株式会社下井田製作所

解析に取り組んだ歴史も早い

株式会社下井田製作所について
群馬県みどり市に、成形解析に強みのある板金加工メーカーがある。

株式会社下井田製作所だ

各種金型の機械加工サービス業として創業、設立。

自動車の足回り関係を中心に対応。

株式会社下井田製作所の取り組みは、いかなるものであるのか。

今回は、代表取締役の下井田秀一)氏にお話を伺ってきました。
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快く取材を引き受けていただき、ありがとうございます。まずは、御社の事業内容を教えてください。

下井田氏

売り上げが高い順でいくと、自動車の板金部品の試作ですね。
その次が、各種金型の切削関係の機械加工。
加工の工賃だけいただいています。
試作が終わった後の量産の金型製作。
後は、最近少しずつ出てきているのが、少量生産品。
作り方は試作と同じです。
少量生産品は、少しずつこれからも取り組んで行こうと思っています。

自動車の試作と一言でいっても、分野が広くて。最近の新聞に出てくる言葉で、CASE  (conectted Autonomous Shared Electric)。
こういう分野の開発競争が激しくなりました。
私たちがやっているもの、いわゆるキャビン・エンジンが乗るための器、箱物の一部、骨組みや内側は、従来部品と呼ばれるようになりました。
CASEに関わる、より良いものを作ったところは、自動車業界で次の時代に大きく羽ばたくだろうと言われています。
従来の部品は、後から考えればいい。
業界全体で、そんな風潮ですよね。
この10年来、その傾向がありましたが、さらにその傾向が強くなりました。
自動車メーカーの試作開発費の予算の振り分けで、従来の部品には、大きなお金は落ちなくなっています。
結果として、自動車の板金製品試作の仕事量が減っています。
だからといって、われわれが急にCASEに関われるかというと、全然畑が違いますからね。
弊社のノウハウ、設備、技術を生かし、売り上げ減少に対して、何かをしていかなければならない。

それを考えた時に、試作と言う言葉を頭から消すと、板金製品の少量生産なわけですよね。
これまでは、自動車部品の試作品しか、作っていなかったわけですけど。
同じ作り方で作れるのであれば、もう少し幅広く考えて、受注活動をしていきたいなと。
これまでのお客さんを大事にしながら、結果的にうちのできることの間口が広がっていくように、自動車板金試作に限らない体質づくりを狙っています。


御社の強みについて、お伺いしてもよろしいでしょうか。

下井田氏

もともと弊社は、根っからの板金試作屋として、スタートしていないんです。
機械加工屋なわけです、もともとね。
それが段々に発展して。
その試作メーカーとしての歴史も、20年くらいあるんですけど。
昔から、自動車板金の試作屋が、お客様から何をあてにされていたかというと、ハンマーで叩いて、どんなものでも形にする技術なんですよ。
それも、本当に、手板金と言うやつで。
昔は図面もざっくりしたもので、あとは、手板金屋さんがハンマーで叩きながら、どんなものでも形にできる。
それが、本当に技術のある試作屋だったわけです。
うちもそういう技術が全然ないわけじゃないけど、そういう技術者ってうのは、本当に何十年選手です。
試作板金屋から始まっていないので、その手の板金職人を大勢抱えているわけではない。
板金部品の肝になる技術があまりなくても、弊社がやっていられるのは、理由があります。
それは、金型で形にしようとしているからなんですね。

金型で形にされるのですか。

下井田氏

はい。
うちの場合は、ハンマーによるハンドワークがあまり得意ではないから、なるべく金型で試作品を作るようにしています。
金型でほぼOKというところまで。
そういう作り方をずっとしているわけです。
そのためには何がいるかというと、シミュレーションですね。
要は、成形解析です。
それを、ずっとやってきたわけです。
うちの場合は、製品の形を解析して、型を作って。
うちは機械加工が得意だから、今でも金型を預かって、賃加工だけもたくさんやるくらいです。
金型を他に頼んで、削ってもらうなんて、ありえないわけですよ。
うちは、全部中でやるから、スピードが早いわけです。

