平井氏
はい。
様々な側面がありますね。
まず、弊社は、会社として人が仕事をしていく部分を大事にしています。
人がいなければ仕事ができないし、仕事ができなければ事業を継続できませんから。
その上で、会社そのものをつくっていくには、大きく分けて種類の違う2つの仕事があると思っています。
1つは、売り上げをあげていく仕事。
お客さまの要望にきちんと答えられる技術を身に着けていくことです。
もう1つは、チームワークで、会社そのものの土台をつくっていく仕事です。
会社全体のことを見ながら仕事をしていく感覚はとても大事です。
そういう感覚を持ってもらわなければいけません。
事業が継続していくには、お客さまからの依頼がリピートしていかなければいけません。
そのためには、今述べた2つの視点をきちんと持っていることが重要です。
そういう意味では、両方ともつながっています。
今、働き方改革の話が盛んで新卒を採用するために、休みはきちんと何日設けてくださいとかありますね。
そういう視点も確かに大事です。
しかしながら、全部がそういう内向きな視点になってしまうと、仕事をさせていただけていることへの感謝のようなもの、そういうものを忘れてしまいます。
仕事をすること自体は罪悪でも何でもないです。
でも、仕事というと重労働だったり、過酷な労働のイメージが強くなってきてしまっている。
働くことそのもののイメージが悪くなってしまっている。
働くことは、本来とても楽しいことで。
自分から積極的に向かっていくようなところが、本来あるはずです。
そういう意味での、やりがいのようなものが、だんだん抜けてきてしまっているように思います。
やりがいを感じる仕事は、沢山あります。
仕事は、単に時間ではかるものではないように思います。
ものづくりの現場におられる人で、やりがいを感じながら仕事をされている方は多くいらっしゃいます。
もちろん、それは過酷な労働を、人に押し付けるということではありません。
機械があんまりない時代は、1人の人間が図面を見て、曲げて、穴開けて、溶接、仕上げまで手がけていました。
そこには、一気通貫で製品を作りあげていく、ものづくりの本来のあり方がありました。
そこに、ものづくりの面白さがあったわけです。
残念ながら、そういうものが効率性を重視するために、分断化されてしまいました。
自分の目の前にきたものだけを、加工して次の工程に送っていく。
それでは、なかなかやりがいというものを感じられないと思います。
ですから、これから若い人たちを採用していく上で、多能工ではないですけれでも、色々な経験をさせてあげること自体が大事なのかな、と思っています。
それは、やりがいの部分だけではなくて。
例えば、お客さまというのはできあがった製品のことを考えていらっしゃいます。
ですから、こちらもできあがる製品全体のことをきちんと理解しながら、仕事をしていかなければいけない。
お客さまに部分的な話だけしても、上手くコミュニケーションはとれない。
全てを見渡せるような人間をきちんと育てていかないといけないと思っています。