有限会社 勝栄製作所

お客様のために、できるだけ早く。

有限会社 勝栄製作所について
福島県伊達市にスピード納品を強みにした精密板金加工メーカーがある。

有限会社勝栄製作所だ。

少量のものから、お客様のニーズにお応えし、

よりよい製品作りを目指している。

どうしてスピード納品が可能なのか。

今回は常務の石井智幸氏に話を伺ってきました。
シェア

本日はお時間を割いていただきありがとうございます。御社の得意な加工分野や強みについて質問させてください。

石井氏

強みといわれるとちょっと困りますね(笑)
他の精密板金屋さんと違いはないかもしれないです。ほぼ同じような仕事の業態でやっているかもしれないです。ただ、1つだけうちの特徴を挙げるとすれば、スピード。
これは他社さんに負けない自信があります。

なぜスピード納品が可能なのでしょうか。

石井氏

うちの場合、もともと業態を多品種少量のものに特化しています。
設備もそれ専用に整えて。そもそも、できるだけ量産品を作らないようにしているという方針でやっています。
お客様にもそのようにアナウンスするようにしています。その代わりにスピード対応。欲しいというお客さんの声にできるだけ応えることができるように。
遠隔のお客さんに、今日発送して欲しいと言われても応えています。
大体、午前中から午後3時くらいまでの依頼であれば、当日中に作り込んで発送していますね。
スピードに対してこだわりを持っているところが一番の強みで、お客様に信頼していただいているところなのかと思っています。
CAD/CAMのオペレーターを常時2名在中させていて、対応できるように工夫しています。

イレギュラーな注文があっても、対応できるような製造ラインを組んでいます。
その製造ラインの流れの中で加工可能ならば、イレギュラーな注文も一緒に加工してしまえばいいので。
繰り返しになりますが、多品種少量のものに絞ることで可能なわけです。

図面の出来不出来によって可能だったり不可能だったりということはあるのでしょうか。

石井氏

そうですね。
そこはお客様とお話させていただいて対応しています。
今日中に対応できるものなのかどうかは、お客さまもご理解いただいていますから。
お願いされても、難易度が高いもの、例えば加工不可のものが多ければ、納期の調整をさせていただいてます。

とはいえ、基本急ぎのものは非常に簡単なものが多いです。
ブラケットとか簡単な形状のもの。それへのスピード対応ですね。

お客様にもそこはご理解いただいて、良い関係を構築できています。
「お客様のために、できるだけ早く」を意識しており、その思いが実を結んでいるのだと思います。

発注の依頼についてお伺いさせてください。どのような発注が多いのでしょうか。

石井氏

特定の業者というものはあまりないかもしれないです。
うちでおつきあいしている中で多いのは、産業装置メーカーさんですかね。
あるいはその下請けさんから仕事をいただいたり、ということが多いですかね。
メインとなっている産業装置メーカーさんは日特エンジニアリングさん。
福島に工場を建てたときからのお付き合いでかなり古いおつきあいになりますね。

御社の公式Webサイト上で、太陽光発電パネルの架台・フレームを拝見しました。雪が多い東北ならではの工夫などはあるのでしょうか。

石井氏

まず太陽光パネルについていえば、震災以降に再生エネルギーを進めていこうという流れがあって、うちにもその流れの中でお話しが回ってきました。
あまり雪対策とかで工夫をしたということはなかったかもしれません。
もともと、社長とおつきあいのあった太陽光パネル設置業者さんとの打ち合わせの中で、フレームをお願いしていただいて。特に雪対策の工夫をして欲しいというお話はなかったと聞いております。
確かに、そこをきちんと意識してノウハウを蓄積しておくことも重要だったかもしれません。

半導体をやらないと決めてらっしゃると伺ったのでのすが。

石井氏

全くやらないというわけではないのですが。半導体は高い品質を求められる。
コストもある程度抑えられてしまっている。
納期もそんな簡単じゃない。
そういう風に思っています。
うちの業態からしても、半導体に対応できるような設備を揃えているわけではありませんから。
何度かチャレンジしたことはあるんです。20年くらい前ですかね。ここの工場を建てた当初にそういう依頼がありました。
修正、作り直し、手戻りが多くて。
あまりいい思い出がないですね(笑)
7、8年くらい前にあるメーカーさんから新規の発注があったときに、作り直しを要求されたことがあって。
よくよく聞いてみると、半導体関連の部品で。
やっぱり厳しいなって感じました。

