株式会社 協和

海外展開も視野に入れて

株式会社 協和について
株式会社協和は群馬県に拠点を持つ板金加工メーカーだ。

2014年から3年連続で新工場を竣工。

積極的に事業を拡大している。

海外の技能研修生も積極的に受け入れている。

昨年には、量産対応のために伊勢崎工場を竣工。

今回は伊勢崎工場の細谷さんと越塚さんにお話を伺ってきました。
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快く取材を引き受けていただき、ありがとうございます。まずは、御社の事業内容や強みを教えてください。

越塚氏

はい。
事業内容を一言でいえば、精密板金というくくりになります。
板材を切って、曲げて溶接する。
弊社の場合は、そのあとに組み立てまで行います。
1つの工場で前工程から後工程まで対応することができます。
これらをワンストップでできる。
ここが強みですね。
最初の材料発注から対応することもできます。

細谷氏

あと、量産の対応も得意にしていますね。
そもそも伊勢崎工場は、量産が主目的の工場です。
これに対して、試作や小ロットのものは本社の工場で対応しています。
そちらの工場にはレーザー加工機などがあります。
業務上、試作ものがどうしても発生します。
どちらでも柔軟に対応できるような体制をとっています。

これは弊社の特色ということなるかもしれませんが、毎年ベトナム人の技能研修生を3人呼んでいます。
去年から始めまして今6人受け入れています。
弊社で3年間、技術を磨いてもらう。そこで習得した技術をベトナムで広げてもらいたいと思っています。
ゆくゆくはベトナムに弊社の工場を建てたいと考えています。

なるほど。御社は溶接も対応していると伺っています。溶接の難しさについて教えてください。

越塚氏

板金加工の流れの中で、溶接は比較的ボトルネックになる工程です。
機械加工に比べて手作業の比率が多くなります。
その分、時間が読めないところがあります。
余裕を持ってラインを設定しておく必要があります。
社内だけのラインで不足するなら、協力会社を用意しておくことも重要ですね。

細谷氏

溶接は、一般的な機械加工に比べると人間の技術が必要な領域になります。
ですから、その分の人材の確保や教育の時間を用意しておく必要がありますね。
板金は、今や設備をどれだけ持っているかという世界になってきています。
実際、設備投資をせずに、人の手や昔の機械で仕事をしている町工場は、厳しくなってきていると思います。
もちろん、人間の手で対応せざるを得ない領域というのもありますが。

具体的には、どのような領域になるのでしょうか。

越塚氏

そうですね。
例えば、溶接ですね。
溶接の場合、ロボットが稼働する範囲に限界があります。
狭いところにどこまで入っていけるのか。
ロボット溶接を上手く使うには、ワークを適切に配置しなければいけない。
そのような場合には、冶具が重要になってくる。
冶具を上手に作れるかどうか。
これは溶接のことをよく知っている人間でないとできない。

それからオペレーターのスキル。
これも、いきなりできるものではないです。
機械加工でも、プログラミングの段階でバグ対策ができますよ。
ただ場合に応じた微調整が必要です。
例えば曲げ。
曲げの順序や角度はとても重要です。
機械上では90°の曲げの指定をしていても、実際に曲げてみると甘かったり、逆にきつかったり。
それを瞬時に調整できて、上手く形づくるのは熟練していないとできない。
機械の癖や傾向もつかんでいないといけません。

ありがとうございます。お客様に喜んでいただけているポイントなどございましたら、是非教えてください。

細谷氏

納期でしょうか。
納期を遅らせることはまずありませんね。
これは喜んでいただけているポイントだと思います。
できて普通って思われるかもしれませんが。
悪いことはすぐ言われるんですけど、いいことはなかなか言ってもらえないもので。

納期を守る上で重要なポイントはございますか。

越塚氏

本社は、工場自体がそれほど大きくないので、生産管理の人間がくるっと回れば把握できてしまうかもしれません。
それに対して、伊勢崎工場はどうでしょう。
生産管理の人間が張り付いてバタバタやっているかもしれませんね。
ここをIT化していくことは重要でしょうね。
現状はベテランのノウハウでうまく回している。
それで、納期は絶対に守るぞというイメージですね。

