有限会社中田鉄工所

歩みを止めず、つくりつづける

有限会社中田鉄工所について
愛知県名古屋市に金属フィルターに強みをもつ加工メーカーがある。

有限会社中田鉄工所だ。

幅広い用途に応じて、ステンレスや特殊金属で製作する。

金属フィルターとは、どのようなものか。

今回は、取締役の中田時彦氏にお話を伺ってきました。
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快く取材を引き受けていただき、ありがとうございます。まずは、御社の事業内容や強みを教えてください。

中田氏

弊社は、主に金属フィルターを扱っています。ゴミを濾過するための製品です。
機械、電機、食品、化学薬品関係。
原子力の潤滑油にも使われています。

防衛省関連のお仕事もされているとか。

中田氏

防衛省関係の仕事を受けている大手の企業があります。
それを、中小企業に振り分けるんです。
弊社の場合は、会長の同業者に紹介してもらいました。
鋳物のメーカーから依頼を受けて、弊社で作ったフィルターを入れて納品します。
ほかには、ストレーナーメーカーさんがつくった製品に、弊社の製品を使わせてもらっています。

特殊な依頼が多いのですか。

中田氏

お客様のニーズに合わせて作っています。
たとえば、弊社は、ステンレスモニュメントやオブジェを製作しています。
友人に頼まれて作ったのが、はじまりです。
1日同じ業務をしていても、マンネリしてしまうので、新しいことに取り組むようにしています。

型は、自社で作られているんですか

中田氏

簡易型や試作型は、(自社の)職人が作ります。
最終ラインのものは、型屋さんにお願いしますけど。
製造業の設備の進歩も急激です。
大量生産にはついていけませんが、機械も導入しつつ、職人仕事も残してやっています。


中田様が、製造業に携わるようになった経緯を教えていただけますか。

中田氏

学生時代は、化学を専攻していまして、電気関係の製造業の仕事に就きました。
10年ほどを経て、祖父の代からのこの会社に、自然な流れで入りました。
すんなり入ってはいけました。
しかし、苦労はしましたね。

仕事を始めて、苦労されたことについて教えてください。

中田氏

この会社に入った時に、最終的に代表になるので、周りにそういう目で見られているんですよ。
知らないことを教えてもらうのも大事ですが、しっかりしたところを見せるのも大事です。職人さんも、仕事ができないと認めてくれないので。
打ちのめされて帰ってきての繰り返しでした。
日々勉強でした。

苦労がなくなってきたのはいつ頃ですか。

中田氏

まだまだですね。
品物としては、お客さんから図面が来れば、ストレーナー関係はこなせるようになりました。
が、苦労がなくなることはないですね。
苦労の中身も変わってきました。
新しいものをつくりつつ、社員も育てなければいけません。
弊社には、20代の社員がいます。
10年から20年と仕事をして、ようやく1人前になるので、人材を育てていくことと、維持しつづける問題があります。
どうしても、時勢的に転職する人が多いので、キープするのが大変。
給料を高くすれば、つなぎとめられるという問題ではないので、大きな課題です。

若い人が、ものづくりの面白さがわかる前に、辞めていくことを残念に思う経営者も多いようですが。

中田氏

マンネリ化を防ぐために、中堅の職人さんには、レベルにあった仕事を振って、取り組んでもらっています。
納期もタイトなので、やってみたいと言われても勘弁してもらうこともありますが、バランスを見てお願いしています。

新人はどのような仕事を行いますか。

中田氏

ものをつくればバリがたちますので、バリの処理とかをさせます。
サンダーで処理することもありますし、研磨もします。
数モノをこなしてもらって、技術を身につけてもらいます。
バリ取りも、お客さんの感度によって、要求値が違いますので難しいです。


CAD/CAMを操作する方と加工する職人さんは違いますか。

中田氏

理想をいえば、CAD/CAMを操作できる人が加工もできるの望ましいですね。
そういう子は、どんどん技術を高めてほしいです。

新人教育はどうされているんですか。

中田氏

品物と図面を見せるということをしています。
図面だけ見ても、わからないと思います。
読み解くヒントを与えて。

見積もりは、どの方が担当されていますか。

中田氏

私と会長で担当しています。
機械で作る部分は、誰でも値段を出せるのですが、手作業の部分は、経験がないと値段を出せません。
そういった方も増やさないと。みなさんどうやっているんだろうと気になります。

見積もりを出す難しさはありますか。

中田氏

難しいですね。値段も業種が変わると変わるので、一律の値段というわけにはいきません。
小さいものだと高くなるんですが、技術ではなく、大きさで判断されがちです。

金額を出しにくい手作業とは、どの部分のことですか。

中田氏

溶接や、フィルターの特殊性、形状の部分です。
単純に筒の形だけではなく、三角形の形もあります。
パンチングメタルといって、穴の空いた板を加工して、その中にメッシュ網を貼るのですが、サイズ的には小さいのもあります。
(現物を見せて)これはフラッシング用です。
最初に製造ラインを作って、一回目の試運転をするときに、いろいろな加工ゴミがたまります。
そのゴミを入れるためのフィルターです。
テンポラリーストレーナーともいいます。
パイプの中に加工ゴミがあってはいけないですし、きれいにするためのものです。

どこに設置するんですか。

中田氏

パイプとパイプの間に入ります。
フラッシングを終えたら、これは抜いてしまって、本番運転に入ります。
鋳物や精缶のボディといったパイプの中に入れて、通常のゴミを濾過します。
スクリーンエレメントが入って、通常のゴミを出します。
液体を濾過するためのものですね。

