株式会社ニューテック

「プレス・板金ファクトリー」の営業力

株式会社ニューテックについて
群馬県伊勢崎市に積極的に情報発信する板金加工メーカーがある。

株式会社ニューテックだ。

オンライン上で、「プレス・板金ファクトリー」を展開。

自社の技術を惜しみなく提供する。

なぜ、積極的に情報発信をするのか。

今回は、代表の新井龍一氏に話を伺ってきました。
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快く取材を引き受けていただき、ありがとうございます。まずは、御社の事業内容を教えてください。

新井氏

まずは、試作加工ですね。
安定生産が可能かどうかを検証するような試作はもちろん、特急対応が求められるような試作にも対応しています。
それから、プレス加工。
弊社は、もともとプレス加工の会社でした。
そのため、高精密度が求められる板金加工、プレス加工を実現できます。
溶接から組立加工もおこなうことが可能です。
CO2、アルゴン、TIG溶接、スポット溶接など様々な溶接方法に対応できます。
その中でも、薄板の精密板金を得意にしています。
試作から量産まで一貫加工できるところに、弊社の強みがありますね。


ありがとうございます。ウェブ上でプレス・板金ファクトリーという事業を行っていると伺っています。

新井氏

はい。
先代からバトンタッチした時点で、これまでとは異なる仕事の仕方をしようと決めました。
具体的には、一社依存の体制を変えていくことにして。
そのためにどのように営業をしていったらいいのか考えました。
それが、「プレス・板金ファクトリー」です。
スタートしたのが大体6、7年前。
これまでもデータのやり取りができればものをつくることができました。
昔はFAXでやりとりをしていましたが、今はネットの時代ですからね。
発注元も近隣の企業である必要はありません。
配送も、流通網が発展してきましたので、全国どこでも納品することができますよね。
じゃあ、これで商売ができるのではないかと、と考えて始めまして。

始めは手探り状態でしたが、だんだんと軌道に乗ってきましたね。ただ、発注いただいたものがすべて仕事につながるかというとそうではないです。
10パーセントくらいでしょうか。
弊社で、実現できないような加工が舞い込んでくることもありますし。
これ一個だけ作ってください、というようなものもありまして(笑)
弊社の立場としては、自社の強みをいかしていいものを作りたい。
なおかつ、長いお付き合いができるようなお客さまと仕事がしたいです。
そのように考えると、どうしても10パーセントくらいになってしまいますね。


なるほど。ウェブを活用して仕事をされている中で、難しいことなどございましたら是非お伺いさせてください。

新井氏

やはり、相手の顔が見えないところですね。
一番気を遣うところです。
もちろん、電話でやりとりはさせていただくのですが、実際に顔を見ながら話しをするのとは全然違いますから。
例えば、本当に加工先がなくて困って依頼をいただいているのか。
それとも、単に相見積もりのためだけに注文いただいているのか。ここら辺の判断はとても難しいです。
ウェブの世界といっても、人間関係は大事にしたい。
そういう中で、どれだけ時間を割くことができるのか。
なかなか見極めるのが難しいです。

ただホームページを置いているだけではなくて、情報発信されている点がとても興味深いのです。

新井氏

ホームページだけ置いていてもあまり魅力ありませんよね。
みなさん自社のホームページを作ってらっしゃいますけど、なかなか差別化が難しい印象を受けています。
何とか製作所、何とか鉄工所、何とか株式会社。
お客さまの目線に立ったら、固有名詞の会社というのはクリックしづらいように思います。
違いがあまり見えてこないですから。
弊社も、ニューテックという固有名詞のホームページを持っているので、よくわかるんですよ。
でも、「プレス・板金ファクトリー」っていう名前ですと、何だか総合商社っぽいですよね(笑)
気軽に問い合わせしても、丁寧に対応してくれそうじゃないですか。
ブランディングとまでは言わないですけど、そういう意識で情報発信をしています。


なるほど。これまでに、特に難しかった案件などございましたら、お伺いさせてください。

新井氏

弊社に問い合わせが来るような案件は、今よりもいいものをより安くできないかというものが多いです。
これは難しい注文ですよね(笑)
ただ、弊社もこれまでに蓄積したノウハウがございますから。
そこで、VE提案をさせていただく。
これまでと工程を変えていただくような。
例えば金型の一部を弊社でつくれば、高い品質のものを安くできますよって、提案します。
難しい注文にきちんと答えることで、お客さまに喜んでもらえています。
ニューテックに頼むと新しい知恵を使って、良い物を作ってくれる。
そういう期待をもってもらえるように、お客さまに向き合っていますね。

ありがとうございます。ちなみに、発注をされるお客さまというのは、板金やプレスの知見をお持ちなのでしょうか。

新井氏

様々ですね。
全くないような方もいれば、非常に高い知見を持っている方もいらっしゃいます。
全くないような方には、製品の用途を伺いながら、材料まで提案させていただくようなこともあります。
「その用途であれば、今使用されようとしている材料よりも、こちらの材料で十分要求を満たせて、かつコストを抑えることができますよ」とかですね。

パンフレットにも、できるだけ情報を盛り込むようにしています。
これまでのノウハウを詰めたようなものですね。
提案などをしていると是非教えてください、という声もあって。
そういう要望にできるだけお答えできるように。
それも一つの営業の形ですよね。
パンフレットの要望があったら、こちらから送付します。
それでチャンネルが1つできるわけですから。
日頃からそのような活動をしていることで、一般的な営業もしやすくなっています。