納期との関連で御社のサプライチェーンについて伺いたいのですが。もちろん差し支えのない範囲でかまいません。

細谷氏

弊社はほぼメーカー様との直取引ですね。
間に商社様が入ったりすることはまずありません。

ありがとうございます。商社以外にも間に入る業者がいると聞いたことがあります。この点について、もう少し伺いたいのですが。

越塚氏

どうでしょうか。
弊社はそのような業者様と取引していませんので。
一般論になってしまいますが、そのような業者様は技術的なことも含めて高いレベルで案件を取りまとめる力がないとだめでしょうね。
少なくともメーカー様と直取引できるだけの話ができないといけないと思いますよ。

弊社でいうと、きちんとお客さまとお話をいたします。
現場で加工するにあたってどのような情報が必要なのか。
その上で現場の工場で仕事をします。
もちろん、いつも100%の情報を得なければいけないわけではない。
弊社には、生産技術にたけた人間が現場にいますので、そこと話をして。
足りない部分は補いますし、くみ取ります。

そこできちんと情報を得られなかったり、間違っていたりすると仕事にかなりの影響が出ます。

少し話が戻りますけど、もし中間業者様がいらっしゃるのであれば、ここをきちんと埋められるかどうかはとても大きいと思います。
設計図1つにしても、実際の製作図にしたらどうなるのかとか。
今の述べたところまで含めて、きちんと配慮していただけるなら存在価値はあると思いますよ。
例えば、社内に生産技術的な部門がないところ。
そういう企業さんにとっては、ありがたいでしょうね。

なるほど、勉強になりました。少し大きな話なのですが、板金加工業界の現状の課題について教えてください。

細谷氏

全体的に言われているのは人手不足です。
多分板金業界だけじゃないでしょうが(笑)
製造業一般でもなくて、日本全体がそうなっている。

人手不足に対する対策という点では、若い人に興味を持ってもらわないといけない。
専門学校や産業技術専門校に工場見学を組み込んでもらい、そこで求人案内を出して行く。
来年から、そういう方向に切り替えていこうと考えています。

もう一つの課題も大きいのですが、板金業界の設備産業化。
経営的な話になってしまいますが、設備投資をどうしていくか。
設備があれば大体のことはできる。
だから、設備投資が求められる。
とはいえ、設備投資の費用をどうするのか。
設備を操れる人間を確保できるのか。
さっき述べたように、設備の方でも機械を操る技術が求められますから。

そうすると設備投資ができない、零細の町工場さんをどのように考えたらいいのでしょうか。

越塚氏

難しい問題ですね。
様々な問題が複合的に絡み合っているので一概には言えませんが。
従業員の高齢化。
後継者不足。
それらが相まって設備投資を控える。
設備投資を控えるとできることが限られていく。

おそらく小さな町工場さんが生き残っていくには、ある種のネットワークを構築していかなければいけないと思います。
協力会社さんと一緒にやっていくイメージですね。
町工場さんが伝えてきた技術というものもあるでしょうし。

現場の実感として、そのような技術を欲している人はいらっしゃるのでしょうか。

越塚氏

いますね。
設備産業化の背景には、人が伝えてきた技術をいかに自動化するのかという問題があります。
ITの力で具現化しようというところで、設備の高度化が進んでいる。
職人の技術をいかにデータベースに落とし込めるのか。
これは業界が避けては通れない道だと思います。

ありがとうございます。先ほど人手不足への対策のお話がありました。他にも新しい取り組みなどがありましたら是非教えてください。

細谷氏

生産管理ですね。
専用のソフトを導入して、仕事の効率化を図ろうとしています。
数字的なものは、割と簡単に見えるようになります。
原価計算。
部材の購入量や在庫。
その辺りがつながって、無駄な購入や生産を抑制できるようになりました。

後は将来的な野望になるのですが、海外拠点をつくる。
これは社長の野望ですね。
海外の場合、こちらから遠隔の制御しなければいけないことが多々出てくると思います。
その意味でも、生産管理の運用が重要になってくると思います。


まとめ


試作・小ロット、量産ともに対応可能。


積極的に事業を拡大。


海外展開も視野に入れながら。


株式会社協和の成長は止まらない。

加工技術

  • 板金加工
  • 金属・切削加工

基本情報

代表者名
八木橋 比佐樹
担当者名
細谷
従業員数
42名
創業年度
1967年
メールアドレス
office_kyowa@kyowa.me
電話番号
0277-76-1661

住所

〒379-2313 群馬県みどり市笠懸町鹿2107-1

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