カワモト・マニュファクチュアリング株式会社

家族に誇れるものづくり

カワモト・マニュファクチュアリング株式会社について
大阪市淀川区に、人間関係に強みを持つ板金加工メーカーがある。

カワモト・マニュファクチュアリング株式会社だ。

中厚板の製缶加工の豊富な実績をもち

2〜3トンもの大型の製缶加工品も対応可能。

人を大切にする経営理念とそれに至る道筋について。

今回は、代表取締役社長の中野幹生(なかの みきお)氏にお話を伺ってきました。
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快く取材を引き受けていただき、ありがとうございます。まずは、御社の事業内容と強みを教えてください。

中野氏

業種は精密製缶加工と機械加工です。
創業は45年前、1973年10月創業で、先代の川本敏夫が創業者です。会社の所在地が淀川区の三津屋で、現在三津屋と加島の主に2拠点、32名でやっています。
私どもは、板金の中でも板厚の厚いものをやっていまして、3.2mmから150mmの板厚までやっています。
中でも、厚板の方をご所望されるお客様が増えています。
中大型の製品、厚板の製品は重量が大きくなりますので、クレーンでの作業で、2、3人のチームプレイになりますので、手がけられる会社が減ってきている背景があります。

御社の従業員の年齢分布をお聞かせいただけますか。

中野氏

弊社の平均年齢は、39.2歳。
40歳の層が力を持っている会社です。
将来的には、若年層の比率を増やしていこうと思っています。
また、従業員構成の中で、4名はベトナムの技能実習生です。
二期目で、来年また2人きてくれます。
彼らが三ヶ月、四ヶ月くらいで十分力を発揮してくれていまして、助けられています。

御社の経営スタイルについて教えてください。

中野氏

経営理念としましては、「家族に誇れる職場づくり」です。
シンプルではあるのですが、三つの要素がありまして、まず第一が家族です。社会の最小単位である家族を愛することで、利他精神を育んでいきたい。
家族のためというのは、他人のためなんです。
「他人のために」ができるようになれば、会社や世の中のためになることができます。
第二に誇り。仕事のスキルや人間性を高めることで、自己承認していくプロセスです。
第三が職場。高度経済成長期では、地方の集落や町から集団就職で都会に出て来られた方が、自分の拠り所として事業を捉えて、無心に企業のために働いて来られて、今日の成長した日本の姿を作って来られました。
今は、東京一極集中で、心の拠り所が失われてしまっています。
当社は拠り所を復興させようと考えております。
もちろん、生産プロセスを集中させることによってお客様への満足を高める、あるいは社員が働きやすく出社しやすい職場を整える意味もありますが、究極の目的は心の拠り所を作ること。
この三つを大切にしています。

職場づくりについて、詳しく教えていただけますか。

中野氏

網の目をきっちり編んでいきたいと考えています。
縦の目は、部門ごとに、担っている役割を明確にクリアしたりすること。
横の目は、心のつながりです。
お互いに信頼関係を持ったり、あるいは厳しく切磋琢磨していくようなつながりです。
困った時には助け合い、その心でもってお客様や世の中への思いを深めていきます。
強い職場というのは多様な人材、才能が編み込まれているのだと考えます。
その上で、私どもが一番大事にしているのは、コミュニケーションです。
挨拶、話し合い、掃除を通じて、コミュニケーション能力を高めて、職場づくりを支えていきます。
もう一つが安全管理です。
大きな品物を扱っているので、事故が常につきまとっていたんです。改善を取り組んできまして、労災申請しなければならない事故は現在起こっていません。
品質管理についても、年毎に判断基準をシビアにしていますが、全体のクレームの発生件数が昨年抑えて来られてきていますので、信頼、満足が高まってきている状況です。

御社の長期的な目標について、どのようにお考えでしょうか。

中野氏

20〜30年くらいかけて、質的な成長を目指しています。
企業の成長段階を三段階に分けると、第一段階は地ならし、播種。
第二段階が定着、育成。
第三段階が発展、収穫。
今現在当社は、第二段階にいまして、人材の採用に力を入れています。
自分が自信を持ってチャレンジできる環境づくりを作っていけば、自らチャレンジし、スキルの高い人材に変わっていくと思います。
当社の場合は、職人の技術や管理能力など属人的な要素が高いものですから、機械を入れたら解決するのかというとそうではありません。
機械を入れるほど他社との競合が発生しますので、あえて機械化しない分に注力したり、安い機械を代替して生産力をあげることを目指しています。
建機やタンクなどを作っているので、溶接の作業が多いのですが、タンクは当然溶接技術が高くないと問題があったりしますので、信頼のおける者を使っています。