情報は発信すれば発信した分だけ営業はしやすくなります。
お仕事さえいただければ、実際にものをつくって、品質と納期とコスト感で勝負していけばいいので。


ありがとうございます。見積もりの速さについてもお伺いしたいのですが。

新井氏

60分クイック回答ですね。
それもできるだけ、お客さまに喜んでいただきたいからです。
それよりも早く回答することもありますよ。
とはいえ、どうしてもじっくり見積りしなければいけないものもございます。
じっくり積算しなければ、値段が出ないような依頼もございますから。
何でもクイック回答すればいいというものではなくて、どうしたらお客さまによろこんでもらえるか。
それを第一に考えて、臨機応変に対応させていただいています。

見積りをされる中で難しくなってくるのは、どんな部分でしょうか。

新井氏

やはり難しいのは、どのくらいの費用感であればお客さまに納得していただけるのか、という点ですね。
いつも頭を悩ませています。
というのも、弊社も企業ですから、ものをつくってお金を儲けなければいけない部分があります。
そして、それを従業員に還元しなければいけない。
高く見積りをすれば受注できないですし、安く見積りすれば受注はできても儲からない。
高い安いというのも、どのような業界で使われるものなのか理解しなければいけない。
同じような品物であっても、業界ごとに価格が異なったりしますから。
そこら辺の見極めに、見積りの難しさがありますね。

費用やコストの点についてもう少しお話を伺ってもよろしいでしょうか。

新井氏

費用やコストは、どうしても海外と競争するのは難しいものがあります。
難しい部分ではあるけれども、利益がでるような仕事が国内にないかといえば、そうではない。
まだまだ国内にも良質な案件があります。
問題は、そのような良質な案件にどのようにして出会うかというところでして。
ある意味では、そこが重要な仕事ですね。
一言でいえば、営業の問題なのですが。

とはいえ、そこの見極めは難しいです。
例えば、ソーラー関連のもの。
一時期、とても業界で流行りました。
でも、流行りものというのは必ず廃れます。
弊社の方針として、流行りものに手を出さないようにしています。
流行りもののよりもニッチなもの。
そういうものを狙っていこうという方針を持っています。


ありがとうございます。遠方のお客さまの注文というのもあるのでしょうか。

新井氏

あります。
例えば、尼崎や神戸のお客さまもいますね。
大きな仕事をいただいているという関係もあって、ご挨拶するようにしています。
スタートのきっかけは、ウェブでのご注文だったのですが。
とはいえ、すべてのお客さまに挨拶するわけにはいきません。
全くどんな方わからないまま、お仕事をすることもあります。
これは楽天のようなサービスがまさにそうですけど。
売っている人に会わないで品物を購入することってありますよね。
その場合は、いい品物であるかどうか、ちゃんと対応いただけたかどうかだけが問題で。
弊社としては、いい製品を納めることで、またリピートの注文がいただければいいので。

なるほど。少し大きな話になるのですが、業界全体の課題として担い手不足の問題があります。この点についてのお考えを伺わせてください。

新井氏

弊社は、派遣を基本的に使わないようにしています。
製造業界は派遣を使う会社が結構あるのですが。
というのも、知識や経験をためて、そのノウハウを伝承していかなければいけないという部分がありますので。
派遣は、一時的には戦力にはなるけれども、必ず去っていきます。
人事は、採用したらその人がどれだけ長きにわたって働いてもらえるのか。
辞めない会社を作るのが、ある意味では社長の仕事だと思っています。
風通しの良い、ものを言いやすい会社をつくる。
そこには、非常に気を遣っています。

弊社の平均年齢は、周辺音同業者様と比べると若いように感じています。
また、定年は60才ですが、その方がまだ働きたいと仰れば、働いてもらっています。
そこから、延長採用でパート採用にはなるのですが。現場で年配の方が結構いますが、その方々はパートさんです。
質問いただいた担い手不足の問題も含めて、業界的にはどんどん自動化が進んでいます。
弊社では、まだ自動機をあんまり入れておりません。
が、今後はどういうところに対応していくことも視野に入れています。
そこで、きちんと自動機な自動機を変えるだけの体力をつけて温存しておくことが重要だと思っています。

担い手不足の問題からは外れてしまうのですが。
結局、ものづくりは、品質であり、コストであり、納期でありが重要です。
ここで、お客様に喜んでもらえるように真摯に努力する。
そのためには、営業力が重要です。
弊社も、まだまだだと思っています。
もっと営業に力を入れて、多くの方に喜んでいただけるような会社にしていきたいです。


まとめ

積極的に情報発信することで他社との差別化を実現。


情報を発信すればするほど営業がしやすくなる。


それは、仕事に絶対の自信があるからできること。


ニューテックは「プレス・板金ファクトリー」の営業力で戦い抜く。

加工技術

  • 板金加工
  • 金属・切削加工

基本情報

代表者名
新井 龍一
担当者名
新井 龍一
創業年度
1977年
メールアドレス
ryu1@newtec-inc.co.jp
電話番号
0270-62-2872 

住所

〒379-2235 群馬県伊勢崎市三室町4421-1

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