株式会社山崎製作所

プロダクトブランド『三代目板金屋』

株式会社山崎製作所について
静岡県静岡市に精密板金でB to C商品に力をいれる板金加工メーカーがある。

株式会社山崎製作所だ。

女性ならではの視点で経営改革。

プロダクトブランド『三代目板金屋』を立ち上げる。

女性ならではの視点とは何か。

今回は代表の山崎かおり氏に、お話を伺ってきました。
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快く取材をお引き受けいただき、ありがとうございます。御社の強みやものづくりに対する想いをお聞かせください。

山崎氏

HPにも書いてあるのですが、「人材」「提案」「現場」「対応」の4つが揃っていることですね。
この4つはどれも人がかかわる部分です。
ものづくりの核心は人にあります。
世の中にいい機械はたくさんありますが、結局それを使うのは人ですよね。
機械と人を含めた工場を動かしていくのも人。
ですから、ものづくりは人づくりの現場っていっても過言ではないでしょう。
板金は、ロボットですべて代替できるような業界ではありません。
弊社の工場では、デジタルな機械と昔ながらの職人の両方で、難しい加工を実現しています。

ありがとうございます。板金加工は、人が力を発揮できる部分が多いという理解でよろしいでしょうか。

山崎氏

そうです。
弊社は、自社製品を作っていますが、これは想像力がなければいけない。
様々な情報をリサーチして、企画し、デザインする。
人なしにはできないことです。
設計にも同じことが言えます。
ただ図面を見るだけではなく、お客様の要望を的確に把握できなければいけない。
お客様が言葉にできなかったり、図面にできなかった部分を、こちらから提案することも重要です。
そういうところに付加価値がでますから。
この付加価値の部分を出すのは人の力ですね。

順調にお仕事をいただいている中で、イレギュラーなことが起きることもあります。そこで、きちんと対応する。
ここも人の力です。
先ほど申し上げた、4つの強みは一言でいえば、人の力ですね。

経営の部分で、かなり立て直しをされたと伺っています。

山崎氏

様々な改革をしました。
11年前くらいから始めたのですが、一言で言い表せないですね(笑)
わかりやすいところでは、工場の工程改善や設備導入。
設備導入は8年前におこなったのですが、引き続き改善をしています。
また、人間の力の話に戻るのですが、コミュニケーションを密に取れるように。
風通しを良くしてスムーズに対話ができるような会社づくりも目指しました。
あとは人材育成でしょうか。
若い人たちにきちんとバトンを渡して日本の製造業を守っていかなければいけない。
この会社から、小さな一歩を踏み出せるように、と思って取り組んでいます。


ありがとうございます。コミュニケーションの改革を実現するために、具体的にどのようなことに取り組まれたのでしょうか。

山崎氏

これも様々なことに取り組んでまして(笑)
ルール等の標準化や組織の工夫を行いました。
ピラミッド型の組織にならないためにはどうしたらいいのか。
というのも、一人一人が自発的に行動できるようになってもらいたいからです。
私の希望としては、全員が管理職のような立場で行動できるようになって欲しいと考えています。

自発性を重んじたことで、社員の中からB to C事業のかんざしやインテリア事業が生まれてきたのでしょうか。

山崎氏

自社商品開発は最初は社員からの声で始まりました。
まだまだ全員が自発的な行動ができるわけではないですが、
指示待ちではなく、自分で考えてどんどん工夫して動いていけるようになってほしいです。
経営理念を常に意識しながら目標を立てて、仕事を行えるように頑張って欲しいと思っています。
自社製品の開発は、少し前までは私が中心となって行ってきましたが、
今は、社員たちが自分たちで動き始めたところです。まだまだ心配なところはありますが、私はチームを見守っていこうと思っています。

静岡は機械加工部品の需要が多いと伺っています。そのような土壌の中で、今後はB to Cの方にも力を入れていくという理解でよろしいでしょうか。

山崎氏

弊社は、医療関連事業をやっていますので、特に医療機器の製造に力を入れています。
同時に、自社商品の事業も引き続き行なっていく。
人材を投入しながら、組織を作り上げ事業部門を洗練させていく。
そのように考えています。

自社内事業について、もう少し伺わせてください。デザインは社内で行なわれているのでしょうか。

山崎氏

ハローキティの髪飾りは、サンリオさんとのコラボレーションです。
きっかけは東京での展示会でして。
東京の展示会に出すことによって、様々な出会いがあります。
静岡だけで仕事していたのでは、なかなか会えないようなお客さまとの出会い。
展示会のいいところですね。


展示会に出展することでお仕事につながっていくことがある、と。

山崎氏

繋がっていきますね。
今、自社製品を販売をしているのは東京の百貨店さまです。
それから、全国展開の専門店を持っている大手の会社さま。
展示会で知り合って、実際に商品を見てもらえたことからつながることができました。
その場で気に入っていただいて、そのまま商談に至るというケースも少なくないです。

金属でできているというと、重そうなイメージを抱くのですが。

山崎氏

弊社の髪飾りは、軽いものは20gくらいで、一番重いものでも30gくらいです。
持ってみてください。
それほど重いという感じはありませんよね。

確かに木やプラスチックと比べれば、重いかもしれません。
でも、それらと比べれば非常に丈夫です。
どこが最大の特徴で、価値がありますよね。
輝きもずっと変わらないですし、ステンレスでできているので濡れても問題ない。
なおかつ、毎日使っても長持ちします。
他のかんざしと異なった価値のあるところです。