解析に取り組んだ歴史も早いです。
シミュレーションシステムは維持費がかかりますから、結構な金額取られているんですよ。
バージョンアップのデータが入ったディスクが送られてきて、インストールするだけなんですけど。
常に最新化していくための保守契約の費用が、えらいかかるんですよ。
まだ発展途上のシステムだから、契約していないと意味がないので、払ってでもやるんですけど。
うちは、それを2社と契約して、2種類持っています。
使い分けながら、解析を行っているのが、うちの強みですね。


解析に強みをもつ業者さまというのは、珍しいように感じます。

下井田氏

最近は、お客さんの試作屋への要求も変わってきています。
解析から最適金型を作っていく設計能力とか、工程設定能力とかを、求めているお客さんが増えています。
軽量化の要求の中で、ハイテン材が増えているからです。
超高張力鋼板ですね。
成形が難しいわけです。
試作も難しいのですが、量産はもっと難しいです。
設計者は、いろいろな形にしたくて、いろいろな設計をするわけですよね。
だんだん難しい格好になっていくんですよ。
なおかつ、ハイテン材で難しい形にしようとすると、成形の難易度が上がるんですよ。

試作で叩いていいのなら、どうにでもなっちゃいますけど。
叩いてできて、試作車を走らせてOKだから、これで行こうとなった時、量産できませんと言われたら、計画が立たなくなっちゃうでしょう。
試作しながら、成形性や量産可能かどうかの見極めをしているわけですよ。
システム上でシミュレーションし、できた金型はこれで、何工程でできますよと。
そういったやりとりが、重要になってきているんです。

今は試作レスと言うくらい、純然たる試作の領域が減ってきて。
量産性を見極めながら、生産性をどうやって上げていくのか、一緒に行う試作開発に変わってきています。
お客さんと同じ土俵で、同じデータを持ちながら話ができる。
その上で話し合い、悪いところがあれば、修正の提案をしたり、そういうキャッチボールをお客さんが求めています。


試作から量産に移る時に、どうされていたんですか。

下井田氏

試作は試作金型や手作業で、形になって。
量産金型は量産金型で検討と別物です。
試作は簡素化していますから、1工程か2工程。
量産は、5工程くらい。
作り方も、量産品で、ハンドワークが入っているようじゃ、意味がないわけですから。
金型で全てを解決して、金型から外に出てきたときには良品だと。
狙いや精度追い込み方が違うんですけど、試作段階での情報が欲しいと。
最初からどうにも成り立たないものをやっても無駄なわけですよね。
成り立たないかどうかを最初に見ておかないと。
量産化段階で出来ないと言われても、発売の日程が組まれたら、後戻りが効かないわけですから。
だから、上流で見極めたい気持ちがありますよね。
下流で、こりゃダメだになったら、えらいことになっちゃいますから。
従来型の試作の仕事がどんどん減ってきています。
じゃ、ないかといえば、あるんですけど、トータル的には相当減っている気はしますね。
ただ、そういうところで揉まれているわけで、量産金型の設計製作や小ロット製品製作の世界に入って、上を目指したいなと思っています。

今までで一番難しかった加工、印象に残ったエピソードについて、お教えください。

下井田氏

秘密保持契約があるので、お話しするのが難しいんだけど、形状的に難易度が高いものは、過去にいくつもありましたよ。
納期的なこともそうですよね。
材料的にも難しいものがありますね。
超高張力鋼板とかね。
実質980Mpa(メガパスカル)とかでも難易度が高いんですが、1500Mpaもやりましたね。
材質の難しさ、形状の難しさ、納期の厳しさ。苦労したけど、なんとかなって、お客さんに感謝されたというのは、いっぱいありますね。

ものづくり業界全体で、後継者不足が課題になっています。この問題について、どのようにお考えですか。

下井田氏

それは全然心配していないですね。
経営面では、うちの息子や若いのも育っていますし。
現場で言えば、うちは若い世代が多いですし。
定年者もここ何年かで何人か出ていますけど、上手くつながっていると思います。