板金加工の見積りの難しさについてお伺いさせてください。

石井氏

長年の経験や感覚が重要だなと思います。うちのような10人規模そこそこですと、仕事が沢山舞い込んできてしまうと、どうしてもキャパオーバーになってしまうことがあります。
時期的な問題でもあるのですが。
繁忙期は、どうしても適正価格の中で見積りの単価を若干上下をさせないといけない。
純粋な案件での見積りだけではなくて、繁忙期や納期の厳しさで見積りをしないといけないことがあります。
でも、すべてのお客様に満足してもらえるかどうかということを考えると、反省点になるかもしれませんね。
引き受けたものに関しては、もちろん誠意をもって対応しています。

他の業者さまから、リーマンショックのときに仕事がたくさん減ったと伺っています。御社ではあまり影響なかったとのことですが。

石井氏

その時は、確かに仕事が減りました。
通常が100だとすると、70~80くらいに減りましたかね。
でも、それ以上は落ちませんでした。
というのも、メインのお客様の他にもおつきあいしているお客様がいました。
そこから、少しずつですけど、お仕事を回していただいて。言ってみれば、お客様との横のつながりに助けていただきました。
だから、急激に仕事量が落ち込むということはなかったですね。

私の記憶ですと、リーマンの時よりもITバブルの頃の方が仕事がなかったかなという印象で。
全く仕事がなくなったので。
ただ、それの理由が未だに分かっていません。
何の関係があったんだろう(笑)
バブル崩壊の時よりひどかったですから。
そこは謎が解けないんですよ。

地元の産業振興会からお仕事の斡旋があると伺ったのですが。

石井氏

正確には、福島産業振興センターさま。
県の機関になっているのですが、こちらに登録をさせていただいています。
そこでは、少なくとも年に一回は商談会があります。そこで受発注のマッチングをさせていただくことがあります。
そちらの方に、精密板金の仕事で問い合わせがあると、うちにお仕事を紹介してもらうということもあります。

福島産業振興センターさまとは、先代以来おつきあいさせていただいています。
ありがたいことに、今は参加する必要がないというぐらい仕事をいただいている状態でして。
商談会でのお客様には、既存のおつきあいをしている業者さまがあるはずで。
うちは保険として使ってください、くらいでお願いしています。

ものづくりに携わる仕事として、大切にしていることはございますか。

石井氏

やはり納期もそうですけど、お客様の困ったに対して、誠実に対応させていただくことでしょうか。
納期と品質、ここはお客様に真摯に向き合おうということで重点的にやっています。
繰り返しになりますが、スピーディーに対応することがうちの強みです。

御社の課題や業界の課題を伺ってもよろしいでしょうか。

石井氏

弊社のことで言えば、今は目の前のことで精一杯でして。未来のことを考えられていないことに危機感を感じています。
現状に満足してては、次につながらないのでダメだと思っています。
今後のことを考えて、何が必要になるのか、ここ数年のうちに種をまいておかないといけないなと考えています。

業界の問題というか、これは弊社の問題にもなってしまうかもしれないのですが、後継者の問題は大きいです。
なかなか「後継者がこの人だ」という人がいない。
人はとても大事で、既存のお客様に満足していただけるような人でなければならない。
そのような人をしっかり見極めて教育をしなければいけないと思っています。

私のことで言えば、先代社長は親父なのですが、何か教えてもらったという感覚はないですね。
ある程度のアドバイスはありましたけど、後は背中を見て学べという感じでした。
とはいえ、それを蓄積していかないとなかなか手に職がつかないところもあって。
この業界は、新入社員が入ったからといって、即戦力になるわけではないです。
もちろん図面が読める人はいたりします。
ただ現場に入れるかというとなかなか難しい。

人を育てるのに何年もかかる。
そこが、この業界の難しいところだと思います。
とはいえ、失敗しながら、実績を積み上げていくしかない。
だから、できる範囲でどんどん失敗していける環境をつくってあげることも、経営者としては重要だと考えています。
もちろん、お客様の期待に答えることが前提ですけどね(笑)

頂いたMitsuriの記事をいくつか読みましたが、やはりみなさんこだわりを持って仕事をされていて。
経営も筋が通ってらっしゃっていて。
うちも見習って、そのような筋を通した経営をしていかなければいけないですね。
とても刺激を受けています。


まとめ

お客様のために、できるだけ早く。
生産設備、人材配置もスピード対応に特化。

当日中に作り込んで発送。

福島の超特急。

それが勝栄製作所だ。

加工技術

  • 板金加工
  • 金属・切削加工

基本情報

代表者名
石井 達哉
担当者名
石井 智幸
従業員数
13名
創業年度
1976年
メールアドレス
shoei@sea.plala.or.jp

住所

〒960-0757 福島県伊達市梁川町幸町40

他の工場も見る