価格帯については、高いと仰られるお客様もいらっしゃいます。
でも、価値が分かる方にとっては、とてもコストパフォーマンスがよいと仰ってもらえる。
そういう方に届くように努力して販売しています。
デザインの関係で、複雑な加工をしなければいけないところがあります。
その点に関しては、弊社の職人が心細やかに作ってくれています。
これは単なる一ものづくり企業の自己満足ではなく、
真摯にお客様の声に向き合っていくことを肝に銘じております。
ですから、この価格帯でもお客様に選んでいただいています。

なるほど。そもそも、どのようなきっかけでかんざしに着眼されたのでしょうか。

山崎氏

当初は、私を含めた女性のチームで企画を始めて、インテリアを作ったんです。
金属だけでできているオブジェのようなテーブル。
ただ、重いし大きいしで、展示会に出展するのが大変でして。
毎回ヘトヘトになっちゃいました(笑)

それで、自社の技術で小さいものを作らないか、という話になりました。
社内で議論する中で、アクセサリーはどうだろうかとなったのですが、業界自体が成熟していまして。
そういうアクセサリー業界に板金屋さんとして、どのような価値を提供できるのか。
板金屋のルーツに遡って考えてみたんです。
そうすると、彫金職人の中にかんざしを作る職人がいたということに気がつきました。
彫金職人というのは、金属のような塊を火に当て、やわらかくする。
その後、叩いたり削ってたりして、成形する職人のことです。
そういう職人がかんざしの足や飾りの部分を金属で作っていたんです。
この部分を今の板金の技術で何ができるのか。
そう考えたらとても興味深くなりまして。
そこで、アクセサリーの中でも、かんざしに着目しました。

最初は現在のデザインのようなものではなく、もっとシンプルなものでした。
そこから研究を重ね、試作を繰り返し現在の形になりました。
そういう経緯ですね。


板金のルーツにそうような話があったのですね。デザインに関してなのですが、どなたか社内にデザインを学んだことがある人がいらっしゃっるのでしょうか。

山崎氏

いいえ、いませんでした。
デザインを社内でやろうと思ったのは、金属の特性がある程度わからないといけないからです。
もともと、私は板金の素人でした。
素人の目線で見てみると、金属って格好良いしすごい面白そうで。
これを何か形にしたいし、形にできるのは私たちだけだ。
そう考えて、自分たちでデザインすることに。
私の娘がデザイナーの部分を担っています。
彼女は板金技能士の資格を持っていて、板金のことをよくよくわかっています。
どこかのデザイン会社で勤めていたことも、デザインを勉強したこともないです。
でも、今では私たちは、板金デザイナーと呼んでいますけど(笑)。

ありがとうございます。せっかくなので、ものづくりの現場と女性の関係についてお伺いさせてください。

山崎氏

ものづくりをやりたいという女性は、結構多いですよ。
ただ、そのような女性を受け入れる環境が整っていないというのが現状ではないでしょうか。
機械や工具は、男性が使うことを念頭におかれていますね。
ですから、重たかったり、背が高くないと届かないという苦労が出てきてしまう。
会社の方が、その辺りを配慮してあげることが重要ですよね。
例えば、重いものを持たないですむような設備を購入する。
棚の高さも、低めに設定しなおす。
これは、女性でないと気づかない改善ポイントですよね。
女性の声を反映することで、環境を変えて働きやすい職場を実現する。
弊社だけではなく、ほかの会社さまにもそういう取り組みを積極的にしてほしいと思います。

最後に御社の今後の事業展開ついてお聞かせください。

山崎氏

一番は海外展開です。
去年から、市場調査を始めています。
実際に、フランス、アメリカ、シンガポール、中国の展示会に出展しました。
中国とアメリカでは、既に販売をしていますよ。
そこに至るまでは、なかなか大変でした。
小さな町工場が、海外で商品を販売していくにあたって、どのような方法がいいのか。
商品、売り方、道筋、いってみたら全てがわからない。
勉強と市場調査を同時並行で行なってきました。
その中で、だんだんと全体像が見えてきて。

後は、インバウンドのお客様向けの商品。
実際に、商品を見ていただいて買っていただけるように。
土地柄、なかなか外国の方が来られないという事情もあるので工夫して考えといけないのです。
ただ、静岡の清水港には豪華客船が年間約30艙強ほど来ています。
そこにチャンスがあるのではないかと感じています。
海外のお客さまに向けて静岡のものづくりをアピールしていきたいと感じていますね。


まとめ

女性が働きやすい職場作り。


歴史を遡り『三代目板金屋』でかんざし製作。

女性だからみえること、できること。

静岡の地から世界へとはばたく。

女性ならではの視点とともに。

加工技術

  • 板金加工
  • 金属・切削加工

基本情報

代表者名
山崎 かおり
担当者名
山崎 かおり
創業年度
1970年
メールアドレス
info@yamazaki-metal.co.jp
電話番号
054-345-2186 

住所

〒424-0065 静岡県静岡市清水区長崎241番地

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