若い方を、どのように採用されていますか。

下井田氏

基本的に、工業高校の新卒しか採っていません。
もう25年くらいになるかな。
高校を卒業して、うちの会社しか知りませんって人が、40歳を過ぎてきていますから。
なかなか採用も大変ですけど、実績もあるので、つながっていますね。
学校のご理解もいただいています。

板金にしても、機械加工にしても、機械産業化が著しいと思うのですが、この点についてはいかがでしょうか。

下井田氏

確かに、機械加工にしても、昔ながらの職人仕事というより、今あるシステムをどう使いこなすか、というところにきていますね。
でも、機械さえあれば、なんとかなるわけではないです。
新しいシステムや最新の工具を組み合わせて、使いこなすには、ノウハウが要ると思います。
シミュレーションがあるんですけど、この形状をプレスするには、こういう金型設計にしたらどうかなとか。
実際にやらなくても、板が割れちゃうとか、シワが寄っちゃうとか、計算してくれるわけです。
シミュレーションを作ってくれる会社にいうんですけど、「正解を教えてくれないけど、いつ教えてくれるの」って。
当分無理ですよって言われます。

昔だったら、やってみないとわからない。
まず、型を作るしかないわけですよ。
作ってみたら、割れちゃったとか、シワが寄っちゃったとか。
トライアンドエラーを繰り返していたんですよ。
今は、シミュレーションで、結果を予想してくれる。
結果の的中率がかなり高くなっているわけで。
90%を超えるようになってきたと思います。

ところが、こういう製品でこういう傾向があるときに、ここをいじると、直る方向にいくとか判断できるのは、まだ今のところ人間の経験値なんですよ。
そのうち、AIでも使って、正解を教えてくれるようになれば、誰でも同じものが作れる時代がくるかもしれないけど。
今のシミュレーションは正解を教えてくれるわけではないから。
操作したり、アイディアを入れている人間に、経験値やノウハウがないと、よくならない。
シミュレーションさえ導入すればうまくいくかといえば、全くそんなことはありません。


お仕事をなさる上で、一番大切にしていることを、お聞かせください。

下井田氏

信用ですね。いい信用を作りあげるのには時間がかかるけど、失うのはあっという間ですから。実力であったり、納期であったり、機動力であったり。言葉だけではなく、結果で示しながら、積み重ねて、信用を得ていく。だいたいお客さんの評判は悪くないんです。どれも1回取引が始まれば、評価はいいんです。ところが、評判を足し算して、一年の売り上げにすると、売り上げが足らねえんだよ。だからと言って、作る側の都合がいいように、平均に仕事が並んで入ってくるなんて、そんなことはないんだよ。大ホラ吹いて仕事を取れば、どこかで必ず無理なヤマが出てきますから。そこで絶対に、仕事が雑になって、やりきらなくなって、納期が守れなくなったりするんで。慎重になるから、評判がいいんだけど、売り上げにはならんのかもしれませんが。そのあたりの兼ね合いは難しいですよね。ただ、どっちを優先しているかといえば、とにかく信用ですね。


まとめ

各種金型の機械加工を得意にし、自社で金型製作。


自社で一貫生産することで、短納期を実現。


成形シミュレーションで、今のニーズに応える。


株式会社下井田製作所は、仕事を通じて、信頼の明日を築く。


加工技術

  • カット・穴あけ加工
  • 曲げ加工
  • 抜き加工
  • 成型加工
  • 溶接
  • 塗装
  • めっき
  • 組立
  • 検査
  • 仕上げ・研磨

対応材料

  • 鉄鋼
  • 表面処理鋼板
  • ステンレス
  • アルミニウム
  • その他
  • 銅・真鍮
  • 板プラスチック

基本情報

代表者名
下井田 秀一
担当者名
下井田 秀一
従業員数
35名
創業年度
1971年
メールアドレス
ss@shimoida.co.jp
電話番号
0277-72-2359

住所

〒376-0102 群馬県みどり市大間々町桐原385-2

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