有限会社三高工業所

精密板金加工、精密プレス加工なら

有限会社三高工業所について
神戸市西区に超微細金属プレスを実現する金属加工メーカーがある。

三高工業株式会社だ。

昭和11年の創業以来、培ってきた技術で精密板金加工を実現。

特にパッキン類に強みを発揮してきた。

今回は代表の髙田昭彦氏にお話を伺ってきました。
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快く取材を引き受けていただき、ありがとうございます。まずは、御社の事業内容や強みを教えてください。

髙田氏

基本的に、一品一様の製品を作ってます。
図面をいただいたものだけではなくて、自分で図面を引いて製作をしたりもします。
弊社は、もともとプレス屋でした。
ですから、メインはプレスで板金もやっているという形です。
製品としては本当にさまざまなものがありますね。
造船あり、電車の車両もあり、建築関係もあり、ロボットの部品もあります。
全体的に、小物と薄物を多く手がけていますね。

ありがとうございます。80年ほどの歴史がある中で、ずっと小物、薄物に特化されてきたのでしょうか。

髙田氏

そうですね。
板金は、ここ2、30年ですが、プレスものは昔からです。
昭和11年の創業以来だと思いますね。
弊社が得意にしてきたのは、パッキン類なんです。
ワッシャですね。
ワッシャと一言で言っても、大きいものから小さいもの、厚いものから薄いもの。
本当に様々です。
旋盤をかけたもの、0.1ミリのもの、かなり変わった形のものなども手がけてきました。
中には、0.01ミリのものもありますよ。
相当精密なものに使っているはずですが、何に使っているかまではわからないですね。

なるほど。御社の人の部分についてお伺いさせてください。

髙田氏

従業員は10名ほどです。
全員が製造ですね。
人手不足で困っているということはないのですが、平均年齢があがってきてしまっていますね。
ちょうど50歳くらいになってきていると思います。
少し高いですよね。

ありがとうございます。これまで手がけてきた中で難しかった加工であったり、苦労した案件などございましたら、お伺いさせてください。

髙田氏

あまり難しい加工を依頼されてきたときには、断るようにしていますね。
信じられないような公差が来ることがあったりするので。
苦労した案件で言えば、写真しかなかったものをつくったことですかね。
設計からやったので、結構苦労しました。
1年くらいかかりましたね。
ある会社さんがデモだけつくって、それを改良して欲しいと言ってきたんです。
デザインを担当していた方が、形がよくないと言って、写真だけデモ先に送ってしまったようで。
で、弊社にこの形に近いものをつくってほしいという依頼が来て。
このくらいの値段でつくってくれないか、と。
かなり苦労しましたね。
板金でつくったのですが、結構うまくできたかなと思っています。
そういう意味では、思い出深くもありますね。

そのお仕事はリピートで続いていったのでしょうか。

髙田氏

しばらくは、やっていましたね。
ただ、3、4年くらいで鋳物になりましたね、結局。
最終的には、コストダウンのために中国に出したみたいです。
最初、2割くらいコストダウンしてくれないかという要望は来て。
弊社で、できないこともなかったのですが、中に電子部品のものもあって。
そこを手がけているところも、2割くらいのコストダウンを飲まなければいけなかったみたいで。
ただ、そこがオーケーを出さなかったみたいですね。
で、話が流れてしまいました。
で、最終的に鋳物になったみたいですね。
今は、なかなか難しい時代ですよ。
量が出るものは、最終的に中国いってしまいます。
弊社の製品もかなり出ていってしまいました。


ありがとうございます。今、町工場に再び仕事が戻ってきているという話を伺ったことがあります。

髙田氏

関東では多そうだけど、関西ではそういう話はあまりないように思います。
関東の方も、今は忙しいみたいですけど、この先どうなるかはわからないでしょうね。
アメリカと中国がもめている問題も、どう波及してくるかわかりませんし。
私の友達が関東にいて、話を聞いていますが温度感が全然違いますね。
仕事のボリュームも、価格もすごいみたいですよ。
でも、人が足りなくて仕事を取れないって言っていますね。
美味しい仕事は、いくらでもあるけど。

