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ねじ・ボルトの規格一覧|呼び径・ピッチ・強度区分をわかりやすく解説

金属加工の図面や部品選定では、「M8」「強度区分8.8」「A2-70」といったねじ・ボルトの規格表記が数多く登場します。本記事では、メートルねじの基本的な読み方から、呼び径・ピッチ・対辺寸法の一覧、強度区分の意味まで、設計・購買・現場でそのまま使える形でまとめました。
メートルねじとは?基本の読み方
メートルねじは、ねじの呼び径をmmで表すねじ規格で、JIS B 0205に規定されています。「M」のあとに呼び径(mm)を付けて表記するシンプルなルールで、たとえば「M8」は、呼び径8mmのメートルねじを表します(実際の外径が必ず8.00mmになるわけではありません)。JISの一般用メートルねじはISO規格と整合した寸法体系が採用されています。
なお、メートルねじとユニファイねじ(インチねじ、1/2-10UNFのような表記)は寸法体系が異なるため、互換性はありません。海外製の機器や部品を扱う場合は、どちらの規格かをまず確認する必要があります。
呼び径・ピッチ・対辺寸法一覧表
代表的な呼び径ごとの並目ピッチと、六角ボルトの対辺寸法(レンチ・ソケットのサイズ)は次のとおりです。対辺寸法とは、六角ボルトの頭部の平らな面同士の間隔(二面幅)のことで、使用するレンチやソケットのサイズに対応します。
| 呼び径 | 並目ピッチ | 対辺寸法 s | 下穴径の目安 |
|---|---|---|---|
| M3 | 0.5 | 5.5 | 2.5 |
| M4 | 0.7 | 7 | 3.3 |
| M5 | 0.8 | 8 | 4.2 |
| M6 | 1.0 | 10 | 5.0 |
| M8 | 1.25 | 13 | 6.8 |
| M10 | 1.5 | 16 | 8.5 |
| M12 | 1.75 | 18 | 10.2 |
| M16 | 2.0 | 24 | 14.0 |
| M20 | 2.5 | 30 | 17.5 |
| M24 | 3.0 | 36 | 21.0 |
(単位:mm)
対辺寸法は、JIS B 1180:2014の本体規格に基づく数値です。ただし、従来のJIS規格に基づく製品や、JIS B 1180の附属書規格に準じた製品では、M10が17mm、M12が19mmとなる場合があります。レンチやソケットを用意する際は、規格の版数だけで判断せず、現物やメーカーの仕様書で対辺寸法を確認することをおすすめします。
並目と細目の違い
同じ呼び径でも、ねじ山の間隔(ピッチ)が異なる2つの系列があります。
- 並目(なみめ):ピッチが大きく、一般的な締結に使われる最も汎用的な規格。単に「M8」とだけ指示された場合は、通常こちらを指します
- 細目(ほそめ):ピッチが小さく、同じ呼び径でもねじ山の間隔が狭いねじ。薄肉部材や、軸方向の微調整が必要な箇所などに適しています。並目に比べて締結時の調整がしやすい一方、ねじ山が細かいため、取り扱いには注意が必要です
特別な理由がなければ、並目を選ぶのが基本です。
ボルトの強度区分(4.6〜12.9)とは
炭素鋼のボルトには、「4.6」「8.8」「10.9」「12.9」のような2つの数字を組み合わせた強度区分があり、ISO 898-1で規定されています。数字の意味は次のとおりです。
- 前の数字 × 100 = 呼び引張強さ(N/mm²)
- 前の数字 × 後の数字 × 10 = 降伏点または耐力の基準値(N/mm²)
たとえば「8.8」は、呼び引張強さ800N/mm²、降伏点または耐力に関する基準値640N/mm²を示します。JIS/ISOでは3.6・4.6・4.8・5.6・5.8・6.8・8.8・9.8・10.9・12.9の10種類が定められており、一般に、強度区分の数値が高いほど高い強度を持つボルトです。一般的な締結には4.6〜4.8、機械の標準部品には8.8、さらに高い強度が求められる機械部品などには10.9や12.9が使われます。
ステンレスボルトの強度区分(A2・A4)
ステンレス製のボルトには、炭素鋼とは異なる表記(ISO 3506-1)が使われます。「A2-70」のように、鋼種を表す記号と強度区分の数字を組み合わせて表記します。
- A2:SUS304系に相当するオーステナイト系ステンレス。耐食性とコストのバランスがよく、汎用的に使われます
- A4:SUS316系に相当するオーステナイト系ステンレス。モリブデンを含み、A2より耐食性に優れています
- 続く数字(50・70・80):最小引張強さを100N/mm²単位で表します。「A2-70」であれば引張強さ700N/mm²です
屋外や海沿いの環境、薬品を扱う設備など、腐食への配慮が必要な場面ではA4系への変更を検討するとよいでしょう。
管用ねじ(PT・PF)とメートルねじの違い
配管の接続には、メートルねじとは別の「管用ねじ」が使われます。代表的なのが次の3種類です。
- 管用テーパねじ(旧JISでPTと表記されていたもの):現行JISでは、テーパおねじを「R」、テーパめねじを「Rc」と表します。先端に向かって径が細くなる形状で、締め込むことでねじ部が密着し、シール性を確保しやすいのが特徴です。実務では、用途に応じてシールテープなどのシール材を併用します
- 管用平行ねじ(旧JISのPF):現行JISでは「G」と表します。どこを測っても径が一定の形状で、密閉にはパッキンやOリングを使います
- 管用平行めねじ(旧JISのPS):現行JISでは「Rp」と表します。管用テーパおねじ(R)と組み合わせて使うめねじです
現行JISでは「R」「Rc」「Rp」「G」といった記号が使われます。古い図面や製品には「PT」「PF」「PS」という表記が残っていますが、実務上こうした表記を見る機会は今でも多いため、対応関係を押さえておくと図面の読み違いを防げます。
下穴径・ねじ込み深さの目安
タップ加工でめねじを作る際の下穴径は、「呼び径 − ピッチ」を基本的な目安として計算できます。たとえばM8(並目ピッチ1.25mm)であれば、8−1.25=6.75mmが一つの目安になり、これはねじ山のかみあい率が約75%となる値です。ただし、実際の下穴径は、タップの種類や加工方法、材質などによって異なるため、使用するタップメーカーの推奨値を確認してください。
また、めねじ側に必要なねじ込み深さは、材質だけでなく、ボルトやめねじ材の強度、ねじ径、ねじ山の種類、荷重、かみあい率、めねじの加工精度など、複数の条件によって変わります。一般に、めねじ材の強度がボルトより低いほど、必要なねじ込み深さは長くなる傾向がありますが、具体的な数値は個々の設計条件に応じて決める必要があるため、本記事では上記の下穴径の目安表を活用しつつ、ねじ込み深さは設計時に個別に確認することをおすすめします。
まとめ
ねじ・ボルトの規格は、呼び径とピッチで基本サイズが決まり、強度区分でボルトの強さが、鋼種記号(A2・A4など)でステンレスの種類が示されます。対辺寸法はJIS B 1180の本体規格と附属書規格で異なる場合があるため、レンチ選びでは現物確認が安心です。図面の指示や部品選定で迷ったときは、本記事の一覧表を参考にしてみてください。
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