボルトの対辺寸法(レンチ・ソケットのサイズ)は次のとおりです。対辺寸法とは、六角ボルトの頭部の平らな面同士の間隔(二面幅)のことで、使用するレンチやソケットのサイズに対応します。

六角ボルトの寸法用語(呼び径・ピッチ・対辺寸法)を示すイラスト
六角ボルトの寸法用語(呼び径・ピッチ・対辺寸法)
呼び径並目ピッチ対辺寸法 s下穴径の目安
M30.55.52.5
M40.773.3
M50.884.2
M61.0105.0
M81.25136.8
M101.5168.5
M121.751810.2
M162.02414.0
M202.53017.5
M243.03621.0

(単位:mm)

対辺寸法は、JIS B 1180:2014の本体規格に基づく数値です。ただし、従来のJIS規格に基づく製品や、JIS B 1180の附属書規格に準じた製品では、M10が17mm、M12が19mmとなる場合があります。レンチやソケットを用意する際は、規格の版数だけで判断せず、現物やメーカーの仕様書で対辺寸法を確認することをおすすめします。

並目と細目の違い

同じ呼び径でも、ねじ山の間隔(ピッチ)が異なる2つの系列があります。

  • 並目(なみめ):ピッチが大きく、一般的な締結に使われる最も汎用的な規格。単に「M8」とだけ指示された場合は、通常こちらを指します
  • 細目(ほそめ):ピッチが小さく、同じ呼び径でもねじ山の間隔が狭いねじ。薄肉部材や、軸方向の微調整が必要な箇所などに適しています。並目に比べて締結時の調整がしやすい一方、ねじ山が細かいため、取り扱いには注意が必要です

特別な理由がなければ、並目を選ぶのが基本です。

ボルトの強度区分(4.6〜12.9)とは

炭素鋼のボルトには、「4.6」「8.8」「10.9」「12.9」のような2つの数字を組み合わせた強度区分があり、ISO 898-1で規定されています。数字の意味は次のとおりです。

  • 前の数字 × 100 = 呼び引張強さ(N/mm²)
  • 前の数字 × 後の数字 × 10 = 降伏点または耐力の基準値(N/mm²)

たとえば「8.8」は、呼び引張強さ800N/mm²、降伏点または耐力に関する基準値640N/mm²を示します。JIS/ISOでは3.6・4.6・4.8・5.6・5.8・6.8・8.8・9.8・10.9・12.9の10種類が定められており、一般に、強度区分の数値が高いほど高い強度を持つボルトです。一般的な締結には4.6〜4.8、機械の標準部品には8.8、さらに高い強度が求められる機械部品などには10.9や12.9が使われます。

ステンレスボルトの強度区分(A2・A4)

ステンレス製のボルトには、炭素鋼とは異なる表記(ISO 3506-1)が使われます。「A2-70」のように、鋼種を表す記号と強度区分の数字を組み合わせて表記します。

  • A2:SUS304系に相当するオーステナイト系ステンレス。耐食性とコストのバランスがよく、汎用的に使われます
  • A4:SUS316系に相当するオーステナイト系ステンレス。モリブデンを含み、A2より耐食性に優れています
  • 続く数字(50・70・80):最小引張強さを100N/mm²単位で表します。「A2-70」であれば引張強さ700N/mm²です

屋外や海沿いの環境、薬品を扱う設備など、腐食への配慮が必要な場面ではA4系への変更を検討するとよいでしょう。

管用ねじ(PT・PF)とメートルねじの違い

配管の接続には、メートルねじとは別の「管用ねじ」が使われます。代表的なのが次の3種類です。

  • 管用テーパねじ(旧JISでPTと表記されていたもの):現行JISでは、テーパおねじを「R」、テーパめねじを「Rc」と表します。先端に向かって径が細くなる形状で、締め込むことでねじ部が密着し、シール性を確保しやすいのが特徴です。実務では、用途に応じてシールテープなどのシール材を併用します
  • 管用平行ねじ(旧JISのPF):現行JISでは「G」と表します。どこを測っても径が一定の形状で、密閉にはパッキンやOリングを使います
  • 管用平行めねじ(旧JISのPS):現行JISでは「Rp」と表します。管用テーパおねじ(R)と組み合わせて使うめねじです

現行JISでは「R」「Rc」「Rp」「G」といった記号が使われます。古い図面や製品には「PT」「PF」「PS」という表記が残っていますが、実務上こうした表記を見る機会は今でも多いため、対応関係を押さえておくと図面の読み違いを防げます。

下穴径・ねじ込み深さの目安

タップ加工でめねじを作る際の下穴径は、「呼び径 − ピッチ」を基本的な目安として計算できます。たとえばM8(並目ピッチ1.25mm)であれば、8−1.25=6.75mmが一つの目安になり、これはねじ山のかみあい率が約75%となる値です。ただし、実際の下穴径は、タップの種類や加工方法、材質などによって異なるため、使用するタップメーカーの推奨値を確認してください。

また、めねじ側に必要なねじ込み深さは、材質だけでなく、ボルトやめねじ材の強度、ねじ径、ねじ山の種類、荷重、かみあい率、めねじの加工精度など、複数の条件によって変わります。一般に、めねじ材の強度がボルトより低いほど、必要なねじ込み深さは長くなる傾向がありますが、具体的な数値は個々の設計条件に応じて決める必要があるため、本記事では上記の下穴径の目安表を活用しつつ、ねじ込み深さは設計時に個別に確認することをおすすめします。

まとめ

ねじ・ボルトの規格は、呼び径とピッチで基本サイズが決まり、強度区分でボルトの強さが、鋼種記号(A2・A4など)でステンレスの種類が示されます。対辺寸法はJIS B 1180の本体規格と附属書規格で異なる場合があるため、レンチ選びでは現物確認が安心です。図面の指示や部品選定で迷ったときは、本記事の一覧表を参考にしてみてください。

Mitsuriでは、製造業・金属加工に関する依頼や相談を、
初心者でもかんたんに、進めることができます。
図面が未確定な段階からでも分かっている条件を整理したうえで、
複数の工場に相談できます。

無料ではじめてみるまずは相談からでもはじめられます
Mitsuri Media 編集部

業界最大級の金属加工マッチングプラットフォーム「Mitsuri」が運営する総合情報メディアです。

お役立ち資料

受発注の「今」がわかる、無料のお役立ち資料

Mitsuriでの受発注の最新傾向や統計、業界の基礎知識をまとめた資料を無料でダウンロードいただけます。
WEB上での新規取引のコツや活用方法など、役立つ情報も掲載しています。