なるほど。御社の場合は、関西圏のお客さまが多いのでしょうか。

髙田氏

ほとんどそうですね。
昔は、北海道から九州までいたんですがね。
名古屋くらいまでは、まだあるかな。
急に仕事が来なくなるんですよね。
これまでずっと来ていたものが、パタッと止まる。
怖いですよね。

関西の方は、震災時に苦労されたと伺っています。

髙田氏

もともとは、神戸市の長田というところに本社がありました。
工場自体はこちらに移転していたのですが、機械が踊り狂ったり、在庫棚がひっくり返ったりということもありましたね。
それで、最初の2日間は閉めて、その後に掃除とか在庫整理とかやりましたね。
父が、とにかく立て直そうって言って、音頭を取ったんです。
従業員も来てくれていましたからね。
あの当時は、30人ほどいましたね。
自分だったらどうだったかな。
でも、父の決断は早かったですね。
明日どうなるかわからない。
直しても、また地震がきたらひっくり返ってしまう。
そういう中でやっていましたね。

ありがとうございます。何か挑戦していることや新しい取り組みなどございましたら、お伺いさせてください。

髙田氏

正直していないですね(笑)
今は、防御態勢です。
中国とアメリカの関係を見ながら、どうなるのかなって考えながら。
今、中国が世界の工場になっていますよね。
これは僕の考えなんですけど、向こうの製品の中に日本でつくったものが多く組み込まれていると思っています。
ロボットなんかまさにそうで。
アメリカが中国製品を買わなくなったらどうなるのか。
今まで順調に流れていた仕事がパタリと止まる可能性が高いと思っています。
ですから、今は拡大はしない。

あとは、お客さん言われたことを一生懸命努力することが大事です。
これが一番時間がかかりますけども。
勉強させてもらっていると思ってやっています。
単純にお金のことだけを考えていたら、絶対にできませんけどね。ただ、受けた仕事は最後までやりきりたい。

ありがとうございます。現状、新しいお仕事の依頼とかも少なくなってきているのでしょうか。

髙田氏

それは来ますね。こんなものできませんか、とか、あんなものできませんか、って。
簡単な形のものだけど、短納期でお願いできないか、とか。
ただ、最近のお客さまの傾向として、図面を一回一回出してくるということがあります。
前の図面を使いまわしてもらっても、構わないのですが。
新しい図番で、どんどんどん出してくるんですよね。
そうすると、どこが変わったのかぱっと見でわからない。
同じものであれば、前と同じものですから、同じ値段でやりましょうと見積りとかも出しやすいんですけど。
図面件数は多くなってくるし。
見積り出さなければいけないと思って、見ていると前のものと一緒だったみたいなこともありますよ。

なるほど。今、御社が実感されている課題や板金、プレス、金属加工業界全体の課題などございましたら、是非お伺いさせてください。

髙田氏

事業承継の問題でしょうかね。
後継者不足でやめていく会社さんが結構あります。
それから、金型には困っていますね。
簡単な金型であれば、自社でつくってしまうのですが、難しいものは金型屋さんに出さなければいけない。
でも、出していた3件のうち、2件はもう閉めてしまいましたね。
残っているのは、後1件ですよ。
何百億って売り上げを出すようなところだったのですが、相手が中国で。
金額がもう全然違ったみたいですね。

中国の金型の技術が伸びてきている。

髙田氏

伸びてきていますね。
しかも、圧倒的に安い。
3分の1の値段でやってしまうみたいですよ。
ただ、その代わりショットはもたないみたいですね。
1万、2万のショットであれば大丈夫だけれど、何十万、何百万というショットはもたない。
ただ、そういう強い金型をメーカーがいらないと考えてきているみたいですね。
今は、製品のサイクルが早くなってきていますからね。
そういう時代状況の中でも、自分たちの強みをきちんと発揮していかなければいけませんね。


まとめ

小物、薄物を強みに。


造船、電車車両、建築関係、ロボット。


様々な分野にまたがって事業を展開。


80年を超える伝統を今に活かす。


精密板金加工、精密プレス加工なら。


有限会社三高工業所へ。

加工技術

  • 板金加工
  • 金属・切削加工

基本情報

代表者名
髙田 昭彦
担当者名
髙田 昭彦
従業員数
10名
創業年度
1936年
メールアドレス
press@sankou-kougyou.jp
電話番号
078-927-1533

住所

〒651-2132 兵庫県神戸市西区森友2-47-1

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