株式会社 渡辺製作所

総合板金加工業者として進化しつづける

株式会社 渡辺製作所について
株式会社渡辺製作所は総合板金加工業者である。
溶接や組み立てまで含むあらゆる工程を社内で一貫加工している。
それでも現状には満足していない。

お客様の需要に合わせて幅広くニーズに対応するために
総合板金加工業者として進化しつづける

今回は、総務部部長で取締役の木村晋也氏にお話を伺ってきました。
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お時間を割いていただきありがとうございます。まず会社の概要からお話を伺わせてください。

木村氏

はい。渡辺製作所といいます。
1972年創業で、50周年間近です。
今の社長が一代でここまで大きくしました。
ここ八王子には14年前の2004年に引っ越してきました。創業当初は、汎用旋盤という機械で手作業の加工のみでやってきました。
そこから少しづつ設備投資を重ねていき、パンチプレスやレーザー加工も手がけるようになりました。
設備の充実と共に会社も成長してきたというところがあります。現在パンフレットも改修中で、最新の設備を載せれるようにしているところです。
先端的な技術をどんどん取り込んでいるような状態です。

設備が豊富なんですね。機械加工も対応されているんですか。

木村氏

機械加工も行っています。
切削も板金も両方できる会社はあまりないですね。
板金でいえば、曲げだけで11台のベンダーを持っています。
というのも、様々な分野の業者さんと取引をしていて、製品も多種多様なものを作っているからです。
220トンのベンダーマシンもあって、これは最大規模のベンダーです。5〜6m級の曲げが行えます。もちろん厚い板もできます。

ベンダーが、11台もあるというのはとても多い印象を受けます。

木村氏

はい、たくさん機械が必要な理由としては、多くの会社からの多品種小ロット案件に対応するためです。
色んな特徴を持った機械を持つことが重要です。
工場内にある最先端の機械でいえば、切断や溶接ができるファイバーレーザーがあります。

特別に力を注いでいる分野や業界などはありますか。

木村氏

弊社はとても幅広く業務を行っております。半導体がメインですが、食品加工機、鉄道関係、建築関係、医療関係の仕事もいただいている状態です。
本当に様々ですよね。
なおかつ事業部ごとに分かれて対応しています。切断から切削加工、曲げ加工、溶接、最終的には電子組立まで。
ここまで社内で一貫製作している会社はあまり多くはないでしょうね。
色んな製品を一から十まで社内でつくることができる。塗装、めっきに関しては協力会社さんにお願いしていますが。
大きなモノや精密なモノ、あらゆる材質にも対応しています。
最近増えているアルミ材にも対応します。
航空宇宙で使われるような特殊材料やジュラルミンなどを使った加工も可能です。

なるほど。その中で強いて渡辺製作所の強みは挙げるとすると、どういうところになるでしょうか。

木村氏

あらゆるお客様の需要に合わせて幅広くニーズに対応できることですね。
繰り返しになりますが、弊社は事業部ごとに分かれており、設計から組立まで社内で一貫生産しています。
ほとんど全て完成品まで仕上げることができるので、発注するメーカーさんとしてはOEM生産ができる会社としてありがたいのではないでしょうか。

編集部注:OEM生産とは、生産したい商品がある委託者が、商品の設計から生産までを受託者に依頼し、生産された商品は、委託者のブランドをつけて小売に出す生産形態をいいます。

木村様の経歴やお人柄について伺ってもよろしいでしょうか。

木村氏

はい。2014年に入社しました。ですから、現在までで4年半ですね。
私が取締役なのは決して優秀ということではなく、社長の娘と結婚しているからです(笑)
それまでは、製造業とは全く別の仕事をしていました。
色々な条件が重なりまして、弊社に転職しました。
前職はサービス業だったので製造業について全く知見がありませんでした。本当に何もわからなくて。
金属についても全くわからなくて。
入社してすぐに、電気配線の組立から初めて、その後営業を経験しました。
その後、品質管理を経て、総務となりました。
今は大きな役職をいただいています。
現場の知識がわからず、実際に機械を動かして、職人と同じことができなかったのは辛かったですね。
まだまだ現場の知識が分かっているわけではありません。日々勉強中の状態です。

品質管理はどういったお仕事をするのでしょうか。

木村氏

弊社にとっての品質管理は、品質保証という面が色濃いかもしれません。
製品の適合・不適合、つまり基準を満たしているかどうかを確認し、不適合状態であれば対策を行います。
どういった手順で製造するか、よりよい製造を行うにはどうするべきか。
システムを改善するためにデータを取ったりもしています。

品質の基準というのはお客様の要求によって変わります。ですから、自社基準だけで十分ではありません。お客様のニーズを全て確認した上で、柔軟に対応します。海外のお客様であれば、海外の規格・仕様を確認して対応することになりますね。

板金加工業界の課題はなんでしょうか?

木村氏

人手不足と技術承継だと思います。

人手不足から来る課題は大きいものがあります。
製造業は、経験値がすべてと言っても過言ではありません。
経験がなければ、ものづくりはできませんからね。
この業界において「教える」ということは、すごく時間がかかることです。
技術を継承するには、職人の背中を見ながら学ばなければならないことがたくさんあります。
若手で製造業に入社する人は本当に少なくなってきています。
教える側も引退するどころか、教わる方も業界からいなくなってしまうでしょうね。
職人に頼りきって、何も対策しなければ技術が失われてしまう時代になっています。
職人の技術をデータ化するなどして、知的財産として残していくことが重要だと思います。
確かに機械は進化してきています。
とはいえ、機械を導入すれば同じことができるわけではありません。
どうしても長年培ってきた蓄積で差がでます。
弊社は50年続けてきて、色々な経験や知識があります。今述べたような課題を認識した上で、培ってきた技術や経験を大切にしていきたいと思います。

設備が進化したとはいえ、溶接などはロボットでも代替が難しい部分がありますよね。

木村氏

そうですね。
同じものを量産する場合はロボットは適していると思います。
しかしながら、当社では今日作ったものが明日作られるとは限らない。そういう意味では、まだまだ人間の手が必要な部分があると思っています。

今後の課題や取り組みたいことはありますでしょうか?

木村氏

おかげさまで弊社は、お客様の声をもとに新しい分野や事業が広がっています。まだまだ大きくなると思います。
一方で、まだまだ改善できることがたくさんあります。よりよいシステムを確立したり、色んな人を採用する。社内でもスキルアップできるようにして、少しでもお客様の声に応えるために。

弊社の現状は決して悪いものではなく、方針を今すぐ変えなければならないというものではありません。
とはいえ、先が見えない社会状況の中で、いずれ方向性を変えなければいけないこともあるかもしれません。その時、自分達が時代に対応できるように変われているかどうか。
現状の総合板金加工業者としての強みをどのようにいかしていくべきなのか。そこの舵取りが重要だと思っています。

単に今の現状に満足することなく、さらに一歩上へと。もしくは、もっと革新的なものを導入していくべきなのか。総合的に考えて進化していかなければいけないと考えています。


まとめ
一代で汎用旋盤から総合板金加工業者へ。


設計から組立まで社内で一貫生産


それでも現状に満足していない。


総合板金加工業者として進化しつづける。

加工技術

  • 板金加工
  • 金属・切削加工

基本情報

代表者名
渡辺 松次郎
担当者名
木村 晋也
従業員数
96名
創業年度
1979年
メールアドレス
s.kimura@kk-watanabe.co.jp
電話番号
042-625-6721

住所

〒193-0815 東京都八王子市叶谷町915番地4

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