有限会社小緑製作所

板金加工を泥臭く

有限会社小緑製作所について
滋賀県蒲生郡にコンベアー部品に強みを持つ板金加工メーカーがある。

有限会社小緑製作所だ。

板金加工とプレス加工を主軸に。

短納期での依頼にも快く対応。

今回は、代表の小緑英輝氏にお話を伺ってきました。
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快く取材を引き受けていただき、ありがとうございます。まずは、御社の事業内容や強みを教えてください。

小緑氏

主な事業内容は、板金加工と溶接です。
鋼製部材、機械装置のカバー、コンベアー部品などを手がけています。
今、コンベアー部品が主力になってきています。

弊社は、平成元年に私の父が創業しました。
私が就職したのが、平成20年のことです。
ですから、創業から数えて31年、私が就職してから数えて11年ですね。
3年前に私が社長に就任しました。
現在、従業員が30人います。
なるべくお客さまの要望を捉えた仕事をできるように心がけています。
小回りを利かせて、お客さまの要望を実際に形にできる点が強みですね。


ありがとうございます。コンベアーが部品が主力になってきた背景などをお伺いさせてください。

小緑氏

コンベアーは自動倉庫に使われるものです。
例えば、アマゾンさんなどは、ネット上で注文すると品物が発送されて、翌日には届いたりしますよね。
そのようなシステムを可能にしているのが、自動倉庫です。
自動倉庫では、受注直後に倉庫で仕分けがされて、ピッキング、箱詰めまで無人で行われます。
この自動倉庫のシステムをつくっている子会社さんが、弊社の近くにあるんです。
そこの会社さまが好調で、お仕事の依頼を受けています。
その中で、コンベアーのお仕事が多くなってきたという経緯ですね。
基本的に、滋賀県内のお客さまがメインですが、一部は大阪や北海道からもお仕事をいただいています。

なるほど。板金だけではなく、機械加工やプレスもされていると伺いました。

小緑氏

機械加工に関して言えば、まだまだそこまで着手できていません。
ただ、板金加工は溶接時に冶具を使用します。
他の工程でも使用することがあるのですが、そのような冶具を社内で作成できるような体制づくりはできています。

プレスに関して言えば、昔はプレスを主力としていました。
しかしながら、今は金型代も厳しくなってきましたし、商品の点数的に数が出なくなってきました。
そのような経緯があって、今はレーザで抜いたり、ベンダーで曲げたりという仕事の方が多くなってきました。
要は、板金加工がメインになってきているんですね。
多品種少量生産に変化してきていますね。

最近は、他所さまが会社を畳んだりされている関係で、プレスの仕事も一部回ってきていますが、主力は板金ですね。


ありがとうございます。お忙しい時期と伺っています。社会的な要因などございましたら、お伺いさせてください。

小緑氏

先ほど申し上げた、アマゾンさんの自動倉庫関係があります。
それ以外でも、自動倉庫や業務の無人化を進める流れがあると伺っています。
なかなか現状の設備では、供給が追い付かないような状況にありますね。
そのような関係で営業活動時代はしていないですが、お声かけをいただいてもいます。
見積りなども含めて、弊社でできる限りのことはやっていこうというスタンスを取っています。
ただ、外注さん使ってまで引き受けるということはありませんね。
外注さんは、どうしても毎回コンスタントに対応してくださるというわけではありません。
とはいえ、頻繁に外注先を変えるのは先方も嫌がるでしょうし。
そういう不安定さがあるので、外注さんを使ってはいませんね。

特急案件を受けることもあるのでしょうか。

小緑氏

あります。
そのような需要がある限り、できるだけ対応していきたいと思っていますね。
弊社の場合、製品が目に見える大きさのものが多いので、管理しやすいですし。
何より弊社のような小規模の会社は、小回りが利くことが強みですから。
基本的には、ある程度の納期をいただいています。
ただ、2週間程度が限度ですね。発注業者さまから大まかな発注見込みはいただいています。
ただ、どれを何個というようなレベルまではいただいてませんね。