中の網は別に注文されているんですね。

中田氏

メーカーで買うこともありますし、弊社で加工する場合もあります。
既製品だと、カットした隙間にゴミが入ってしまいますので、こちらで加工して養生してしまいます。
サイズもさまざまで、小さいものから工場の天井につくくらいの大きさのものまであります。

どのように貼り合わせるのですか。

中田氏

溶接です。
スポット溶接の場合もあります。
中のメッシュは、スポット溶接です。
食品会社にいくのであれば、この後研磨されます。
材質は、主にステンレス。
ほかには、チタンなどの特殊金属、無酸素銅も扱っています。


チタンを使われるのはなぜですか。

中田氏

チタンは船のバラスト水のフィルターで使われています。
バラスト水は、船のバランスをとるために捨てる水で、海水が用いられます。
海水をそのまま流すと生態系が壊れてしまうので、濾過して海水を捨てます。
チタンは、海水に対する耐性があるので適しています。

海の水でさえ捨てると、その国の生態系が壊れてしまうんですね。

中田氏

そういうことですね。そういう用途もあります。
原子力向けにいく場合もありますし、化学薬品にいくこともあります。
しかし、どういった用途で使われているのか、こちらで、あまり関知できないので、怖いですね。
化学薬品関係や原子力に使われる場合、本当に大丈夫か心配になります。
どのように使われているのか、打ち合わせをさせて欲しいです。

無酸素銅はどのように使われていますか。

中田氏

電機関係で使われていますね。

フィルターの形状は、とくに特殊な形を作られていますね。

中田氏

当時、弊社には3DCADがなかったために、横のつながりでつくることができました。
今見ても、パンチの効いた製品ですね。
三角形の形状をつくるのは、弊社が最初だったと思います。
四角い加工はよくあるのですが、三角形や丸は、つくるのが大変でしたね。


手作業でなくてもできますか。

中田氏

ブレーキプレスで加工でできますね。

いろいろなお仕事をされていると思いますが、材料の仕入れはどうされていますか。

中田氏

最初は、レーザーの切断屋さんから入れてもらってきていました。
今は板の状態で買ってきて、弊社で加工しています。
できないものは、外注にお願いしています。
かつては、材料屋さんを探すのも大変でした。
規模が小さくなると、材料を仕入れる先を探すのも難しいです。
新たなお付き合いをはじめたところに、正直に材料費の値段を打ち明けて、安く仕入れられるところを紹介してもらったこともあります。
仕入先も、源流ではなく末端の方にいくと、多少割高にはなりますが、流通面の強みが出てきます。
納期を早くしてもらえるので、今では、仕事によって、選択しながら使い分けるようにしています。

今後の製造業の課題について、教えていただけますか。

中田氏

2020年に向けて、引っ張られていますが、実際は末端にはわかりません。
忙しくしていると思ったら、いつの間にか、暇になっているのが製造業の怖いところです。
リーマンショックの時も、そういったことがありました。
生き残りをかけて、大量生産で勝負するのか、特殊なところで勝負するのか、ふたつの選択肢があります。
大量生産の設備投資は、大手には勝てないので、切り崩し方を考えなければいけません。
うちのような仕事は、人手不足も問題です。
製造業が好きな人が増えてくれるといいんですが。
きれいな仕事の方に行く人が多いですから。
ものづくりが好きな子が増えてくれるといいですね。

町工場の存在自体を若年層に知られていないことがあると思います。

中田氏

すごい会社が多いんですけどね。
小さい規模でこんなことまでできるんだって会社が多いです。
資金面、人手の問題で、どういう舵取りをしていかなければいけないかが難しいです。
弊社でなければできないことをしたいですが、それを、うち出していくのが課題です。

製造業のIT化、海外との競争の中での厳しさはありますか

中田氏

海外の製品は、一時期に比べて品質もよくなっていますし、同じ土俵でやらなければいけないのかと悩みます。
しかし、手作業でないとできないこともありますので、負けてはいけません。
危機感やプレッシャーだけ感じていても仕方がないので、感じる前にやる。
そうでなければ、次に進めない。
歩みを止めない。
とにかく作れと言っています。
他社でAIを導入して、人手でできない作業を機械化して、コストダウンになったという話を聞きます。
弊社では、職人さんをフォローする機械は入れたいですが、職人さんにとってかわる機械を入れることは考えていません。


まとめ

金属フィルター製造で、環境保全に貢献。


原子力から食品関係まで幅広いニーズに応える。


機械産業へ移行する中、昔ながらの職人仕事を大切に。


それは、生き残りをかけて。


有限会社中田鉄工所は、歩みつづける。

加工技術

  • カット・穴あけ加工
  • 曲げ加工
  • 抜き加工
  • 成型加工
  • 溶接
  • 塗装
  • めっき
  • 組立
  • 検査
  • 仕上げ・研磨

対応材料

  • 鉄鋼
  • 表面処理鋼板
  • ステンレス
  • アルミニウム
  • その他
  • 銅・真鍮
  • 板プラスチック

基本情報

代表者名
中田 勝
担当者名
中田 勝
創業年度
1993年
メールアドレス
info@nkt-weld.com
電話番号
0567-55-3939 

住所

〒490-1435 愛知県海部郡飛島村梅之郷中梅59番62

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