御社では属人的な要素が高いとのことですが、技術の継承が焦点になってくるかと思います。人間関係について、どのような対策をされていますか。

中野氏

展示会を年に1回近鉄の方で行い、新規のお客様の獲得と社員教育を目的にしています。
対外的な場にいることによって、社員に外の世界を知ることを促しています。
社員教育は、人間形成に力を入れています。
あとは自ら段階的に進んでいってくれていますので、基本的なところに注力しています。
技能者から新人若手への技術の継承は当社が一番得意とする部分と思っています。
朝礼は週に1回、月曜の朝に1時間くらいかけて行っています。
拠点が二箇所なので、どうしても対立が生じるんですね。
なるべく解消していきたい思いからです。対策として、委員会を作りまして、定期的な接触回数を増やし、横のつながりを深めてもらっています。委員会の活動として、みんなで海に行ったり山に行ったり、家族を含めてレジャーを行ったりしています。

人間形成に力を入れられるようになった契機について教えてください。

中野氏

私自身は化学品の商社が前職で、製造現場も知らないですし、金属加工のことも知らない、営業種からの転職組なんです。
そういった視点で見たときに、現場の社員さんが、ものすごく頑張っています。
夏は暑いし、冬は寒いし、なおかつ日々危険が伴っているわけです。
いろいろな業績の変動や創業者の病気や客先の経営不振であったり、外部環境の悪化に翻弄されて、大変な状態で仕事をしている現実があったので。
私はろくに苦労をしないで大人になって社会に出て、こういう環境に入ってきたものですが、あまりにもギャップが大きく、家に帰るときになんとか安全に帰ってほしいと思ったのがスタートです。
一番大きな時は、1年半に6件ほど骨折事故がありまして、危険な環境で人が働くというのは、大変なストレスです。
リスクの中で仕事の喜びを感じられないだろうと思い、早急に職場環境を改善していかなくてはと思いました。
しかし、簡単にいくわけではありません。業界特有の慣習であったり、親会社が下請けに対する圧倒的な力関係、価格の決定権もない、工程を自分たちで決める計画性もない、すぐにもってこいと言われたら、持っていかないといけないような環境で、人材を育てていかなければならない困難さに直面しました。
外部環境を変えるためには、評価されなければならない。
品質向上に取り組まなければならない。
当時は、一週間に4件も5件も不具合が発生していまして、1日に2回も3回もお客さんのところに出直しして、出戻りをくらって、それでは、お客様からの評価を得られません。
正していくのに時間をかけて取り組んでいきました。
クレームがなくなってくるとお客様の評価も変わってきます。
その中で、生産性を高める努力をしたり、販売価格の交渉をしました。
圧倒的なプレッシャーの中で、限界まで下がってきている販売価格を是正してもらったり。
また職人さんの給料が高どまりをしているので、技能職の個人プレーをチームプレーに変えていくこともしました。
今もベトナム実習生がベトナムからやってきていまして、素人から3から4ヶ月である程度の仕事ができるようになるためには、まずは作業を分解していかなければならない。
職場に信任や安心感をもってもらわないと、職人は自分の技能をオープンにできないわけですよね。
その環境づくりに時間をかけていったということです。

そのような取り組みが、先ほどの安全性や品質管理にも影響し、良い傾向になっているのでしょうか。

中野氏

製造業は形から入ることができるんですよね。
3S活動を徹底して、環境から心を改善していくことも可能です。
しかし、人間形成を考えた時に、そのやり方は果たして正しいのだろうかと考えます。
機械に人がくっついている仕事ではなく、人に機械がくっついている仕事なんですよ。
だから、人のポテンシャルを極限まで高めないと、生産性が高まらないだろうというのが、ぼくの考えです。
管理という面からいえば、ほとんど管理していないです。
徹底的に品質管理してお客様の満足を引き出していこうとか、他人のために最善を尽くそうとか、上限のない理想を共有して、チャレンジしていった。
青天井の中で引き出されるポテンシャルが存在しているわけなんですよね。
そこを自覚しないと、自己承認のプロセスが得られないんですよね。
人は無限のポテンシャルを持っているので、義務や目標を与えることで制限してしまうんです。
遠回りですが、そのためには人間形成からやっていかなければなりません。

45年以上の御社の歴史の中で、社内の大改革だったと思います。その中で、今まで困難だったり、思い出深いエピソードがあれば教えてください。

中野氏

直径5m以上あるような大きな商品の、重要な部品を、メンバー4人くらい常駐して4週間くらいかけて作り込んでいった時のことです。
フランジ形状で、128箇所外周上についているわけですよ。
その穴が2.5度、ほんのわずかにずれていることが、完成間近に発覚したんですよ。
ほんの少しの角度なので使えそうなんですよ。
ところが、ずれた時の実績がないので、作り直しになりました。
けんもほろろに、図面通りに作り直ししなさいと言われて。
ほとんど使える材料がなかったので買い直して。
製造を担当しているリーダーがいたんですけど、気の毒で顔も見られなかったです。
経済的な損だ得だというよりも、心情的に気の毒な方が強かったですよ。
でも、そういう事態を乗り越えれば、体質的に強くなりますよね。
大きな損失ではあったんですけど、困難を乗り越える力とか、品質とはなんぞやとか、仕事の厳しさであったり、多くのことを学ばせていただきました。