ものづくりに携わる人がどんどんと減ってきていると伺っています。

小緑氏

そうですね。
板金業界、金属加工業界に限らず、製造業全体で後継者不足や人手不足が問題になっています。
弊社でも、ご多分に漏れず人員募集をしています。
ただ、他の企業さまでも同じかと思いますが、なかなか応募がないのが現実ですね。
若者を入れたいと思ってはいるのですが、大手志向が強いという話も伺っています。
今年、100名の新入社員を受け入れたような会社もあるようですね。
現状は、外国人の方を招いて、しのいでいるような状況ですね。
現在、9名の人間が、弊社で働いてくれていますね。


バリ取りなども含めて、昔ながらの3Kイメージが影響しているのでしょうか。

小緑氏

どうでしょうか。
確かに、バリ取りの際に、鉄粉が舞うようなこともありますが。
そういう時に、泥臭い仕事だなと思うことはありますね。
レーザで切れば、多少は滑らかにはなります。
ただ、どうしても手が触れる箇所に関しては、手作業でのバリ取りが欠かせません。
バリ取り器も保有していますが、やはり手作業が必要な場合があります。
泥臭いものが好きな方には、板金の面白さが伝わると思います。
もっとおしゃれな雰囲気を望むなら、機械加工を薦めますね。

なるほど。これまで手がけられた中で難しかった案件や印象に残っている仕事などございましたら、お伺いさせてください。

小緑氏

弊社は、昔、鋼製の家具を扱っていました。
しかしながら、他の大手さまと比べると、どうしても設備の面で負けるところがありまして、生産力でかないませんでした。
そのような状況にあるときに、リーマンショックがありました。
私が入社したのは、そのリーマンショックがあった年だったのですが、仕事がガタっと減っていました。
先ほど、プレスの話も出ましたが、量産ものの受注が主だったので、本当に厳しい状態でしたね。
まだ、単品ものに移行しきれていない時代でもありまして。
でも、その時に取れる仕事は一つや二つ。
それも、個別の案件ばかりで。
もう単品を扱っていくしかないんだろうなと思いました。
そのタイミングで、思い切ってレーザ複合機を購入しました。
今考えると、これは大きな転換点でしたね。
そこから、量産ではなく、単品に注力するようになりました。

弊社は、基本的に単品の試作も受けています。
ただ、会社としては、次の量産のつながるようなお仕事が有難いですね。
単品を扱いつつも、量産にも対応できるように。
現在、模索しながら進めていますね。


ありがとうございます。今新しい取り組みとか挑戦されていらっしゃることなどございましたら、お伺いさせてください。

小緑氏

正直、取り組みたいことは沢山あります。
沢山ありすぎるくらいですね(笑)
現状の取り組みとしては、難しい案件を依頼されることがあります。
そのような難しい案件においても、良い製品を提供できるように尽力したいですね。
具体的には、プレスではできないような製品を板金加工で依頼されることがあります。
それをどのようにして、形にするのか。
ここは日々挑戦させていただいていますね。

なるほど。大きな質問になってしまうのですが、板金業界全体や金属加工業界全体の課題などございましたら、是非お伺いさせてください。もちろん、御社の課題でもかまいません。

小緑氏

正直、課題は山積みですね。
総務的な仕事よりも、泥臭い仕事を何とかしたいという思いがあります。
現場の仕事ってやってみると結構面白いんです。
板金の場合は、より手作りに近い感覚を持てるので、ものづくりが好きな人間はハマると思うのですが。
ただ、傍から見ると簡単な作業に見られてしまうようなところもありますね。
流れ作業のように見られてしまう部分がどうしてもあります。
本当はそうではないのですが。
そういう意味ではギャップがありますね。
どうやって板金の面白さをわかってもらえばいいのか。
やはり課題がありますね。


まとめ

自動倉庫、無人化の流れに乗って。


コンベアー部品をメインに手がける。


短納期での依頼にも快く対応。


有限会社小緑製作所は、今日も泥臭くものづくりをする。

加工技術

  • 板金加工
  • 金属・切削加工

基本情報

代表者名
小緑英輝
担当者名
小緑英輝
従業員数
30名
創業年度
1988年
メールアドレス
h-komidori@komidori.co.jp
電話番号
0748-53-2715

住所

〒529-1663 滋賀県蒲生郡日野町北脇1-253

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