事業計画の長期目標の上で、挑戦していることだったり、新しい取り組みはありますか。

中野氏

顧客数を増やしていきたいです。
要は、一社あたりの依存度を減らすということですよね。
そのために、仕事を断らない環境を作ろうと。
難しいですけど、工程の隙間を可視化して合理化を進めています。
もちろん既存のお客様の仕事も多いので、忙しいんですが、満足せずに100社でも200社でもお付き合いできる企業さんを増やしていけば、一社当たりの依存度が下がってきます。
そうすれば、お客様と正しい関係性、信任や信頼に基づく関係性を結べます。
お互いにフラットな関係性の中で、共にウィンウィンの関係でやっていく。
市場は無限に広いですし、世間にはお金がありあまっていますよね。
われわれと仕入先さんとで、従業員と一緒に無限大の市場に対して取り組んでいこうと思っています。
ほかには、やはり地域、淀川、西淀川というエリアをおさえていきたいなと。
ニッチトップで活躍されている企業さんとしっかりパートナーシップを結びたいと思っています。
距離が近いというのは精神的にも近いわけですよね。
近いから発注しますというのは、あまり褒め言葉ではないんですけど、われわれにとっては願ったり叶ったりです。
一時期は、全国から受注を受けてというのも考えていましたけど、それだと、われわれとしての喜びも実感しにくいですよね。
お客さんが近くにいれば、従業員も行き帰りで寄ってきたりするわけです。
毎日のことなので、お客さんのために働いている、社会のために働いている、そういう意識が蓄積されていくわけです。
そのあたりが、まだまだ不十分ですので、そのあたりをきっちりおさえていきたいと思っています。
内向きの仕事で精一杯ですので、まずは足元を大事にしていくと。


人が力を発揮する工程を残しているのが、親会社や発注業者に価格交渉をする時にも付加価値として金額に乗ってくるものなのでしょうか。

中野氏

意図的に表明してはいませんが、現実にできるかできないかとなった時に、決めているのは技能者なんです。
それは、お客様も理解されるようになっています。
今までは、技能者がたくさんいたために、実際の決定権を持っているのは技能者なんだけど、そのことに気づいていなかったんです。
われわれも人手がかかっているので、売上が上がったからといって、急激に利益が上がるわけではないですよね。
そういう事情を共感していただく背景ができあがりつつあります。
こっちが値段を釣り上げていけるわけではなく、ぼくらが困っていることに対して、支援をしていただきやすくなっています。

最後に、製造業、板金製缶業界、金属加工業界の課題について、お考えをお聞かせください。

中野氏

経営として考えた時に、設備投資の壁が大きすぎますよね。
製品の単価と装置のコストが見合っていない。
でも、みんな、ものづくりの業界が好きだから、そこに投資していくわけですよ。
ぼくも外部からきた人間なので、経営して見た時に商品単価に対して設備が高額すぎると思いました。
設備の借り入れを返済していくための事業になっています。
これでは、経営者が浮かばれない。
設備投資をやり続ける競争の中で、そうじゃない世界も温存していかないと。
ぼくらだけではどうしようもないので、同業者さんのネットワークを作っていかないと。
対外的には交渉力でもって、業界のイメージを高めていかないと。
まともな価格で商品を売れないですから、結局安く買い叩かれてしまいます。
業界自体の魅力がなくなってしまいます。
今はふんだんに発注がなされている環境ですので、どんどん仕事を稼働させれば、短期的な収益が上がっていきますが、バランスシートが改善するかというと、競争になればなるほど劣化していきます。
大量生産モデルで高速化を追求すれば、どこかで終わりが来るわけです。
自社商品を開発している企業さんは、これから本当に成長していかれるポテンシャルがあります。
ぼくらも生産プロセスであったり、販売ネットワークができてきた上で、自社商品を開発したり、販売したりをやっていきたいと思っています。


  ーーまとめ

  なによりも大事にするのは「人」


  温かな社風の中、全員一丸で理想を追求


  お客様と社員の心のよりどころになる企業を目指して


  カワモト・マニュファクチュアリング株式会社は、未来へ前進する



基本情報

代表者名
中野 幹生
担当者名
中野 幹生
従業員数
32名
創業年度
1973年
メールアドレス
nakano@kawamotokogyo.co.jp
電話番号
06-6308-3533 

住所

〒532-0035 大阪府大阪市淀川区三津屋南3-16-24

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